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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
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20話 まずは依頼を

まだ駆け出しの冒険者なのだろう。

装備も初期装備だった。

横目で見ながら奥へと向かう。


カイトは声をかけれるほど先輩でもないし、強くもない。

逆に新人の方が攻撃力はあるのではないかと思うほどだった。


採取はもっと奥にまでいかなければならなかった。

ダンジョン『賢者の試練』以外は入場料や、許可を必要とはし

なかった。


それだけ特別なのだろう。

魔物の強さはダンジョン内でも、外の森でも大差はない。

逆にダンジョンの中は統一の魔物が階層毎に配置されている

みたいで不思議な空間に思えた。


「あっ…あった!」


早速目的のモノを見つけると鞄に詰め込んでいく。

一杯になった頃には日も暮れて来てギルドへと戻って来た。


何とか今日の分で食事と宿泊代がギリギリ稼げたくらいだった。

いつまでこんな事を続けるのだろうか?


カイトの持っているスキルではダンジョンでの狩りはおろか戦

闘行為すらままならない。


誰かと組む事もできなかった。

唯一、一人で出来る事といえば、採取依頼と下水の掃除くらい

だった。


宿に戻る途中でチラリと見かけたダルカ達のパーティーには見

慣れない女性が入っていた。

身なりから神官だろう。


「もう、教会行って神官を頼んだんだ〜………」


回復のエキスパートで、ポーション入らずと言われるほどだ。

ヒールが使える人間がいない時は大量のポーションを持ち歩か

なければならない。


多少の怪我であっても動きが鈍ればもっと大きな怪我に繋がる

からだった。

常に万全でなければならない。

ダンジョンの中では何が起きるかわからないのが常識とされて

いた。


それだからか、無駄にポーションを要求された記憶がある。


カイトの母親の作ったポーションは質が良く傷や、魔力、体力

全てにおいて優秀だった。


逆にカイトの作った劣化版は体力と魔力はいいが、傷が切り傷の

みで、それ以外はヒールとの併用で治していたのだった。


ダルカ達に見えないように咄嗟に物陰に隠れてしまっていた。

カイトの能力は指定した対象からの絶対回避。

敵が多いと指定が間に合わず、回避ができない。


それに魔力が尽きると回避も使えない。


本当に戦いに向いていないスキルだったのだ。

自分でもわかっている。

こんなスキルの自分を良く一緒に行こうと誘ってくれたと…。

それでも村では嬉しかったのだ。

一緒に冒険して、一緒に旅ができることが……。


今はたった一人でも、いつかは懐かしがってくれるだろうか?


「早くレイアに返して貰わないといけないのにな〜」


村に帰るにしてもこのままでは帰れない。

母親に託されたアクセサリーを返して貰わねばならなかった。


資格のない人が持っていて、それがお偉い人に見つかれると大変な

事になると言ってたっけ…。


こっそりとかつてのメンバーを見ながら今日は宿に戻ったのだった。

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