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36話 とんでもない学校

「よし、まずはこの5階にある音楽室と美術室、屋上を案内しよう」


学校の中は、白を基調とした近未来的なデザインだった。学校内は隅から隅まで綺麗で、ゴミどころか埃や蜘蛛の巣は一切見つけられなかった。

私が想像していた古くて薄暗いイメージの魔法学校とはかなり掛け離れているけど…これはこれで最高だね!



「着いたぞ、此処が音楽室だ」

両開きのお洒落な扉の前に到着した。中央に掲げられた看板には『音楽室』と書かれている。

「確か照明は…入ったら自動で点くやつだったかな?……よし、点いているな。入るぞ」


ガチャ…


「!?」


扉を開けた先にあったのは何と、物凄く広いコンサートホールだった。


そう、学校の中にコンサートホールがあるのだ。


豪華なステージは勿論の事、お洒落な座席が沢山設置され、真新しい照明が室内を優しく照らしていた。

「先生、何でこんなに大きな施設が…?」

「ああ、此処で年に一度、学校で音楽祭を開くんだ」

いや、それだけの理由で学校内にこんな立派なコンサートホール作ったの?

「ヘル先生、音楽祭が無い時は基本、此処はどうしているんですか?」

「?、普通に音楽の授業で使うらしいぞ?」

マジで…?この学校、音楽の授業コンサートホールでやるの?

「よし、とりあえず音楽室はこんな感じだ。次は屋上に行くぞ」



音楽室から離れ、扉を開けて階段を登り、到着した先にあったのは…


天井が大きく開いた巨大なドームの中だった。


中央の広場には芝生が綺麗に生え揃っており、周りには沢山の椅子が……あれ?


「ヘル先生、此処は何処ですか?」


「屋上だ」


リュユ社長学校に金掛け過ぎじゃない?


「この屋上は魔法の授業で使う…ああ、あと体育の授業で使う事もあるな、後は体育祭等の行事で使ったり…そうそう、スポーツクラブに所属している生徒も使用する。結構使われている場所だな」

屋上ってそんなに使用頻度が高い場所だったっけ?

「よし、屋上も以上だ。次行くぞ」

「待ってください先生、もう少し眺める時間を…」

「1つ1つの施設にいちいち時間を使っていては時間内に回り切れないからな、行くぞ」



「此処は美術室だ」

厳つい2体の石像が両脇に置かれた、一際豪華な扉を開けた先には2階建の美術館があった。


室内は全体的に落ち着いた色が使われており、1階から2階が見えるタイプの……此処、学校内だよね?

「ヘル先生、此処で美術の授業をするのですか?」

「私は美術担当では無いから分からん」

適当だなぁ…

「生徒の展示物以外に、価値のある美術品もある。また空いた時間がある時に美術室に来てみるといい。次は4階に移動するぞ」



こうして私達は、ヘル先生の案内で色んな部屋を見て回ったのだが…何もかもが凄かった。


どの部屋も綺麗で物凄く広い上に、最新機器もしっかり導入されていた。放送室はテレボ番組を放送出来るセットや機材があったし、図書室はもはや図書館だった。しかもこの図書室には本の精霊とか言う物知りなお爺さんまで居た。

この学校凄すぎてヤバい。あまりにも豪華過ぎて学校を維持出来る金があるのか心配になるレベルだ。



特に驚いた部屋は、『太陽市場』と名付けられた空間だ。あの場所はもはや学校では無かった。


この空間はスーパーマーケットやレストラン、雑貨屋、宝石店などなど…様々なお店が立ち並ぶデパートであった。

「すげぇ!?何だ此処!!」

「此処は…デパート…だよね?」

「そうだ、此処では普通に買い物が出来るだけでなく、生徒が働いて金を稼ぐ事が出来るんだ」

お小遣い稼ぎまで出来るの!?

「将来に備えて働く練習が出来る場所だ。皆も一度は経験の為に働いてみるといい」

本当にどうなっているんだこの学校は…

「ヘル先生、あのスーパーには食材も置かれているのですか?」

「あるぞ。そこで買った食材を各自の部屋にあるキッチンで料理も出来るぞ」

各自の部屋…それってつまり、1人につき1つずつキッチンがあるって事だよね…

「因みに、キッチンに置かれているナイフは…」

ヘル先生はポケットからナイフを取り出すと…


「ふん!!」


ドス!!


「先生!?」

「ちよっ!?」

「キャーッ!?」

何と、取り出したナイフを自分の胸に思い切り突き刺した。ヘル先生の突然の奇行に怯えた生徒の悲鳴がデパート内に響き渡った。


「このように、魔族を傷付けない安全ナイフなので安心して料理が出来る」

「先生!!心臓に悪い説明をしないで下さい!!」

てか何でその安全ナイフをポケットに入れてたの!?



「さて、最後に…階を移動する際に使用するゲートについて説明しておく」

太陽市場から離れ、階を移動する為のゲートのまえに移動すると、ヘル先生は1階から5階の看板が掲げられているゲートの前まで移動し、ゲートの説明をし始めた。

「このゲートは見ての通り、階と階を歩いて移動出来る最新技術だ。1階に行きたいなら1階のゲート、5階に行きたいなら5階のゲートをくぐれば…簡単に階を移動出来る」

最近デパートで見かけるようになったゲートだ。これのおかげでわざわざ階段を使う必要が無くなったんだよね。超便利。


「今はまだ近場を繋ぐゲートしか無いが、いつか大陸から別の大陸まで歩いて移動出来る未来が来るかもしれないな。…さてと、学校の中はこんな感じだ。そろそろ生徒諸君の歓迎会があるので食堂に移動するぞ」

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