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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
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99話 里の守備

どんなに強くても、大軍の前には成す術もないとはこう言う事を

いうのだろう。


オークはなんの疑いもなく、前進していく。

仲間がやられてもお構いなしに前へと向かう。


目的は侵略ではないとでも言うような無鉄砲な攻め方だったが、

捨て身の攻撃のせいで、エルフの方の損害のが大きかった。


魔法が巧みな種族と言っても、無限に使えるわけではない。

魔法を使える代わりに筋力や、持続力がない。


その為に近づかれるとひとたまりもないのだ。


村へと慌てて帰ってきた先行隊の報告に全員が警戒態勢を取った。


ここで逃げ出していたならもっとよかったのだろう。

だが、彼らはそうはしなかった。


村の中央には大事な世界樹の木が存在する。

それはエルフにとって命よりも大事なものだったからだ。


「何がなんでも守り抜け!我らの誇りと、命は世界樹と共に…!」

「おおおぉぉーーーーー!!」


全員が一丸となって迎え撃ったのだった。




「これはどうなってるんだ?さっきのは勇者パーティーの……」


カイトは気配を消したままイーサの後を追ったのだった。

途中瀕死のエルフの戦士を見つけるとポーションを飲ませた。


このまま放置しておいてもよかったが…ここで死なれては目覚め

が悪いと思うと、アイテムボックスへと入れた。


人間は入れれないが、瀕死だとモノ扱いらしい。


かなり重症だったが、ポーションでゆっくり回復している間は入

れれるらしかった。


「今は仕方ないし……いいよね」


そこにいたのは一人だけだった。

その間もオークの群れはエルフ達の村へと侵攻を続けている。


「どこまでいくんだ…」


小さな小屋に着くと、隠密を解いた。

つけられていることには気づいていないらしい。


「どうだ?上手くいったか?」

「えぇ、もちろんよ。失敗するわけないじゃない。」


話相手は見覚えがあった。

あの時、多くの魔物を屠っていたラキスという名の勇者だった。


「……」


どうしてこんな事をするのか?

疑問に思うと同時に、一つの過程が成り立つ。


本当の目的は世界樹の方ではないか?…………と。


それならば分かる。

カイト達の報告のせいで勇者パーティーは金銭的な援助を受け

られなくなったと仮定すると、代わりに稼ぐ方法といえば世界

樹の葉を売るという手段がある。


だが、世界樹の周りにはエルフの村があって、近づくことも

できなかった。


エルフを襲えば国際的な問題になりかねない。


ましてや、国王とエルフの族長とは盟約を結んでいた。

それはお互いの領地に勝手に侵入しないという、約束でもあ

ったのだった。

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