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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
51/163

50話 予期せぬ敵

その頃、カイト達のパーティーでは予想外の魔物の襲来があった。


目の前にいるのは手傷を負ったジャイアントベアだった。


「まず、目の前の敵に集中!」


セオドアの指示に従うように、配置に付く。


「行きます!」


ナナの魔法が目の前を飛んでいく。

怪我をしているせいか気が立っているのだろう。

ジャイアントベアは歯を剥き出しにしていた。


そこへ魔法が飛んでいけば、そっちへと殺意が高まる。

真っ直ぐにナナへと向かおうとするのをセオドアが一気に仕留める。


「魔物だろうと、敵に腹を出しちゃ〜いけないねぇ〜」


セオドアの大剣が一気に真っ二つに割った。

もう一匹は警戒しながら後ずさるが、このまま逃せば他の冒険者へ

の被害が出るので、ここで仕留めたい所だった。


「ここは任せて下さい」


カイトが土の魔法を唱えると足場がぬかるみ、ジャイアントベアは

足を取られて身動きが取れなくなった。


そのうちに炎をナナが打ち込む。

バンとメンデが一気に足元を攻撃して横転させる。


あとはタコ殴りするだけだった。


「カイトくん、すごいね〜、土魔法も使えるのかい?」

「あ……はい、少しですけど」


さっきぬかるみにした際に土魔法と水魔法を同時に使ったからだ。


土魔法だけでは、こうはならない。

ナナは火魔法を主に使っている。


全属性が使えるとは言いずらい事だった。


勇者のパーティーには2属性使える魔法使いがいると聞いた事が

あるが、それは火力もなかなかだという。


「イーサさん、以来じゃないですか〜、あの人も前に見たこと

 ありますが、すごい魔法使いでしたよ〜」


メンデは関心するように言った。


「カイト、お前2属性使えるのかい?」

「はい……まぁ、少しですけど…」

「それはすごいじゃないか!いっそ、今後も私達と一緒にいか

 ないかい?」


セオドアはよっぽど気に入ったらしい。

メンデも最初は嫌がっていたが、実力があって、しかも2属性

持ちと分かると、反対はしてこなかった。


「いえ……僕はいいです。今だけ、ご一緒させてもらってます 

 が、僕は一人がいいんです」

「そうかい?もったいないね〜」

「そんな〜、僕なんて、そんな……」

「そんな事ないです!私達はカイトさんに助けられたんです!

 カイトさんはすごい人なんですよ!」


ナナはカイトに助けられてから、ずっと気になっている様子だ

った。

もちろん、バンもゲイルにもそれはわかりやすいほど、バレバレ

だったのだ。


本当なら収納してしまいたいところだったが、人前でこの指輪の

事を知られるわけにはいかなかった。


「もったいないが毛皮と肉だけもらって行くか!」

「魔石もですね」

「それにしても器用に剥ぐね〜、慣れてるのかい?」

「えぇ、まぁ…」


カイトの手慣れた手つきに、みんな目を見張っている。

いつもの事だったので、手際よく剥いで行く。


皮の間の肉ギリギリをスパッと切ると、今度は肉の筋に沿って切

り分けていく。


どんなに慣れていると言っても、ここまで手際のいい職人はいな

いだろう。


ギルド職員でさえも、ここまで綺麗に解体は出来ないだろう。



特に、まだ駆け出しのランクの仕事とは思えないほどだった。

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