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19話 街の探索

「こんなに沢山の衣装を…!マリさんありがとう!」

白い鞄を受け取った私は、改めてマリさんにお礼を言った。

「いいのよぉ、そんなに喜んでくれると私も嬉しいわぁ」

「そうだ!ロイワさん、今此処で何か着てみたらどう?」

「そうだね!今私全裸だし…」

私は少し気恥ずかしくなりつつも、鞄の中を漁って気になる衣装を探してみる。

「へ?ロイワさん自分の事全裸だと思ってるの?」

「…え?基本鎧みたいな見た目してるからあまり考えた事無かったけど…あれ?」

「鉱石人は基本、自分の事全裸だと思ってないわよぉ?鉱石人が着るのは基本上着のみなのよぉ」

「そうなの!?良かった…私全裸のまま外出歩いてるのかと思って焦ってたんだよ…」

私は白い鞄の中からシンプルなデザインのジャケットを取り出し、その場で羽織ってみた。

「あはははは!もしそうだとしたら街に入る前に私が忠告してたでしょ?」

「そうだよね…いや〜焦った…それにしても物凄く良い衣装だね!カッコいい!」

「うん!ロイワさん凄く似合ってるよ!」

センチさんは笑顔で私に向かって人差し指を立てている。あれってもしかしてハンドサイン?もしかしてサムズアップと同じ意味なのかな?

「私のデザインした衣装を大精霊様に綺麗に着て頂けて私も嬉しいわぁ!」

マリさんは嬉しそうにジャケットを着た私を見つめている。

「こんな良い衣装貰っておいて何もしないのは気が引けるなぁ…そうだ!お礼になるかは分からないけど…」

私は鞄を机の上に置くと、両手で自分の頭をしっかり掴むと


ひょい


自分の頭を取り外した。

「!?」

突然の奇行にマリさんが驚き固まる中、私は頭に右手を突っ込んである物を探した。

「えーと、確かこの辺に…あっ、あった!」

頭の中から赤い金属で作られたカードを2枚取り出した。

表面には遊園地のイラストと、「遊園地のチケット」という文字が書かれている。

「服をくれたマリさんと…出迎えと道案内してくれたセンチさんにあげるね!」

取り出したカードをマリさんとセンチさんに一枚ずつ手渡した。

「あ、ありがとうございますぅ…重っ!?」

「可愛いイラストが描かれたカードだね!ロイワさんありがとう!表面にチケットって書かれてるけど…これは何のチケットなの?」

「ふっふっふ…これはね、「遊園地」って言う遊ぶ施設に無料で入れるチケットだよ!使用し始めてから一年間はずっと使用できる上に、一枚で4人まで入れるんだよ!」

私は頭を元の位置に戻しながらカードの説明をした。

「遊園地ぃ…?」

マリさんは訝しげな表情で手元のカードを見つめている。

「凄そう!!ねえロイワさん、遊園地には何があるの?」

センチさんは目を輝かせながら遊園地について尋ねてきた。どうやら遊園地に興味があるようだ。

「遊園地にはね、物凄い速さで走り回る乗り物があったり、物語の中に入れる施設があったり…とにかく楽しい場所なんだよ!10日後に始まるから是非遊びに来て欲しいな!」

「物凄い速さで走り回る乗り物…駅で走り回る鎧百足とはまた違う乗り物なの?」

「全然違うよセンチさん…世界が変わるから絶対乗った方が良いよ!」

「そんな乗り物があるの!?」

「そんなに凄いのなら一度行ってみようかしらぁ…」

おっ!センチさんだけでなくマリさんも遊園地に興味が出てきたようだ!

「是非遊びに来て!食事できる施設もお土産を買える施設もあるから飽きないと思うよ!」

「ありがとうロイワさん…あっ、そろそろ30分経過するわぁ!残念だけど今日はもうお話はここまでねぇ…」

ん?30分?

「マジで!?じゃあそろそろお暇しないと!じゃあねマリ、また今度ね!ロイワさん、次行こう!」

センチさんは慌てて立ち上がると、私の手を引っ張ってお店の出入り口に向かって急いで移動し始めた。

「わわっ!?」

私は慌てながらも机の上に置かれている白い鞄を忘れずに掴んだ。

「じゃあねぇセンチ、ロイワさん!またお店に来てくれると嬉しいわぁ!」

「あ、ありがとうマリさん!またね!」

私も何とかマリさんにお礼を言うと、センチさんと共に早歩きをしてお店の外に向かった。



「いや〜、マリさんが元気そうで良かった…さて、次は何処行こうかな?」

急いでお店の外に出た私達は、広い歩道を歩きながら次に行く場所について話をしていた。

「さて次は…スミスさんとブラッシュさんはアローの仕事が忙しそうだったから無理…ダンは、警察の仕事邪魔するのはちょっと…そうだ!カガの所行こう!」

カガさんって確か…色んな武器を使いこなす元気なお猿の人だっけ?

「カガさんは今何をしてるの?」

「カガはね、ロイワさんから貰った施設を使って、一般人が観覧できる闘技場を開いたんだよ!あそこに行くと物凄くテンションが上がるよ!」

「へぇ〜!物凄く楽しみだな〜…ん?」

センチさんと会話しながら街のあちこちを眺めていると、蜂の巣のデザインが施された可愛い郵便屋さんに目が止まった。

「ロイワさん、あれは郵便屋さんだよ!」

「ほぉ…で、何で蜂の巣なの?」

「それはね…そろそろ時間だし、見てれば分かると思うよ!」

「?」

私が不思議そうに目の前の郵便屋さんを見つめていると…


ブブブブブブ……


ん?郵便屋さんから蜂の羽音のような音が…

なんて思っていたら次の瞬間


ブブブブブブーーーーン!!!!


「わーーーっ!!??」

何と郵便屋さんの屋根から大量の大きな蜂が空に向かって飛び出してきたのだ!

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