表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
60/163

58話 炙り出し

ハニエルの言った通り、少し離れた場所にカイトは身を隠し

ていた。


「本当に私達以外にいるのかしら?確かに、私が使った魔法

 じゃないけど…魔力が切れてからも継続してただけかもし

 れないじゃない?」


苦し紛れの言い訳に、イザベルが即座に否定した。


「攻撃魔法は切れた瞬間霧散してたでしょ?あんな味方を避け

 るんなんて、イーサが出来るとは思えないわ。多分隠密スキ

 ルで隠れたまま出てこない気ね!」

「それなら、こっちから炙り出してやれないだろうか?」

「どうやって…?」

「イーサ、確かロイエンの街で買い込んだポーションがあった

 だろう?」

「えぇ、でも、あげないわよ?」


ハニエルに言うと、鞄を抱えた。


「そうじゃなくて…今すぐに飲めば最大級の火力で魔法が使える

 んだろう?」

「……」

「なるほど……あたり一面にぶちかませばいいのね?」

「そういう事だ!あたり一面焼け野原にすれば、無傷では済まな

 いだろうしもし結界的なアイテムを使ったとしても、そこだけ

 不自然になるだろう?」


ハニエルが自信満々でいうと、早速イーサが一気にポーションを

飲み干した。

聞いていて呆れているアンを横目にやる気満々のようだった。


「ちょっと、待ちなさいよ!私達まで巻き込む気?」

「あぁ、そうね。仕方ないから、分けてあげるわ。」


ポーションをイザベルに投げてよこすと飲むように促した。

全部を飲み干すと、さっきまっで空っぽだった魔力が一気に回復

したようだった。


「嘘でしょ?これ、どうなってるのよ…」

「でしょ?ロイエンの街に行ったらすぐに買い込まなきゃ損…でし

 ょ?」

「そうね、今度私も連れていってもらえるかしら?」

「う〜ん、考えておくわ」


すぐに教えないのは教会が買い占めると困るからだった。


「教会に言って買い占めたりなんかしないわよ〜」

「それならいいけど……じゃ〜行くわね!」


最大火力を持って、一気に魔力を練り上げた。


ワイバーン討伐の時と違って、長引かせる必要はない。

一気にぶちかませばいい。


魔力を温存する必要もないので、出し惜しみなく一気に行く。

聖女イザベルが防御魔法を展開し終わるタイミングで、空に真

っ赤に燃えた火の塊が振り下ろされた。


隠れていたはずのカイトは急いでその場を離れた。


簡易的な結界を張っていたが、嫌な予感がして、その場を離れ

一気に走り去る。


射程範囲外まで来ると後ろを振り返った。


真っ赤に燃える太陽のような明るさが森を包み、あたり一面を

燃え上がらせていた。


終わった後には、大きなクレーターが出来上がっていた。

さっきまでカイトがいた場所だけは草が残っている。


だが、人の姿はない。

ただ、その場所だけが異様に感じるくらい、不自然に草が生え

たまま残っていたのだ。


ラキスや、イザベルが確認したが、痕跡すら残っていなかった

のだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ