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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
29/163

28話 落下した先で

ずっと一本道を進むと段々と狭くなっていく。


曲がり角はあるものの、分かれ道は一切なかった。


「ここは何の為に作られたんだろう…」


動物が住み着いたとしても不思議じゃないくらいに広さも奥行

きもある。

だが、さっきのジャイアントベアにしても中には入ってこよう

としなかった。


多分、何か理由があるに違いなかった。

それに、人工的に掘られたとしか思えない箇所も見受けられた。


「今のところ危険そうなものは無さそうだけどな〜」


カイトは曲がり角に、変わったところは無いかと調べていく。

だが、洞窟の幅が狭まっていく他、何も変化は見られなかった。


唯一違うといえば、魔力が奥に行けば行くほど濃くなっている

ような気がするくらいだった。


なぜなら洞窟の入り口で作ったポーションより、中で作った方が

明らかに出来がいいのだ。

効能も上がっている。


決してカイトの魔力が増えたわけではない。

その土地の環境で左右されるのだ。


もちろんカイト自身のレベルが上がれば、もっといいものが作れ

るのだろうが、今はこれが限界だった。


「この先に一体何があるって言うんだろう……」


奥に進むにつれてひんやりとした冷気が立ち込めてきた。

そして、行き止まりになってしまっていた。


「ここで、終わり?でも……何かありそうなのになぁ……」


ペタペタと岩壁を叩くが多少崩れるくらいで変わりはなかった。


「ん〜〜〜……?」


壁伝いに触れながら歩くと途中、岩の中に魔力を感じた気がした。


「これって……」


気になってそこに魔力を流して見るとあっという間に足元が崩れ

て一気に落下したのだった。


「うわぁぁあぁぁっーーーー」


どこまで落ちるのか、ただ床が抜けたのは全体ではなくごく一部

だったらしい。

周りの壁にぶつかりながらまるで滑り落ちるように落ちていく。

一瞬ではなかったのは、きっと深かったせいだろう。


たどり着いた先で一気に明るくなった。

開けた先には大きな水溜まりが広がり、その中へとまるでダイブす

るかのように突っ込んでいた。


バシャーンッ!

と大きな水飛沫をあげて突っ込むと、手足をばたつかせて水面に浮

上した。


「プハッ……ここは…どこまで落ちたんだよ……」


きょろきょろと周りを見回してもただの広い空間なだけだった。

水から出ると服を脱いで絞ると少し周りを観察する事にした。


どう見てもこの明るさは異常だった。

壁にべったりついた光苔は上で見た時よりも光を放っていて、真昼

の明るさを維持している。


そのおかげか中の状況がよく観察できた。



ここには大きな水溜まりが一個ある以外は奥に小さな通路が続いて

いるだけだった。

中央には大きな木が生えていて、水はいたって綺麗な気さえする。


救ってみて浄化をかけたが、不純物は入っていない様子だった。

服を乾かすとまずは奥へと進む事にしたのだった。

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