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私の邪悪な魔法使いの友人2  作者: ロキ
シーズン2 私の邪悪な魔法使いの友人の弟子
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第三章 12)旧友との再会

 「とにかく、そういうことだ。今日から彼もこの塔の住人になったわけさ」


 プラーヌスは私に言う。「まあ、シャグラン、君があの少年に関わることはないと思うけれど」


 シュショテという少年はペコペコと頭を下げながら、私たちの前を辞していく。

 プラーヌスの座る玉座のような椅子から、階段までかなりの距離がある。少年は何度も我々のほうを振り返りながら、トコトコと歩いていく。

 彼の歩く姿は何とも頼りない感じだった。そのせいなのか、少年の雰囲気は年齢よりも更に幼げに見える。

 彼のような少年にプラーヌスの助手なんて役目が勤まるのだろうか、そんな疑問も感じてしまう。

 しかしプラーヌスがこの少年の実力を認めていることは事実なのだろう。あの少年もまた恐るべき魔法使いの一人。


 「さて、今日の僕の予定だけど。王の遣いもまだ到着していないようだね? いったい彼らはいつ来るんだろうか。それはそうと、今日も客たち会わなければいけないのかな」


 プラーヌスが欠伸混じりに言った。客との接見にすっかり飽きてきたようだ。


 「ああ、王の遣いの姿はまだ見えない。一方、まだまだ客足は絶えないみたいだね。彼らは君に会えるのを心待ちにしている」


 「わかっている。豊かな暮らしをするためには、金はどれだけあっても足りはしない。積極的に依頼を請け負って、大いに稼ぐつもりさ」


 「それ以外にも、君には今日からやらなければいけないことがある。アリューシアに魔法の指導をするという約束だよ。もちろん忘れてないだろ?」


 「アリューシア? ああ、ボーアホーブ家の小娘か。良いだろう、約束は守るさ。魔法の指導なんて無意味なことだけど」


 私はホッと一息つく。

 彼女のほうはしっかりと約束を守ってくれたのだ。こちら側が破るわけにはいかない。


 「それより何より、君に聞きたいことがあるんだけど」


 私は安堵のため息をつきながらも、今朝の事件の現場を思い出す。血塗れの男が倒れていたあの事件だ。

 このこともプラーヌスに尋ねておかなければいけない。


 「今朝、中央のホールに男性が倒れていたのを召使いたちが発見して、朝から大騒ぎだった。何か心当たりはないだろうか?」


 「ああ、襲撃者だよ。昨晩、見知らぬ魔法使いが僕の部屋の近くをウロウロしていた」


 プラーヌスはさらりとそんなことを言ってくる。


 「何だって?」


 「そういう魔法使いがいるものなのさ。明確な勝算もないのに、一か八かの勝負に出る魔法使いがね。何かの奇跡が起きて僕に勝てば、この塔が手に入るかもしれない。負けても死ぬだけだ。生きることに飽きた初老の魔法使いが、人生最後の悪あがきとばかり、僕を襲撃しに来たのさ」


 「そ、そうだったのかい。最初は死んでいるのかと思ったよ。でも命に別条はないようだ。今、医務室で寝ている」


 「奴に死という慈悲を与えはしなかった。更なる死に場所を探して、再度、苦悩の中を彷徨えばいい。しかし医務室だって? 僕を殺しに来た男だよ。そんな人間に親切な治療を施すのかい?」


 プラーヌスが私を冷やかすように言ってきた。


 「それは知らなかったけど。でも怪我をしている人間を、塔の外に放り出すわけにもいかないだろ?」


 「まあ、いいだろう。あの程度の実力ならば、顧慮するに値しない。本当に無害な男だ。たとえ僕が眠りの中にいたとしても、彼に傷つけられることすらない」


 プラーヌスは自信満々にそう言う。「とはいえ、彼も一応、魔法の使い手だ。君たちにとっては危険なはず。彼から宝石は奪っておいたほうがいい。身体の隅々まで探っておくんだ。魔法使いは至るところに宝石を隠している。もちろん宝石のついた指輪もしているはずだから、それも外しておくんだ。簡単に取り外せないなら、指を切断してでも」


 「あ、ああ、わかった。彼の状態が落ち着けば追い出すことにする。そう言えば指輪で思い出したんだけど。君の旧友と名乗る男がこの塔にやってきたんだけど」


 その男も指に指輪をしていた。随分な伊達男だったから、身を飾るための宝石だと思っていたが、もしかしたら彼も魔法使いではないのか? そんな考えが今、私の脳裏を過ぎった。


 「僕に旧友なんていない。知り合いの人間は、全て敵だよ」


 プラーヌスは冗談なのか本気なのか、そんなことを言ってくる。しかし真顔だから、本気なのかもしれない。


 「カルファル、そう名乗っていた」


 「カルファル・・・?」


 「そうさ、俺だよ、プラーヌス!」


 そのとき謁見の間にそんな声が響いてきた。私とプラーヌスは同時に、声のほうに目をやった。

 男がこっちに向かって歩いてくる姿が見えた。私の執務室にいた男、あの伊達男が来たのだ。

 しかし何という歩き方であろうか、まるで踊りでも踊っているような気障な歩き方。


 「久しぶりだな、プラーヌス! お前もそろそろ俺に会いたくなった頃だろ?」


 彼は大きな声でそんなことを言いながら、こっちにやってくる。


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