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異世界からの開拓者  作者: Baze
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1. 突然の出来事

全面的に書き直しました。

勢いだけでかき出したら、思いっきり詰ったので設定等を練り直して書き直す事にしました。

1.突然の出来事

共通暦5604年 王国暦3254年 赤月3日


スタッツ王国 クライド領の領都ミッドにある領館にサトウと言う聞きなれない名を名乗る男が訪ねてきた。

「私は仲間と共に二ホンと言う国からやって来ました。神にこの地を開拓し住民の生活を安寧な物にするように言われたので、領内の開発を行いたいと思っています。」


いきなり、正気を疑うような事を言ってきたサトウを見ながら「二ホン」と言う聞きなれない国について尋ねてみる。

「この世界とは別の世界にある国になります。私はこの世界に転生してきたようです。」

これを信じろと言うのが無理である。困った顔をしているとサトウがこれをご覧くださいと何かを差し出してきた。


「ご覧の通り、手鏡でございます。」

サトウが手渡してきた手鏡を見て、驚愕する。ここまで歪みがなく綺麗な鏡は見た事が無い。

「この世界では、このような鏡は作れないかと思います。これが別の世界から来た証明になりませんでしょうか?」

手元にある手鏡を妻のリサに渡しながら、サトウの言う事を少しは信じてみようと言う気になる。

「その鏡は友好の証として差し上げます。」 サトウの申し出に妻は嬉しそうな顔をする。


「領内の開発とはどのような事を考えている。」サトウが言った神託について話を戻す。

「それに関しては、十分な調査を行って計画を立てたいと思います。まずこの世界について理解を深め、領内の地形や植生を調べたのちに計画を報告させていただきます。その為に、我々にこの世界のありようを教えていただきたく。」


「開発の為の費用は?」 開発をしてくれると言っても莫大な資金を要求されたら、断るしかない。開発は魅力的ではあるが領民から税を搾り取る事は出来ない。

「基本的には、私たちの持ち出しで開発を行います。工夫を動員する事になると思いますが、この世界の平均的な報酬を支払うつもりです。」と答えてくる。

「こちらが資金を用意する必要はないという事か?」と念を押して確認すると、「開発のために商会を起こしたいと思います。開発の為の資金を商会で作り、その資金で開発を行いたいと思います。」

「商会を作る事は構わないが、何を取引しようと考えているのだ?」 彼らの商会について尋ねる。

「私たちは、転生前に都市開発や各種産業に従事していた者が多く、また転生時に神にそれぞれに応じた能力を与えられています。その能力を使用する事でこの世界にはまだ無い道具やサービスを提供できると考えています。それを取引していこうと考えています。」 妻の手元にある手鏡を改めて見つつ、彼らの言っている事が無理な話では無いと考える。あの歪みがない鏡は王都に行けば相当額で売れるはずだ…。


「では、商会の設立許可を与える。加えて、従士長にこの世界に関する質問に答える事を命ずる。」


◇◇◇◇

共通暦5604年 王国暦3254年 赤月10日


サトウを中心とした転生者は「天晶堂」と言う商会を立ち上げ、ミッド郊外で活動を始めたらしい。

また、従士長によるこの世界の説明も行った。内容としては、1日が24時間、1週間が7日 1ヶ月が5週 1年が10ヶ月の1年350日である事から始まり、共通暦や王国暦の説明、通貨単位や度量衡に関して、身分制度や宗教、税制に関する事だ。彼らの商会からも当然徴税する予定なので、税制に関しても理解してもらった。


説明を終えると、「では、黄月の雨期が始まる前までに、必要な調査を終え、計画を立てたいと思います。」とサトウ。

雨期が始まるまで2ヶ月ちょっと、その間に必要な調査を行うようだ。彼らの領内の移動の自由と、領民へ調査を協力するように指示をする事を伝えると、彼らは領館を後にした。


「どのような計画をたてるのでしょうか?」 従士長であるフェンが聞いてきた。

「できれば、レール川の向こう側、東部開発を行ってほしい所だな。」 領内を南北に流れるレール川の向こうは、手つかずのままになっている。山地が多く、数年おきに河川氾濫が起こる為、手を付けても旨みが無いのだ。

「東部開発と行かなくとも、レール川の治水工事を考えてくれると助かりますね。」従士長は言う。確かに雨期の河川氾濫を抑えられるだけでもかなり助かる。河川周辺を穀倉地帯へ転換できると収穫量が増え、領民の暮らしも楽になると考えられる。

「まぁ、開発は農閑期に入ってからだ、灰月まではまだ半年もある。彼らが出してきた計画が気に入らなければ、再度考えさせるのも良いだろう。」転生者達の報告を待つ事にする。


◇◇◇◇

共通暦5604年 王国暦3254年 橙月3日


転生者がやって来た赤月が去り、橙月に入った。彼らからの連絡も無く1ヶ月が経とうとしていた。

そもそも「転生者」がやって来た事自体が何か幻の様なものかと思い出した頃、領館にサトウがやって来た。


「作成していた地形図、現状の検地結果、植生分布図が完成しましたので献上に伺いました」とサトウ。

「勝手に検地までやったのか?」と少々の怒りを込め質問する。ただ、現状、正確な作付面積は把握できていない事は事実だ。隠し畑ぐらいはあるだろうと思ってはいるが・・・

「申告も無く検地を行って申し訳ございません。ただ、正確な作付面積と収穫量を知る必要があった事をご理解いただければ幸いです。」彼らが持ってきた検地の結果をざっと見る。どうやらかなりの面積の隠し畑があるようだ。あるとは思っていたが、数字で見せられると改めて驚く。


「この地形図、検地結果、植生図は機密として指定し領主一族の他は閲覧を禁止する。ただし、転生者に対しては、地形図の作成の功績を認め、その写しを持つことと閲覧を許可する。」 ここまで正確な地形図は領外に漏れては流石に問題になる。小競り合いしか起こっていないとは言え、東のフランク王国との関係はよろしくない。

「開拓が進み地形図等を更新した場合は、速やかにこちらに提出すること。扱いは今回と同じとする。」開発を進めようとしているのだ、地形図や検地結果を更新するだろうと予想されたので、先に手を打つことにした。


「東部にある山地の植生も大まかに調べさせていただきました。そこで見つけた木の樹液でこのような物を作る事ができました。私たち天晶堂の最初の商品はこれにします。」とサトウから紐を渡される。

「それは、私たちの世界で『ゴム』と呼ばれているものです。お渡しした物は、ゴム紐と言い、伸縮性に優れいています。また添加物を調整することで硬くする事もできます。」 渡された紐を引っ張ると確かによく伸びる。

「この『ゴム』を靴底に使う事で、軽く丈夫な靴を作る事ができます。またゴム紐を服に使うと紐で絞る事から解放されます。」確かにこれまで紐で絞っていた部分がゴムになると脱ぎ着が楽になりそうだ。


「靴は1ヶ月でどのくらい用意できるのか? また1足をいくらで売ろうと考えている?」 商売にするのなら、気になる部分だ。

「靴は1日2足、1ヶ月で70足が限度になります。これは、靴底を作る為に必要なゴムの量から計算しています。ゴムの木を増やす事ができたら、製作数は増やせると考えています。 価格は5銀貨辺りを考えています。まずは富裕層を中心に販路を作れれば良いと考えています。 また、ゴムの量に余裕ができたら半額の2.5銀貨でサンダルも売ろうと考えています。」


「次にゴム紐ですが、1メールあたり10銅貨で販売しようと考えています。こちらは直接売買と、衣服を取り扱っている商会に卸す事も考えています。商会に卸す場合は1メールあたり6銅貨で販売しようと考えています。」

靴が全て売れれば、月に350銀貨か。結構な稼ぎになるようだ。


「つきましては、衣服を扱っている商会をいくつか紹介していただけると幸いです。」 サトウから依頼を受ける。

「生憎、領内には衣服商はおらず、全てサーク伯爵領から購入する状態になっている。私と取引がある商会なら紹介する事ができるが?」 サトウからに依頼に対し、隣の伯爵領の商会を勧める。

「わかりました。その商会に対し、紹介状をいただけると助かります。交渉の方はこちらで行いますので、お任せ下さい。」

「分かった。紹介状は用意ができ次第、天晶堂へ送付する。」


◇◇◇◇

共通暦5604年 王国暦3254年 橙月17日


「先日報告させていただいた、ゴム底の靴が完成しましたので、献上させていただきます。」 サトウが靴を手に領館へやってきた。

「これが、その靴か。」 差し出された靴を手にし、検めてみる。靴底が固いゴムでできていて、溝が掘られている。

「良かったら履いてみて下さい。」 渡された靴を履いてみる。 これまでの靴と違い着地時の衝撃が少なく歩きやすい。


「先日の報告通り、まずは富裕層を相手に商売を開始させていただきます。入手できるゴムが増えたら量産が可能になるので、値段は徐々に下げる事も出来ますが、富裕層向けの商品と一般向けの商品を2種類作り、価格差を持たせようと考えています。」

サトウが今後の展望を語る。


「ゴムの収穫量はどのくらい増えそうなのか?」 献上された靴の予想外の良さに驚きながら確認する。

「現在、確認されているゴムの木は10本ほどです。これを増やそうとしていますが、樹液がとれるまで3~4年はかかるでしょうから、今すぐには難しいと考えています。また、今回の開発でゴムの木畑を作ろうと計画に組込んでいます。」 木を増やさないといけないのならば、今すぐには増えないのは仕方がないか…


「この靴の販路を作りたいと思います。カッツ子爵領、サーク伯爵領・バルタ男爵領・王都の4ヶ所の靴商会を紹介していただけると幸いです。クライド男爵領は天晶堂が直接販売いたします。」と、また紹介状を要求される。確かにうちの領内では、10足も売れればいい方だと思われる。仕方がないので、各領内の商会へ紹介状を書く事を伝える。


◇◇◇◇

共通暦5604年 王国暦3254年 橙月20日


ゴム靴の献上を受けた3日後、サトウがもう一人の転生者を連れてやって来た。

「彼は、キタムラといい、農地開拓の計画立案や農業指導を行う予定の転生者です。」とキタムラを紹介する。


「で、キタムラが何の用だ。」 彼らは基本的に依頼や献上でしか領館に来ない。今回はどんな依頼だろうか…。

「領内の農村をいくつか視察させていただきました。その上で、この2つの道具を各農村へ配布したいと考えています。」

「2つの道具とは?」

「私たちの世界で『千歯扱き』と言われる脱穀道具と『唐箕』と呼ばれる空籾を選別する機会です。これらを使用する事で、収穫後の脱穀作業を短時間で終える事ができるようになります。」とキタムラ。

簡単な実演を見せてもらい、キタムラが持ってきた道具の便利さに驚く。確かにこれだったら作業時間が減らせそうだ。


「配布の件は了解した。領内に配布に関する件を公布する。ただし、使い方を必ず理解させるように。」

公布に必要な物を従士長に準備させ、翌日に交付する事とした。次の収穫に使用できれば、領民も喜ぶだろう。


「続きまして、靴の販売に関し報告させていただきます。」 サトウが口を開く。

「ご用意いただいた紹介状を使い、カッツ子爵領、サーク伯爵領、バルタ男爵領、王都の4ヶ所に天晶堂の支店を開く事ができました。当面はゴムを用いた靴を販売しますが、他の商品に関しても各支店を通して、販売していく予定になっています。」

「靴商会の紹介だったはずだが??」 いつの間にか支店を設立している事に驚きながら説明を求める。

「各靴商会に掛け合ったのですが、価格等で折り合いがつかず。靴商会を介しての販売を諦め、支店を設立する事にしました。勝手ながら、各領主様からの許可はいただいております。」 事後報告を聞きながら、彼らの手の速さに感心する。


◇◇◇◇

共通暦5604年 王国暦3254年 黄月5日


例年通りならそろそろ雨期に入る。サトウが言っていた「開発計画」の締め切りも近づいてきた。


雨期に入る前に領都を視察しようと思い、献上された靴を履き、領館をでる。

正直に言って、これと言って特徴が無い片田舎の町である。宿屋兼食堂が1軒、市場はあるが多くが露店で居を構えた商店は少ない。周囲を畑に囲まれ、長閑な風景が広がっている。

ぐるっと1周領都を歩くが、これまでと違って、足が疲れない。やはりこの靴は良い。今のうちに従士の分4足を確保しておこう。これから開発に伴い歩く事も増えるだろう。天晶堂を目指し、領内を歩く。


「これはクライド男爵様。今日は天晶堂へどういったご用件で。」 これまで会った事がない転生者が迎えてくれた。

「以前、献上を受けた靴を気に入ったので、従士用に4足購入させていただこうかと思い、うかがった。」 靴を買いに来た件を伝えると、転生者が申し訳なさそうに口を開く。「申し訳ありません。ただいま在庫が無い為に今日お渡しをする事ができません。今月中にはご用意できると思いますので、その時に領館へお伺いいたします。」

在庫がないのであれば、しかたがない。用意ができたら領館へ来るように伝え、天晶堂を後にすることにした。


2週間後。サトウが計画案をもって領館を訪ねてきた。

以降、順次書き直して行きます。

できれば週刊ペースで。

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