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落ちこぼれ能力者に平穏は訪れない  作者: 戸野牧こと
5.さあ日常に戻ろうか
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落ちこぼれの行動は理解しがたい

先週投稿を忘れてしまいました……

活動報告にも書きましたが、お詫びの文章をどれだけ書いても足りないくらいです。

カタツムリ更新ですが、絶対にいつかは完結させます。気長に見守っていただけるとうれしいです。

 疲れた。

 行きつけの店に行ってたら授業開始時間ギリギリになり、夕方は買い忘れていた物を買い足しに急いで出発。

 あの3人には説明する必要も感じなかったので、今日最初の授業まで単独行動。



 そしたら1限後の休み時間にものすごい怒られた。もちろん柚木、あーちゃん、悟の3人に。

「聞きたいことまだまだあったのになんで勝手に帰ったんだ」と。

 でも普通に授業出てたから別に関係ないじゃん。補講もちゃんとこなしたし。

 ……そんなこと言ったら拳が飛んできそうだから言わないけど。




 ……疲れた。

 3人がかりの説教で体力を削り取られ、一人で色々準備するのも意外と気力を削られる。

 そんなわけで、昼休みには俺はもう燃え尽きかけていた。引きずられるように連れていかれた学食の椅子に体を投げ出す(崩れ落ちた、が近いかもしれない)。これがマンガだったら頭から煙が立ち上ってると思う。




 満身創痍感満載なこの様子を見ても、あの3人は容赦などしてくれない。

 昨日勝手にいなくなった罰だ、と言わんばかりにずずいっとこちらに詰め寄る。



「で、だけど」


 口を開いたのはあーちゃん。

 ……こんな機嫌悪そうな顔今まで見たことない。



「翔弥、昔っからあんなに怪我治るの速かったわけ?」



 待って、なんでそんな声にドスが効いてるの怖い。地獄の底から沸き上がるような声ってこんなかな、とか脳が現実逃避を始める。

 と、俺の思考が明後日の方向に飛んでいったのを敏感に察知した柚木が、あーちゃんより数段ドスの効いた声で「詳しく答えて」と一言。ついでにギッとにらまれためちゃくちゃ怖い。ていうかそもそも柚木はだいたい知ってるだろ。



「……物心ついたころには、あれくらいの擦り傷は昨日と同じくらいかもう少し遅いくらいで治ってた」

「……変なこと言ってるのがいますよ、悟さん?」

「翔弥が変なのは今に始まった話じゃないから……」

「最近、というか小学校高学年くらいのときから高校まではかなり遅くて……。確か傷が完全に消えるまで丸1日くらいかかってたか」

「それは遅いとは言わない」

「俺とか一般の人間から見たら普通に化け物の類」



 え、と首をかしげると珍獣を見たかのような目で見られた。なんでだ。

 悟とあーちゃんがこんなに困惑している理由が全くわからずきょとんとしていると、柚木がものすごく不機嫌そうにため息をついた。悟もあーちゃんもびびってる。柚木、ちょっとは自重してくれ。



「そこの間違いは近いうちに専門家の卵呼び出して説明してもらうから」

「……専門家の卵?」

「医者の卵。サチね」


 そうか、ハカセ医学部だったか。

 一人で納得していると、「そんなことより」とまたにらまれる。いや、怪我の話させようとしたの柚木だったろ。

 ……なんて言ったら鉄拳制裁、もとい超科学力(ちから)による一方的な攻撃を受けることが間違いないので、もちろん口には出さない。



「昨日私たちを放っておいてまで買いに行った物って何なの」

「別に大したものじゃ」

「ないわけないでしょ。時間ができた途端に買いに行ったから生活用品とかじゃないのは確実」

「そういえばタイミングも妙だったし。変な紙見つけた直後急に思いついた感じだった」

「それになんせ翔弥だし」



 ちょっとあーちゃん、最後の一言どういう意味だ。

 俺が顔をしかめたのは完全無視。ほら見せろ、と迫ってくる柚木から反射的に逃げる。

 そうしたら無数の氷の玉が飛んできた。学校内とはいえ難度高い技をほいほい乱発しないでくれないかな、色んな意味で泣きそうだ。これくらいの能力行使は禁止されていないのが恨めしい。

 しかも1つが腕にかする。思った通りの大きなダメージに悶絶する(「あんな軽い攻撃で大袈裟な」という悟の声は翔弥には聞こえていなかった)。



 仕方ないので怒られることを覚悟で買ったもの(の一部)を3人に見せる。



「なにこれ」

「リモコン?」

「そう。カメラ用の」

「カメラ?」

「翔弥自撮りとかする趣味あったっけ」

「違うスマホじゃない。小型カメラの」



 3人がきょとんとしている。あ、そうか言ってなかった。



「朝のうちに仕掛けて来たんだ、ロッカーに」

「えええ待て待てどういうこと」

「カメラ? ロッカー? 何がしたいの?」

「いたずらしてる奴特定しようと思って。映れば一発だから」

「カメラなんかあったらさすがにバレない?」

「そうだよ。最新のデジカメでもけっこう大きさあるし」

「デジカメじゃなくて小型カメラだって。わからない?」

「わかんない!」「わかるわけあるか!」「知らないよそんなもの!」



 やっぱり怒鳴られた。え、非能力者なら誰でも存在くらいは知ってるものだけど。実際盗撮事件とかそこここで起こってるし。ここまでテクノロジーに疎いと心配になってくるんだけど……。



「多分もうそろそろ撮れてると思うんだけど、見る?」

「とうとう頭まで狂ったか……」

「俺の手にはおえない……柚木さん、あとは頼んだ……」

「と、とりあえずサチと拓に合流しよう……」



 肩で息をし、こめかみを押さえながら柚木が言う。

 なるほど、あの二人ならもっと常識的に話聞いてくれそうだ。



 ん?

 あ、でも待てよ。俺用事あるな。

 腕時計を見ると、予定時間まであと20分だった。意外と時間ないな。



「ごめん、俺今から面談行かなきゃ」

「「「面談!?」」」

「翔弥そんな問題児なの!?」

「補講代りってことらしい。終わったら行くから先行ってて。あ、どこ行けばいいかメッセージ入れといてもらえると助かる」



 必要なことだけ言って、俺は呼び出された教授の研究室へ急ぐ。

 養成学校(ここ)来てから面談って初めてなんだけど、どれくらい時間かかるんだろう。

 わからないけどとりあえず急ぐか、さすがに遅刻はまずい。



 ……あれ、研究室何階だっけ。


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