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咎の国のリビドーと審判の扉  作者: マスカレイヴ
1/1

罪とは己の罪悪感、試される正義

挿絵(By みてみん)

テーマソング「LIBIDO」

https://youtu.be/Ahwpt8gUUPM


「ぐぎゃあああああ!」

断末魔の叫び声が広場を満たす。それは悲痛と恐怖が混ざり合った声だった。周囲を取り囲む高い石壁に反響し、さらにその音は強化され、広場に立つ者全員の耳に突き刺さる。


広場の中央、巨大な赤い瞳が2つ、そして鋭い歯が並ぶ大きな口を持つ審判の扉がゆっくりと閉じていく。この扉自体が巨大な顔のような形をしていた。扉の口からは、先ほどの罪人、中年の男の片足がぽつんと落ちていた。血の匂いと焼けるような臭いが空気中に広がっていく。


「お父さん!」という高い声が響く。広場の端で、細い腕で地面を掴んで泣き叫ぶ少年がいた。彼の顔は涙でぐしゃぐしゃになり、全身が震えていた。その視線の先には、審判の扉がゆっくりと口を閉じていく様子が見えた。


周囲の人々は息を呑み、顔を背ける者、地面を見つめる者、自らの心の中で祈る者。それぞれの反応は違っても、共通して感じる恐怖と絶望が広場を支配していた。


「このまま、この国から永遠に出れないのか…」と絶望的な声がつぶやかれた。


咎の国。罪を犯した者たちが更迭される孤独と絶望の地。その中心にあるのが、この審判の扉。扉をくぐり抜ければ外の世界への自由が待っている。だが、今までその自由を手にした者は一人としていない。


広場の片隅には、不気味な仮面「偽りの顔」をつけたリビドーが立っていた。その仮面の眼は、審判の扉の瞳と連動して赤く光っていた。


リビドーは次の罪人を冷たく見つめて尋ねた。「次、お前の罪は何だ?」

罪人は震えながら答える。「私は…」


罪とは、自らの罪悪感。その重さと、自らの正義を試される咎の国。リビドーと罪人たちの物語が、ここから幕を開ける。

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https://youtu.be/Ahwpt8gUUPM


「LIBIDO」by マスカレイヴ


悪魔の囁きが 輪舞曲(ロンド)に誘い出す

己を剥き出して 舞い踊る


果てもなく続く 輪廻のその先に

安らぎを求めて 争い、めぐりめく

愛憎の螺旋 真実は掻き消され

偽りの優しさ あなたをさらっていく


"汚れた愛"(けがれたあい)と 吐き捨てても

運命に抗うこの手に 何も残ることなく

守れたものは 陳腐な善

仮面を投げ捨て 今こそ愛を捧げにいくさ


終わりなきリビドー 報われぬこの想い

優しさを探して 貪り、飲み尽くす

愛情の業火 真心は焼き消され

偽りの正しさ あなたをさらっていく


"汚れた愛"と 吐き捨てても

運命に抗うこの手に 何も残ることなく

"汚れた俺"を抱きしめてよ

愛しきあなたに 今こそ愛を捧げにいくさ

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