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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
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4話 貧乏な理由

4年間、地元の森でずっと狩りをして過ごしていた。

18歳になった頃、やっと王都へといく決心をした。


「そろそろここでの狩りも余裕じゃないか?」

「確かにそうね〜、ナノはどう?」

「そろそろ王都に行ってもいいんじゃないかしら?」

「そうよね!」


ダルカの意見にレイアが皆んなへと振っていく。


「イルギはどう?もう私達強いわよね?」

「そうだな…俺は構わんが……」

「何よ?問題でもあるの?」

「あぁ、それなら問題ないだろ?向こうでいい人材がいれば補充

 すればいいだろ?」


イルギがチラリと見たのは、向こうから食事を運んでくるカイト

の姿だった。

どう見ても、カイトだけ足手纏いだった。

戦闘にも加わらないで、わけ前はもらっていく。

そんなのは仲間とは言えないと常日頃から言っていた。


「この際だから、神官を引き入れるのはどうだ?」

「神官かぁ〜、この村には居ないからな〜」

「確かにね〜」


神官のヒールは絶大で、傷がたちどころに治るという。

カイトが持っているポーションなんかよりよっぽどお手軽で、文句

がないという。


カイトもヒールは使えるが、なにぶん治りが遅い。

そのせいで、戦闘中は使えないのだ。


だが、今はそれでも助かっているせいでクビにも出来なかったのだ。


「おい、カイト!お前王都に行こうと思うんだが、来るだろ?」

「うん、僕でいいなら行くよ」

「あぁ、回復は大事だからな…」

「いつ行くの?今年の冬の前くらい?」

「来週だ!春には前には王都に着きたいからな、その前に近くの街の

 ロイエンまで行っておきたい」

「うん、わかった。父さんと母さんに話してくる」


一応、これでも農作業の人手として駆り出されていたのだ。

いなくなるだけで、父親の負担が増えてしまうのだ。


「でもよ〜、お前の父ちゃんってまだあんな野菜作ってんのか?売れも

 しねーだろ?」

「そうよね〜、あんな見た目じゃ誰も買わないわよ〜」


何を言われたっていい。

生活をしていけるのならそれでいいのだ。

ダルカや、レイアの父親は冒険者として魔物を狩って生活をしている。

それに見習って子供の時から色々なものを見聞きしていた。

知識もそうだが、訓練もしていた。


ナノとイルギは農夫だったが、カイトの父よりはまともな野菜を作って

売っていた。


土地が痩せているのはカイトの父親の場所だけだった。

水を引くにも桶に入れて運んでいかなければならない。


それに比べて、ナノとイルギの方は水車の側にあるおかげで潤沢な水を

使えるのだ。


この違いはカイトの両親が他所からの流れ者だった事に由来するらしい。

今はこの村、最果てのカヌル村に居着いているが、前は村々を転々とし

ていたと聞いていた。


理由までは知らないが、駆け落ち同然で逃げて来たらしい。

家に帰ると今日聞いた話を切り出したのだった。


「王都に……行くのか……」

「うん、王都へ行ってもっと有名になるんだって言ってたよ」

「だがな〜、それはカイトが行かなきゃいけない事なのか?」

「そうよ、貴方は戦えないじゃない…」

「それは……でも、僕でも皆の役には立てるんだよ!」

「考え直さない?貴方のヒールはまだ未熟だし、教会に知られたら…」

「教会?それって回復師を集めてるってあれの事?でも、僕の回復

 なんてしれてるじゃん?ポーションと併用しないと上手く発動し 

 ないし?」


カイトは首を傾げると、どうしてそこまで心配するのかと疑問に思

ったのだった。





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