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10話
村に着くまで、僕はウーフェンさんの事を僕は聞いていた。
ウーフェンさんは若い時に、魏倭戦争に参加していて、その時に配属された部隊長が龍也の親父だったらしい。
龍也の親父さんとウーフェンさんは模擬戦でよく刀を交わした仲らしく、一度も決着はつかなかったようだ。
お互い気が合いよく飲み歩いた仲らしい。あの親父さんと気が合うのか、、僕は苦手だが、、
しかし、ウーフェンさんは魏倭戦争の終結と同時に軍を止め旅に出て世界を回ったらしい。最近は、僕らがいたあの川が気に入り、川から少し離れた場所に小屋を作り炭造りをしている。
ウーフェンさんは何気なく話していたが、その話し方は、水のように澄んだ声と寂しそうな横顔が印象的だった。
僕には、想像もつかない人生を歩んで来たんだろと感じた。
僕らは、村に着くまで予想以上に時間が費やした。痩せた髭の男の怪我は予想よりも深く、なかなか進まなかった為だ。僕は、馬車に乗せた方が良いと思い何度か乗せようと思ったのだが、龍也が嫌がり乗せることができなかった。本当に困った奴だ。
親父に似てきたんじゃないかと思った。