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母を探すために妖精になる  作者: 二光 美徳
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第24話 ガチンコ!

 声を掛けたのは武路だ。


モクル:「おっとー、ここで“ちょっと待った”コールだぁ。」

 モクルはふざけた感じで振り返る。


武:「次は俺…」


雪:「私がやる!」


 武路が言いかけた時、雪夏が被せて発言する。

 武路、天青、モクルはポカーンだ。


モクル:「何言ってんの?トガーとオレが勝負?冗談!勝負にならないよ。

 言っとくけど、飛ぶのは無しだよ。あ、飛べないんだった。ぷぷ。」


雪:「分かってる。」

 雪夏はムッとした。


武:「雪夏、男の天青でさえ勝てないのに、妖精の体を使いこなせないお前が勝てるわけないよ。俺がやる!」


雪:「いいの、私にやらせて。だって、そもそも私が飛べないからこんな勝負になったのよ?私のせい。

 その代わり、私が勝ったら私を飛べるようにするのと、天青から妖力を取るのやめてほしい。」


モクル:「じゃあ、オレが勝ったら?オレには何も無いとかないよね?」


雪:「私の女子力じょしりょくとか?」


モクル:「ははっ、ガギンチョのくせに女子力とかあるの?ていうか、俺男だよ?そんなのいらない。」


雪:「はあ?女子って、生まれた時から女子なんだからね!ガギンチョって言わないで!」


モクル:「分かった。それは言いすぎた。

 じゃあ…知力にする。うん、知力の一部をもらうよ。」


雪:「それでいいよ。」


 武路が消えた線を描き直す。


モクル:「一応言っとくけど、女だからって“きゃ、触った!反則!”は無しね。」

雪:「当たり前でしょ!」


 行司はまた武路がする。

「はっけよーい、のこった!」


 雪夏は立ち合いを低く、モクルの懐に思いきり飛び込む。下手から腰の服を掴んで重心を低くくし安定感を保つ。

 しばらく押し合いになり、ジリジリと雪夏が押される。

 土俵際に近づき押し出しになるかと思った時、雪夏はグッと前に押してた力を少し抜いて片足を下げる。

 モクルの片足が前に出た瞬間に雪夏がその足を払ってコロンとひねり転がす。

 “ちょん掛け”だ。


 モクルはあまりにもあっさり負けてしまって放心状態だ。


雪:「やったー!勝ったー!」


天:「雪夏さん、すごい!何でこんな強いんですか?」


雪:「へっへー。じいちゃんが相撲好きで、小さい頃から毎日一緒に見てたんだ。それから、一緒に相撲の遊びもしてたの。

 じいちゃんには勝てる訳ないんだけど、少しくらいの力の差なら勝てる技を教えてもらってたんだ。

 実践は初めてだったんだけど、上手くできて良かった!嬉しーい!」

 

 雪夏は倒れてるモクルに手を差し出した。

 モクルはチェッと悔しそうだが素直に手を取って立ち上がる。そしてニコッと笑った。


モクル:「じゃあ飛べるようにしてやる。約束だから。」

 モクルは両手を広げて雪夏の肩辺りに手をかざす。フウッと気合いを入れて終了。


モクル:「飛んでみて。」


 雪夏は羽に意識を集中した。

 ブンと羽が細かく振動して飛び上がる。


雪:「やった!飛べた!」

 雪夏は嬉しそうに飛び回る。木にぶつかりそうになるのを避けたが、ちょっとぶつかって地面に落ちた。

「てへへ。」ちょっと痛かったけど、飛べた喜びの方が大きい。

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