表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
34/163

33話 ダンジョンボス

先へ進むとすぐに大きな部屋へと出た。

そこには大きな身体をくねらせた、大蛇が陣取っていたのだった。


「鑑定」


『ブラックマンバ


黒い鱗に覆われた大きな蛇型の魔物。

毒を吐き、尻尾でのすり潰し攻撃が主流。

体当たりは二度連続で来るので注意が必要。』



鑑定通り真っ黒な鱗に覆われていて、長い牙が見て取れる。

後ろから来たせいかまだ気づいてはいないようだったが、これ

以上近づいたら気づかれるような気がしていた。


ゆっくり足を踏み出すと、いきなり巨体が動き出したのだった。


こちらを振り向くと威嚇するかのように牙を見せて威嚇音がする。

カイトはすぐに走り出すとさっきまでいた場所には緑色の液体が

バシャっと地面にかかっていた。


あきらかに毒としか思えない液体に、ヒヤヒヤしながら周りを駆

けながら様子を見る。


すると、長い尻尾をグルンッと回すと広いはずの空間目一杯に回

転した尻尾が壁ギリギリまで迫ってきていた。


「嘘だろっ……っと!」


ジャンプして避けるも、少しでも油断したらその太い尻尾の直撃を

モロに食うところだった。


油断できない。

そう感じたのだった。


対人戦や、リリーとの魔法戦には慣れたが、大きな魔物相手には

どう立ち回っていいか分からなかった。


氷の礫を硬く、そして鋭くすると一気に噴射した。

中央で戸愚呂を巻いているので当たるはずだった。


が、弾かれると鱗には全く傷すら付いていなかった。


「これは……厄介過ぎるだろ………」


炎の火力を上げて一気に投げ付けるも多少焦げたくらいでピンピン

している。


その間も一気に噛みつき攻撃や、体当たりなど次々に攻撃してきた。

かわしながら策を練らなくてはならなかった。


足元を泥沼にするか?

いや、それだとあの大きさだから動きが鈍るのはカイトの方だった。

では、どうしたらいい?

凍らせるとか?

蛇なら低体温には弱いはず?

いや、さっき冷気耐性があった。

炎耐性もついている。

火炎にもびくともしなかった。


悩んでいるうちに徐々に足場がなくなっていく。


飛んでくる毒を避ける度に足もとに撒かれていく毒の液体はすでに

エリアの半分くらいまで侵食してきていた。


「やばいな………このままじゃ、こっちがジリ貧だろ……」


一人で倒すには無理なのだろうか?

だが、倒さなければずっとここにいる事になってしまう。


レイアから母のペンダントを返して貰わなければならない。

こんなところで足止めなどしていられない。


宿屋の荷物も、帰ってこなければ捨てられてしまうだろう。


冒険者とは明日もしれない職業なのだ。

数日帰ってこなければ死んだものと扱われる。

それが当たり前なのだ。


「こんなところでのんびりできねーんだよっ!」


ポーションを飲むと魔力を補充し一気にエリア全体に土魔法を発動

したのだった。


グラグラッと振動が全体に伝わると、動き出したのだった大蛇の足

元の地面が一気に崩れたのだ。


カイトは壁に張り付くように落下を免れると岩を錬成する。

一気にさっき落とした穴へと埋め尽くすように落として行ったのだ

った。


「これで……どうだっ!」


魔力を目一杯使って深く落としたせいか眩暈がする。

落下からの押しつぶしで死んでくれればいいが…と考えながら地面

に座り込んだのだった。


しばらくシーンとなってから、ダンジョンクリアと表示が現れたの

だった。


「やったぁ〜!これで出られる!」


そう思った瞬間、ワープゾーンが出て横には宝箱がドロップしたの

だった。


疲れた身体を引きずりながら箱を開けると指輪が入っていた。


「鑑定」


『異空間ボックス


所有者の魔力量によって入る大きさが決まる。

どんなアイテムも入れる事ができる。

ただし、生きた生物は入れる事ができない。

瀕死はその比ではない』



「これは、いいじゃん」


稀に見るアイテムボックスが手に入ったのだった。

アイテムバックはたまに高額で販売されているが、ダンジョンドロ

ップにこんな便利なものがあるとは思わなかった。


一緒に入っていた小さな剣の形をしたペンダントを手に取ってみる。


「こっちも鑑定」


『魔力剣


魔力を流すと大きさを変えられる剣。

魔力量によって形も変わる。

弓にも剣にもなるが、魔力が尽きると元に戻る。

常に魔力を使うので回復手段を持っておく必要がある』



説明にある通り、今のカイトの魔力は多いと言っても魔法も使うと

なると、普通の武器のがいいような気がしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ