プロローグ1:この時代の成り立ち
この作品の根本設定…のつもりです。むしろこの世界の歴史?
数十年前、迷信だと思われていた魔法やPSIのようなものを使う人間が突然現れた。それも一人や二人ではなく大量に。全員がまだ幼い子供だった。
当然当時の科学者たちは、トリックを暴きインチキを証明しようと躍起になった。
結果は失敗。偶然では説明がつかない頻度で不思議な現象が起こるので、科学者達も彼らの能力を認めざるを得なかった。
それから数年のうちに、この世には科学を超えた力が存在する、という定説が世間に定着した。その能力はやがて「超科学力」と呼ばれるようになる。
今では力が発現する理由はわからないものの、機序はある程度説明されている。遺伝との関連は解明されていないが、超科学能力者家系のようなものが多く存在することから能力は遺伝するものと見なされている。
現在では超科学力の潜在能力を計測するテストも開発され、教育にも取り入れられている。とは言っても能力者は少数派なので、本格的な教育は大学生相当になってからではあるが。
数年前には各段階入学試験の必須科目にもなった。
能力者は必要な知識が非能力者と違うので、入学前に把握しておく必要があるためだ。
非能力者が通う大学にあたる、能力者が集められる学校ではその力によるクラス分けも行われ、能力値に合った教育が行われるようになった。
それはそうと。
「……いってえ」
本編で色々と語ってもらう予定の男は今、演武場の中央で瓦礫の雨に打たれている。