一章
一章です
7月上旬、AM8:00、校門前。
生徒がちらほらと登校してくる中、僕は立ちながら小説を読む。
いつもと変わらない、平日の朝。
少し暑くなってきたためか、制服も衣替えして、半袖になったにも関わらず、汗があまり引かない。
周りでは元気よく、セミが大合唱している。
そんな中でも、小説にだけしか目にいかないのは、自分の集中力を褒めたいところではある。
「しかし、暑いな」
そんな言葉が、無意識に口から漏れる。
何気なく空を見上げると、そこには雲一つない青空が広がっている。
かんかん照りの太陽が、目の端に映る。
別に夏が嫌いなわけではないが、こうも暑いと、かなり鬱陶しいものだ。
「悪い!遅くなった、礼矢!」
空から目線を下げ、再び小説の世界に戻ろうとした時、少し離れたところから、友人らしき男の声が聞こえた。
「遅いぞ翔也。5分遅刻」
「悪い悪い!トイレに篭ってた!」
片手を上げてヘラヘラした顔で来たのは、僕の友人の、東寺 翔也だ。
細身、高身長。
そこそこの顔立ちにそこそこの頭の良さ。
どんな人間に対してもフレンドリーな男。
僕の中学からの幼なじみだ。
「それならせめて、メッセ飛ばしてくれ。何かあったと思うだろ」
「5分なんて誤差誤差!間に合うんだからいいじゃん?」
「そういうところが成長ないんだよ、お前は」
この時間にルーズなところだったり、雑な部分が多いのが、こいつの悪いところだ。
中学時代から何度も指摘したが、いつまで経っても治そうとしない。
「いいか?僕達はもう2年生なんだ。お前がそういった態度であればあるほど、1年生に示しがつかないんだ」
「生活指導みたいなこと言うなよ。嫌われるぞ?」
「当たり前のことを言ったくらいで嫌われるなら、僕は嫌われる立場でいい」
「いやぁ、やっぱり立場が立場だと、言うことが違いますなぁ、副会長さんは!ね?尾崎副生徒会長?」
翔也が肩をポンポンと叩きながら、先に校門をくぐる。
本当に、マイペースで生きている奴だ。
僕は肩を落としながら、翔也の後を追うように、校門をくぐった。
深夜テンションで書くと怖いのが、途中から何書いてるんだろう?ってなることです