軛ノ哀歌
上澄みの愛から零れ落ちた
透き通るようなその白に
縞模様の朱が悔しくて
ついつい啼きたくなるんだ
別に珍しかないんだ
凍てつく朝に気づいたんだ
生傷の滲んだ水面に
痛みとともに送ったんだ
数刻の重力を祈って
底に溜めた最後の嘘は
掻き混ぜられて
途端に純度を失ったんだ
本気でねだった優しさは
向こう岸から帰って来たけど
望んでいない末路へと
強く手を引いて怖いんだ
救われたいわけじゃなく
掬いたいんだ
この身と心を糧として
命の時間が違うならば
傾く星が巡ったならば
救われたいわけじゃなく
巣食いたいんだ
この身と心を贄として
魂の価値が同じならば
遍く神が創ったならば