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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
時代が動く時期
110/163

1話 水の都

起きた時には次の日の正午を回っていた。


ここでは時間を気にして動くという考えはさほどないらしかった。


「ん〜〜〜」


背伸びすると、久々にベッドで寝た気がする。

それに警戒はしていたが、魔物の動きをで目を覚ます事はなかった。


この里は世界樹のそばにあるせいか、気性の荒い魔物はよってこな

かった。


おとなしい小物は水場を求めてやってくる事はあった。

自然豊かで、この辺りだけ空気が綺麗に浄化されている気がする。


イーサの魔法がなければオーク達が攻めてくるような事は決してな

い場所だという事だったのだ。


「おはようございます」

「おぉ、おぉ、起きておったか……ゆっくりしていったらいい」


長老のところへと挨拶へ行くと、気軽にもてなしてくれた。

木の実から搾ったジュースに果実のシロップ漬け。


酸味と甘味が相まって、美味だった。


「もうそろそろ行こうと思って……」

「もう行くのか……なら、これを持って行きなされ…。もし他のエルフ

 に会う事があったら見せるといいじゃろう。きっと力になってくれる

 はずじゃ」


そういうと、立ち去る事を残念に思いながらもそれ以上は引き留めはし

なかった。


渡されたのは木でできた割符のような物だった。

何か文字が書かれているが、読めなかった。


指輪の中にしまうと、旅用に食料を分けてくれた。

ありがたいとそれを受け取ると、そのまま里を後にしたのだった。


まずはそのまま王都を目指す。

目的は知識の宝庫、大図書館だ。


まだ知らぬ魔法やリリーのこと。

そして、この世界の事を知っておきたかった。


世界の成り立ちなんかも知っておきたいものだ。


結局、カイトが知っているのは村での見聞きした知識と、生きていく上で

必要な生活術だけだった。


母から教えてもらったポーションの作り方に、魔力量の増やし方。

結局あの時は魔法が使えず、ポーション作りに時間を使った。


だからこそ、王都では知識をもっと増やしていきたいと思った。


教会の人間に持って行かれてしまった母からもらったアクセサリーもいつ

かは取り戻せたらいいなと思う。


パーティーを追い出されて、一人になってから色々な事があった。

それを思い返すと今でも寂し時がある。


出会いは一期一会だという。

これからも、いい出会いがあるといいなと思いを馳せて、大きな街道を通

っていく。


目の前に見えてきたのは、王都の手前にある大きな街だった。


大きな川に挟まれ、中央に聳え立つのは大きな教会だった。

教会を囲むようにいくばくかの柵と家々がひしめき合っている。


教会を中心に円形に道が広がり、家も全部が教会の方を向いて立てられ

ていた。

ここでは1日に一度、昼間に全ての街人ならお祈りを捧げている。

これは習慣になっているのか、誰もが同じようにお祈りを捧げていた。


ちょうど、お昼に着いたせいか、驚いたくらいだった。


「お客さん、驚いたでしょ?ここでは昼に一度教会の方を向いて1分間

 お祈りを捧げる決まりなんです」

「そうなんですね……信仰心が強いんですね……」

「はい、教会では怪我や病気、そんな者を治療してくれる回復術師様

 がおられるんですよ!それも、金を取らず無償で治してくれるんで

 すよ、私もね昔は信じてなかったんだが、大怪我をした時に、治し

 てもらって以来、信仰するようになったんですよ」


飯屋の主人は気軽のなんでも話してくれたのだった。

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