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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
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36話 神官の不安

ダルカ達、金色の翼はダンジョン攻略中に、いきなり外に出されて

しまっていたのだった。


ダンジョンボスが倒されてしまうと全員がダンジョンの外に出され

てしまう事がある。


そうなると、今日はもうダンジョンには入れなくなってしまうのだ。


明日には新たなダンジョンボスが湧いてきて、普通に入る事ができ

るようになる。


が、問題はそこではない。

さっきまで倒した魔物の魔石をまだ取っていなかったという事だっ

た。

魔物は倒した後で魔石を身体の中から回収する。


そうしないと自分と一緒に外に出てこられないからだった。


後でやればいいと言いながら山積みにしていた魔物の山は、そのま

まに自分たちだけ外に出されてしまった。

カイトがいた時は、倒したものから順に手早く解体していたので、

なんの問題もなかった。


たかが足手纏い一人いなくなったと言っても、神官が入ったのだ。

回復には困らないと思っていた。


カイトの持っていたポーションを大量にくすねた分、湯水のように

飲みながら攻略していたせいで、多少の怪我くらいで済んだし、神

官ハンナのエリアヒールで傷も残らず治った。


「やっぱりハンナがいると違うな〜」

「………」


ハンナは暗い顔をしながら先へと進んだ。

そんな途中の出来事だった。


いきなり警告アラームが鳴って、全員がダンジョンの外に出された

のは。


ハンナにはちょうどいいタイミングだった。

自分の神官の魔法がどうにもおかしいと思い始めていたからだった。


「チッ……誰だよ俺よりも先に倒したやつは……」

「本当よね〜。私達が華麗にボスを倒すはずだったのにね〜」


ダルカに続きレイアも愚痴をこぼす。


「攻略途中で追い出されたんだし、入場料金返してくれないかしら?」

「確かにそうだよな!言ってみるか」


そういうと、門番に言いに行った。

勿論、そんな事があるはずもなく、邪険にされるだけだった。


「今日はもう、ダンジョンにも行けませんし、私はこのまま教会へと

 戻ります」

「待てって、これから飯でも一緒に行こうぜ?」

「いえ、結構です。今日の取り分も減ってしまったのでしょう?なら

 少しは出費を控えた方が良いのでは?」

「そんな事別にいーよ。ポーションはまた取ってくればいいしな?」


ダルカの言う取ってくればとはどういう意味か、ハンナは知らないの

だった。

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