第0章 「僕と他人」の出会い
4歳の時貴方は何をしていましたか?多くの方はこう答えるでしょう。
「あまり覚えていない」
4歳と言えば幼稚園児の時です。そりゃあ事細かには覚えてないのが普通であしょう。では、何故覚えてないのか、時間がたち過ぎているから?子供だったから?僕はそうではないと思います。
単に、『興味がない』 『どうでもいい』 と、いった感じじゃないでしょうか?
何が起きても、何があっても、笑うか泣くか怒るかそれ以外の感情はほぼ無いに等しいものです。その程度で覚えておけと言うほうが酷な話である。
では、何をどうすれば記憶に焼き着くのか、答えは至極単純で誰にでもできることである。それは……
1つ、声を聞くだけで体が固まるほどの植え付けられた恐怖
1つ、声があげられない程の強烈な痛み
1つ、抱えたことの無い極端な感情、特に殺意に近い怒り
1つ、何もかもを諦めるほどの無慈悲な絶望
この位のことで何年たっても忘れない忘れられない思い出が出来るのである。
ならば、僕が覚えていると言うのは必然なのだろう。
さて、なんでこんな話をしたかというと簡単である。僕は今から人を1人殺そうとしているからだ。なんでそんなことをするのか?そんなのは簡単である。『興味がない』 『どうでもいい』と感じてしまったからである。ならば無くしても問題ないだろう?
僕と他人しか居ないのなら他人が無くなったところで『興味がない』、無くなったところで『どうでもいい』だから殺す。ただそれだけ、たかがそれだけのことなんです。
ですが折角なので、無くなる前に何故無くさなければいけなくなったのか説明してあげるのが最後の優しさと言うものなのでしょうね。
それでは貴方の為に思い出話に花を咲かせるとしましょう。
それでは……