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私が一応ヒロインです。

作者: りんご。

閲覧頂きありがとうございます!

ざまぁはありません。


私はある小説のヒロインだ。


いやいや、頭がおかしい人とかじゃなくて!!

本当の本当に!


通り魔に刺されてそのまま死んで、生まれ変わったと思ったらヒロインだったのだ。



この小説のヒロインは良くあるあれだ。

魔力の強い庶民出の可愛らしい少女が、貴族に気に入られて養子になり金持ちの学園に通わせてもらい悪役令嬢と戦って最終的に王子と結婚する。

っていうあれね。


それに気が付いた時は興奮したよ。

本当にこんな事あるんだって。

顔も前世と違ってめちゃくちゃ可愛いし。


でも、それと同時にあ、私にヒロインは無理だわーって思った。

まず小説のヒロインのように誰にでも優しいとか設定があるんだけど、そこが無理。

私前世で友達少なかったし、嫌いな奴は無視ってタイプだったから。

あと、毎朝早く起きて教会で祈りを捧げてとか設定もあった。

いやいや無理無理、眠いもん。

あと1番無理なのが、王子ね、王子!

婚約者いんのにそれを放置してヒロインに入れ込むところとかマジ無理。

最終的ヒロインと悪役令嬢を断罪とかさ、私が悪役令嬢だったら二、三発殴ってるわ。

だってさ昔から好きで、卒業したら結婚すると思ってたのにぽっと出た女の子に一目惚れして捨てられるって何よ。

前世だったら慰謝料請求してるわ!!


そんな訳でヒロインは無理!と思った私はヒロインなんてならないと誓った。

その為にまず、設定にあった目立つピンクの髪を母と同じ良くある茶色に染めた(王子は綺麗な桃色だね、とか言って口説いてからね)

母は可愛かったのに!と言っていたが「大好きなお母さんと同じ髪にしたかったの」と言ったら嬉しそうにしてた。

次に母と父を説得し引越した。

この街にいるからいけないんだと思い、なるべく王都から遠い街を選んだ。

最初は渋っていたが、王都から離れると家賃が安いし自然が近くにあるから食料にも困らないと言ったら確かに!と言って賛成してくれた。


これで、安心!

ではない!

安心してはいけない。


いつ、あの私を養子に取りたいとか言う余計なお世話な貴族に会うか分からない。

だから、私は魔力を極めた。


予知が出来る様に。


本当にこれは苦労した。

でも、学園に行きたくないしお母さんとお父さんと離れたくない。

最近弟も出来たしね!

だから、私は頑張った。


そして、小説が始まる一年前に予知能力を手に入れた。

これが便利便利。

物語の補正か貴族と私は顔を会わせそうになる事が多い。

本当にうざいとは思ったが予知能力のおかげで私はいつも回避出来た。

そして、予知能力と一緒に極めたが透明化。

これは、予知能力より便利かもしれない。

というか、最初からこっちを習得すれば良かったなと思った。

まあ予知能力も便利なんだけどね。


そんなこんなで貴族を回避した私だったが、とうとう貴族に見つかる事はなく小説の物語が始まってから3年が経った。

王子が婚約者と無事に卒業したと記事も出回ったしもうこれで王子と会うこともないだろう。

やったね!







私は最近家の近くにあるパン屋さんの息子と結婚した。

平凡だけど本当に幸せ。

本当の物語は王妃になる予定だったけど、私に王妃なんて無理だしやりたくない。

目立ちたくないし、人に命令とか絶対に嫌。

前世のバイトリーダーすら嫌だったんだから、そんな私には荷が重過ぎ。


私はこのまま、旦那さんとパン屋で働いて子供2、3人作って、お父さんとお母さん、姑さん舅さんと楽しく暮らしていくつもり。


だから、ヒロインなんてならない。

だってこれが私の幸せだから。



「第一王子が今度王都で結婚パレードするらしいよ」

「へー、まあ王都は遠いし関係ないね」

「そうだな、あ、いらっしゃいませ!」

「いらっしゃいませ!」







主人公.ヒロイン

小説のヒロインのようにはなれないと、戦線離脱。

パン屋の息子と結婚した。


母、父

ヒロインの親

2人ともぽやんとしてる。


パン屋の息子

主人公の旦那、可愛いヒロインが大好き。


王子、婚約者(悪役令嬢)

ヒロインが学園に来なかったので、普通に卒業し結婚した。出番なし。



私がもし転生したらこうしたいなと言う思いで作りました。

閲覧頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言]  コラ!ヒロインちゃん、予知能力・透明化なんて、さりげなくチート使わないで。
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