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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
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43話 仮眠

カイト達のパーティーの依頼は森の奥、魔物の生態系調査だった。

だから必ずしも戦わなければならない事はない。


どうしても逃げられない時にだけ戦闘を余儀なくされるが、出来る

限り、ひっそりと調査したいのがギルドの方針だった。


もし、凶悪な魔物がこの森に来て、生態系を乱したせいで奥地に居

るはずのジャイアントベアが街の近くまで来てしまったというのな

ら、上位の冒険者を雇わなくてはならなくなるからだった。


初めから強い冒険者を雇うだけの金はなく、一般的に初心者に毛が

映えた程度の知識がある冒険者がこう言う調査依頼を率先して行う。


その理由は…まだ浅い知識を深める為と。

森に慣れるためでもあった。


野営や、魔物の痕跡。

色々と学べるものが多いのだ。


だからセオドアのようなC級冒険者を交えたパーティーを組ませて

学ばせるのだった。


「それにしても、カイト。あんた本当にE級なのかい?この前まで

 F級とは思えない身のこなしだったよ〜」


セオドアに気に入られたのか、ずっとカイトの側にピッタリとくっ

ついて来ていた。


遠くから睨んでくるメンデさんの視線が痛かった。




食事を終えると、お互いに見張りの時間を決めて仮眠に入る。

人は、この様な時が一番隙だらけになるとリリーに言われたのを思

いだす。


ナナとバンが先に見張りを引き受けると、その後でゲイルとカイト。

最後にセオドアとメンデという順番になった。


「各自順番はいいかい?」

「はい。」


各自テントに潜り込む。

しかし、カイトはテントを持ってこなかった。


「あんたテント持って来てないのかい?」

「あぁ、いえ…僕は…」

「なら、私達のところに来るかい?」

「いえ!結構です」


セオドアがいきなり誘って来たせいで、メンデから凄い形相で睨まれ

てしまった。


別に持って来ていないわけではない。

ただ、ここではのんびり寝ていられないだけだった。


 リリーの教えには『寝込みは一番の隙である』


その言葉通り、寝ている隙が一番危険だという意味だった。

その為、寝ているように見えないようにする必要があった。

まずは近場の木に登ると魔力の糸をゆっくり整形しハンモ

ックのような形状を作る。

下からは見てわからないように葉っぱで覆う。


これで寝床の出来上がりだった。


安心して眠れる場所というのは生きてく上で一番大事な事なの

だった。

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