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箱の中のダイヤモンド  作者: たきかわ由里
7/233

2-3

「彼氏いくつよ。裕奈より全然下だろ」

「全然って程じゃないよ。3つ」

「ってことは?」

「44です」

「マジで!? 35くらいかと思ったわ」

「一回りも下じゃ犯罪でしょ!」

「裕奈、とうとう犯罪者かって」

「いやいや、例え35でも成人じゃないですか」

 3人で笑い合う。表向きは和やかだ。あえてこれを壊す必要はない。

「大体ねぇ、あたしだって結婚してたのよ?」

「過去形じゃねぇかよ」

「ユウセイさんもね?」

 そう言えば、裕奈はバツイチだと言っていた。

 そしてユウセイも過去形、ということは、離婚したのだと思って良いだろう。

「はいはい、仲間仲間!」

 ユウセイは笑ってスタッフを呼び、出来上がった料理を渡す。

「彼氏は、近くで呑んでたんだろ? どの辺で呑んでんの」

「女子大です。あの、ケルベロスの和馬さんのバーによく行くんで」

「おー! 聞いたことあるわ。俺も行ってみたいな。メタルバーだろ?」

「はい。ハードロックも」

 ユウセイがサイレントラヴァーズ解散後に結成したのは、ヴェノムストライクというハードロックバンドだった。ヴェノムストライクの名は、ケルベロスのメンバーも聞き及んでいた。

「面白そうだよなぁ」

「セッション出来ますから、ユウセイさんも来てくださいよ」

「歌っちゃうかな、俺も」

「是非」

 そう答えて微笑むと、ユウセイは力強く頷く。

「行くわ。たまにはそういうのもな。ほい、ネギチャーシューお待ち」

 差し出された皿を受け取る。たっぷりのネギと大きめに刻んだチャーシューが盛られている。

「わ、美味しそうですねぇ」

「美味しいよー。ほら、食べて食べて」

 裕奈に急かされて箸を取り、つまみ上げて口に運ぶ。辛味が程よいネギと、とろけるように柔らかいチャーシューの取り合わせが絶妙だ。

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