表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
50/163

49話 勇者の仕組み

王都で開催される、勇者のランキングバトルはお互い怪我の

ないように、神聖な教会からの神官の立ち合いのもと行われ

る事になっていた。


魔王が復活を遂げる十年ほど前から勇者というスキルを持った

ものが現れると書物に書いてあるほどだった。


ただ、これもただの言い伝えでしかない。

今では魔王など、神話の物語でしかないとされている。

昔、過去最強と謳われた勇者パーティーが打ち取って以来、魔

王の誕生報告はない。

玉座の間には神から使わされた宝玉が祀ってある。


魔王誕生の際は光り輝き、太陽が隠れるとさえ言われていた。


それが、日食という言葉だという事は誰もしらない。


ただ、お祭りのような要素が含まれているのだ。

本大会で優勝するくらいの強い勇者が誕生!その報奨金に国か

ら暮らしていけるだけの額が支給される。

そういう仕組みだった。


王都では活気的に盛り上がりを見せるこの大会は一般参加の

パーティーも参加を許可されている。


されてはいるが、普通勇者に勝てるほどの実力者など滅多にい

ない。


いたとしたら…とっくに勇者パーティーにスカウトされている

事だろう。


ただ、勇者というのは産まれもったものではなく、途中から獲

得するスキルであると言われている。


その為、いつ、どこで、何人にスキルがもたらされるかは不明

だった。



その実力を図り、順位を決めるのがこの大会だった。


数年単位で行われていて、勇者が必ず参加するわけではない。

勇者といえど、国の宝として扱われてきた。その理由が、魔物

に対して強力なバフがかかるという事にあった。

同じパーティーでも同様だった。

だから、魔物、魔族、魔王という禍々しい力に対抗できるスキル

を持つ者とされているのだ。

いわば、それだけなのだ。


その為、各国が保有し国から出ず他国のこんな大会には出ないと

言う者すらいるのだ。

ダンジョンを制覇できるのはこのスキルがあってこそだともいう

国さえもあるくらいだったからだ。


そういう勇者はランク外と認定される。



勇者の称号を得ると、まず街の宿屋がタダになり、国からお金

が支給される。


使える国にもよるが、こぞって待遇をよくしている。


ギルドの依頼を月に決められた回数こなすという義務を負う。

これは国からの金銭の代わりにギルドに貢献しろという達し

だった。


これをサボると、順位がランク外になって、国からの金銭が

一時的に停止してしまうのだ。


それを防ぐ為に魔物討伐の依頼を一気に終わらせている所だ

った。


「でもよ〜かったりぃ〜よな〜」


「そんな事言わないのっ!この辺の村ではワイバーンが出る

 度に怯えているのですから」


聖女は貧しい田舎出だったので、魔物の存在が村にとって存

続の危機である事を一番わかっていた。


「ラキスは怖くないのですか?だって…勇者のスキルを手に

 入れる前は…」


「弱い者は淘汰される…それが自然だろ?」


ラキスは商科の出だった。

貧乏ではないが、色々な場所に赴く際、魔物に襲われたり、

盗賊に襲われたりは当たり前の事だった。


「弱いから死ぬんだ。だから強くなればいい。魔物も賊も全部

 倒せるくらいになればいいんだよ」


商人の息子でありながらこの脳筋っぷりは、さぞ両親は頭を抱

えた事だろう。


それがまさかの勇者とは…。

きっと驚いた事だろうと聖女は思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 魔王の復活する10年ほど前から勇者が現れる でも数年に一度大会が行われる 勇者が出場しない時もあるのに勇者のランキングがある しかも参加しない勇者もいる 魔王が復活したときに現れる勇者…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ