第23話 新たな出会い
そんな波動とかオーラなんて見えないよ、と武路は思った。
天:「武路さんは雫さんの身体を借りてるので、気を集中すれば見えるはず。雪夏さんよりはずっと優秀なラインからのスタートなので、頑張って。」
武「お、おう、そうだな。」
天:「そうだ、ボクがこの前の“タスマニアデビル”に変身するので、雪夏はボクの背に乗って移動しよう!」
雪:「いいの?」
「うん!」と言って天青はクルクル周り、少し飛び上がって変身する。
天青は初めて会った時の動物の姿になった。
武路は「すげぇ!」と驚いて、変身した天青をマジマジと見る?
武:「これ、タスマニアデビル?」
天:「そうだよ。前にどこかの家のテレビで見た。」
雪:「私、この姿のとき天青に初めて会ったの。すごく可愛いと思って。」
と、天青をナデナデする。
武:「これ、タスマニアデビルじゃなくて、ウォンバットだよ。だって可愛いもん。
タスマニアデビルは、もっと怖くて、多分雪夏は近寄れない。」
天:「え…、ボクずっと間違えてたんだ、恥ずかしい!」
武:「いやいや、そんな犬とネコを間違えるほどのことじゃない。知らない人の方が多いし。大したことじゃない。」
天:「武路は詳しいんだね。」
武:「俺、動物好きだから。」
天青は雪夏を背に乗せてノソノソ歩く。
雪:「なんかさ、楽だけど、遅くない?」
天:「…そうだね。」
「ハハハハハ!」
上の方から笑い声が聞こえる。
何?と思って声のする方を見る。
木の枝に立ち、お腹を抱えて笑ってる小人がいる。
天:「何ですか?」
「お前、トガーの家来か?バカじゃね?」
小人は天青をバカにする。
天:「あなたには関係ありません。」
雪夏は天青の背中から降りた。
小人:「オレとちょっと遊ばね?」
天:「すみませんが、時間が無いので遊べません。」
小人:「ただでとは言わないさ。オレと勝負して勝ったら、トガーを飛べるようにしてやると言ったら?」
天:「…分かった。何の勝負?」
小人:「そうだなぁ、力比べと妖力比べ、どっちがいい?」
天:「えー、ボク妖力は自信ない。かと言って力も無い…。」
小人:「じゃあオレが決める。妖力じゃ差がありすぎて面白くないから、相撲だな。
体格は同じくらいだから、いいだろ。」
天:「えぇー…。相撲かぁ。」
小人:「オレ、モクル。」
天:「あ、ボク天青。」
モクル:「オレが勝ったら、天青の妖力1個もらうよ。」
天:「えー、それは困る!ボクただでさえ未熟なのに。」
モクル:「オレだけ景品つけるなんてフェアじゃないだろ?決まりだ!」
武路が地面に丸を描く。
真ん中に2本、線を引いて準備は整った。
天青は妖精の姿に戻る。
モクル:「ルールは分かるな?」
武路が行司となり、掛け声をかける。
「はっけよーい、のこった!」
モクルと天青が立ち合う。
マワシは無いが、服を掴んでがぶり寄る。
モクルが押し出そうとするが、天青は線ぎりぎりの所で踏ん張る。
モクルの力が少し緩んだ瞬間に右へ回る。次の瞬間、モクルが下手投げに切り替えて投げ倒した。
天青は負けたー。
モクル:「うわーい!勝ったぁ!」
モクルが喜ぶ。
天青はショックで起き上がれない。
モクル:「じゃあ、約束の妖力もらうよ〜。」
モクルは倒れたまんまの天青に手をかざす。
「ちょっと待った!」




