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第二話 防衛府庁舎前の広場にて

 防衛府庁舎を出ると、広大な常緑樹林が人々を出迎える。空は高く澄み、春の陽射しがやわらかく降りそそいでいた。毛足の(そろ)った芝生を、白いレンガの大通りが貫いている。

 ブレア・アルバートは式場に連なる階段の手すりに、腰かけていた。

 銀河連邦で、もっとも過酷とされる宙境線、ラグズ宙域防衛を担う軍人だ。一般軍人と違い、通常兵器で殲滅(せんめつ)できない対象を専門に取り扱う、特殊強襲部隊の隊長である。

 深紅の軍服を翻す彼らは、白兵戦をおもな戦場とする。純粋な戦闘力で選り抜かれるため、六〇億人にいる連邦軍人でも、この服を着られる者は四百人と決まっていた。一般的に『特務(スペシャル)』と呼称される。


 部下と他愛ない話を続けながら、時間を(つぶ)すこと二十分少々。ブレアの節くれだった大きな手が褐色の髪を()きあげると、色白の額に長い前髪が垂れ落ちていった。

 予定より十分ほど遅れて、式場から新入隊員たちが吐き出されてくる。深緑の一団のなかから、紅い軍服を探すのは難しくない。

 ほどなくしてブレアが手を挙げた。


「よぅ、新入り! ちゃんと迎えに来てやったぜ! な? ひよこちゃんが出てきたぞ、アルフ」


 部下のルームメイトの帰還を祝し、背を叩いてやると、部下のアルフが白髪頭を縦に振って拳を鳴らした。


「さ、働いてもらおうか。娑婆(しゃば)の空気は吸い終わったろ」

「お帰り、アレン。地獄へようこそ」


 ブレアは愛想笑いを浮かべたつもりが、乾いた笑みになった。

 出迎えられた深紅の軍服を着た新入隊員、金髪蒼眼のアレン・ガードは、一目で出迎え二人の微妙な空気を読みとると、静かに微笑んでブレアの差し出した手を握り返した。


 この青年が少し前に起きた事件で脱退してから、ブレアとアルフは倍増した任務に追われ、ひたすら馬車馬のごとく働いたのだ。上官を心のなかで鬼と呼び、鬱憤(うっぷん)を晴らす暇もなく頬は()せこけ、目の下に(くま)をこびりつかせてなお、うず高く積まれた書類と戦った。

 思い出したくもない。

 『眠れる獅子』と(うた)われ、『人生は焦らずまったり過ごす』を地で行くブレアが、その信念を捨ててがむしゃらに働いてしまった一大事件のことなど。


「ただいま戻りました。ブレア大尉、アルフ」

「『先輩』つけろよ、ひよっこが」


 アルフの一言で、アレンから笑みが消えた。ひやりと突き刺すような冷気がブレアを突き抜けてアルフを向く。


「相変わらず元気そうだな、アルフ」

「あ? お前には見えねえのか、俺の(くま)が。つーか先輩つけろよ」

「大尉に敬語を使わないお前が、なにを言う」

慇懃(いんぎん)無礼なお前よりマシだろ」


 両者が(にら)み合い、互いの距離を徐々に狭めていく。

 ブレアは軽く額を叩いた。アレンとアルフは同い年。だが軍人の家系に生まれたアレンは、十三歳で連邦軍末端組織に所属し、最年少入隊を果たした異例の男だ。今回、出戻りの形を取ったものの、軍歴で言えば間違いなくアレンのほうが長い。

 アレンの負けず嫌いは筋金入りである。アルフとは十六歳のときからルームメイトとして寝食を共にし、傍目には兄弟のようであり、唯一無二のライバルでもあった。

 鋭い閃光と轟音(ごうおん)が、大通りの中央で弾ける。

 無言で手を出したのは、はたしてどちらが先か。 

 ブレアのまえで、両者が大きくのけぞった。


「始まったぁあああ!」


 叫ぶのと、ブレアがバックステップで二人から距離を取ったのは同時だった。その間に交わされる、嵐のごとき拳打の応酬。ともに身体機能を倍加させる気功術の使い手だ。旧時代の風情あるレンガ張りの風景とも今日でお別れか、などとブレアは暢気(のんき)に考えた。


「それぐらいにしておきなさい、ガード少尉」


 凛とした女性の声が、若い軍人たちを制す。いや、両者が止まったのは、ともに右の正拳突きが、互いの頬を直撃したせいかもしれない。


「直属の上司が現れました」


 アレンに向けて言ってやる。声主の女性は、第四宇宙基地で唯一の女特務軍人。いかに過酷な環境に突き落とされようと、精密機械のごとく正確に任務をこなす姿から『鋼の淑女』と評される傑物である。

 アレンの視線が、女軍人を向いた。


「お早いお着きで」

「そりゃまあ、お前の上官だからな。ロシュくんが来ないわけにはいかないだろう」

「そうですね」


 ブレアに同意する淑女は、軍服を着ていなければドレスをまとい颯爽(さっそう)とレッドカーペットを歩いていても遜色ない。代わりに愛想笑いのひとつもせず、その表情が変わるところを見た者はいない、とまで世間に言わしめる女傑だ。

 完璧な美貌(びぼう)と、理想的な曲線を描くスタイルの良さ。金色の髪はくびれた腰に零れ、うなじの辺りで一つに束ねられている。

 第四宇宙基地所属の特務軍人において、もっとも冷静な人物としても有名な女性である。


「ご足労をおかけしました」


 アレンがアルフの頬から拳をおろして、会釈する。ロシュが小さく首を振った。


「それは問題ではありません。ただ、お偉方もお通りになるこのメインストリートで、札を付けられているはずのガード少尉が、アトロシャス少尉とじゃれ合っていては、本日入隊される者たちの士気も下がるというものでしょう」


 言って、彼女は遠巻きにこちらを見る通行人たちを一瞥(いちべつ)した。

 アレンの動きが、わずかに止まる。


「以後、留意しておいてください」

「了解」


 アレンがうなずくのと同時に、鈍く、若木が折れたような音がひびいた。見れば、アレンの頬にあったアルフの拳がだらりと落ち、無言で手首を押さえてうずくまるアルフの背を、ブレアが素早く駆け寄って叩いていた。


「アルフっ、大丈夫か。アルフ!」

「殺す……あいつは、殺す」

「いまはよせ。いまはよすんだ!」

「札? それ、うまいの大尉?」

「…………うぅーん、すでにラグズ4(ウチ)は札付きだったような? なぁ?」

「前科の二つ三つが怖くて軍人やれるかー」


 ブレアに深く同調し、アルフが拳を突き上げた。そのときである。ロシュの氷の眼差しと、部下(アルフ)は真っ向から相対したようだ。


「チャック」

「正しい判断だ! お前は間違ってない!」


 無条件で閉口した部下の肩を叩き、ブレアが大きくうなずいた。

 ロシュが浅い溜息を吐き、きびすを返しながらアレンを(うなが)す。


「ではガード少尉。戻りましょう」

「はっ」


 アレンもまた素知らぬ顔でロシュに続いた。

 その彼らのまえに、ある男が立ちふさがっていた。


「これはこれは。連邦全体を揺るがすほどのクレナモ事変で、危うく民間人はおろか、一つの惑星まで消滅させようとした、ガード少尉ではありませんか。なぜ死刑囚が、銀河連邦に戻っているのでしょうな?」


 褐色の肌をした小太りの中年軍人だった。頭頂はU字に禿()げ、(びん)を明るい栗色の毛が覆っている。大きな丸顔とは対照的な、細く小さな目。その濁った眼球だけが忙しなくぎょろぎょろと動くさまは獲物(えもの)を探す爬虫類を彷彿(ほうふつ)とさせる。


「アールーフー。お前の出番じゃねえか? ありゃアトロシャス家に首ったけの腰ぎんちゃくの一人だぞ。どうもあの政治屋に気に入られようと必死みたいだな」


 顎をさすりながら、ブレアが白髪の部下を見やった。さすがに数秒も置くと、アルフも澄まし顔で立ち直り、ブレア同様に小太りの中年軍人を見ては不思議そうに首をひねっている。


「さすが大尉。詳しいね」

「お前が鈍すぎンだよ」


 こつりとアルフのこめかみを叩いた。

 この部下は、政治家を数多く輩出するアトロシャス家の人間だ。そのなかでただ一人、軍人の道を取った異色の存在。現当主の血を一滴も継いでおらず、どのような経緯で彼がアトロシャスに取り入れられたのか、ブレアの調べをもってしても不明な点は多い。

 本人は、特務に入隊できる腕を見込まれた、と言っているが、それだけではない影の動きがいくつも散見された。そうでなくてもアトロシャスの悪評は、連邦では政治屋と揶揄(やゆ)されるほど有名なのである。


「お前んトコの話じゃねえか。興味ねえで済ますんじゃねえよ」


 他人から見ればいいように利用されそうな白髪軍人は、面倒くさそうに眉をひそめるだけだ。年に一度、会うか会わないかわからない義父のことを考える意欲が湧かないらしい。

 アルフがアレンを見やって、肩をすくめた。


「なに。あれくらい適当に払いのけるでしょう」

「そうか。信じているんだな、お前は。実の相棒を」

「鬱陶しいぜ、大尉」

「私も言ってて気持ち悪かった」

「だろうね」


 低く喉を鳴らすアルフの肩に、ブレアが拳を当てた。


「ワイブ・スネイク中佐。私になにかご用でしょうか」

「――アイツ知ってるのか。すげぇな、アレン」


 アルフは本当に心当たりがなかったらしく、一目で中年中佐の名を言い当てたアレンと、蛇眼の中年中佐を、交互に見ている。

 ブルドックのように頬肉が寄ったスネイク中佐は、薄笑いを浮かべてロシュを見た。


「ハーネット嬢もさぞや大変でしょう。このような問題児を抱えては」

「あなたに言われる筋合いはありません」


 スネイクが、わざとらしくのけぞった。


「犯罪者を匿われるのですか。ハーネット家のご令嬢ともあろうお方が」

「中佐。あなたは何年この職場で食事をしてきたのですか」

「なに?」

「アレン・ガードは銀河連邦軍特務、ラグズ宙域(ラグズ)第四宇宙基地(・フォー)に所属する。迂闊(うかつ)に犯罪者などと言ってもらいたくありませんね。それは我が部隊をも陥れる」


 氷の美貌(びぼう)と称されるロシュの鉄面皮。その涼しげな目許がいま、針のごとく光っている。標的となったスネイクはすくみ上ったものの、顔面の引きつりをなんとか笑みに変えようと努めた。しかし唇同様、ロシュを指差す腕がむなしく震えている。


「なにを馬鹿なことをっ。犯罪者を匿うとは! ハーネット家も落ちたものだ!」

「ひとつ言いましょう、スネイク中佐。あなたがそうやって大声で喚けば喚くほどに、あなたはご自分が白い目で見られていることをご存知か」

「なにっ」

「あなたは、自分が犯罪者の仲間であると言っているようなものです。滑稽(こっけい)以外の何者でもない」

「なんだと……!」

「銀河連邦の軍人でありながら、銀河連邦の軍人を犯罪者と呼ぶのなら、あなたも犯罪者ではありませんか。民間人からすれば、あなたもガード少尉も、ただの連邦軍人に他なりません」

詭弁(きべん)だなっ! その民間人のなかにも、ガード復帰を快く思わぬ者が大勢いるでしょうが! まあもっとも、ブレア・アルバートにアルフ・アトロシャスという問題児が、あなたがたの処にはごろごろといますがねえ」

「これはこれは中佐殿。私の名前まで覚えていただいて光栄でございます、って割って入っていいと思う? アルフ」


 水を向けられたついでに、ブレアが意気揚々とアルフをふり返った。白髪の部下は冷めた様子でロシュたちを眺めている。


「まあ、ロシュ大尉もああ見えて血の気が多い。アンタまで出張ると、いよいよ収拾つかなくなるぜ」

「うん……。そうだね」


 部下にやる気がないのを見てとると、ブレアはしょんぼりと肩を縮めた。

 前方で、かまびすしくアレンをなじるスネイクを制し、ロシュが凛と言い放った。


「ああ。では私からも一つ、中佐にお頼みしたいことが。人を笑えばなんとやら。そう伝えていただけますか。その運動を扇動する、あなたのよく知る政治家に」

「これは言いがかりなっ。軍人が政治と繋がるわけがないでしょう。ガードの者ならいざ知らず。おおっと、父親に政治家がいるのはガード家に始まったことではありませんか」

「あえてアトロシャス家の名を外すのはなぜでしょう」

「なにが仰りたい」


 冷静さを欠いたスネイクでも、話の流れが曇り始めていることに気付いたようだ。顎を引き、蛇のような目で見上げる彼は、緊張で上唇を湿した。


「いいえ、この論議は無駄ですね。では。――参りましょう、ガード少尉」

「ま、待てっ」

「もう話すこともないでしょう。それでは」


 背筋を伸ばして去っていくロシュとアレンを、スネイクは歯痒(はがゆ)そうに見送った。そしてまだ、暢気(のんき)に観察しているブレアたちに気付いたのか、眉をつり上がらせてふり返ってくる。


「ブレア・アルバート!」

「なんすかー、中佐ー」


 後頭部で腕を組みながら、ブレアが間延びした声で答えた。スネイクの顔が、さらに気色ばむ。


「貴様! 上官に対してなんだ、その口のきき方は!」

「は? 俺、犯罪者なんでー、階級とか興味ないっすねー。なあ、アルフ。俺、犯罪者って言われちゃったー」

「っふふ、おもしれえ冗談だよな」


 ブレアとは対称的に、アルフはいつもより、格段に声音を落としている。

 背中にひやりと、冷気が走った。


「犯罪者なら、ここらでつい気に入らない首を刎ねちまうかも、ね」


 口角をつる白髪の青年と中年中佐の目が合った瞬間。スネイクがとっさに、首筋を手でかばった。二、三回、鋭く息を吸い込み、倒れるようにあとずさる。中年中佐が血の気の引いた顔で唇を開閉させている。まるで自分の首が、切り落とされるさまを幻視したかのようだ。


「き、さまら、脅すつもりかっ!」


 ブレアが肩をすくめた。

 彼の部下、アルフ・アトロシャスは銀河連邦軍でもっとも危険な男だ。軍籍に身を置く者なら一度は耳にする名であり、アトロシャス家の腰巾着を兼業するなら知っていて当然のはずだった。だが、この中年軍人はその風説すら知らない。

 政治家アトロシャスと単なる同姓の問題児としか見ていなかった中年中佐は、アルフの眼中にないのも納得の田舎者だった。

 緊張のあまり息も吐き出せなくなったスネイクの肩を、ブレアは軽く叩く。中佐の体内で固まった気がほぐれ、正常に流れていく。


「ま、そういうわけで。あんまり絡んでこないほうがいいんじゃないですか、中佐殿。俺たちにあんまり階級は関係ねえ」

(そう。レスター提督とか)


 そのとき、スネイクを黙らせた背後の冷気が霧散した。

 ふり返れば、部下の気だるそうな顔がある。アルフは道の(わき)に広がる常緑樹を、白々しく見つめていた。


「なにを思ったの、アルフちゃん」 

「なにも言ってないよ、ブレア大尉」

「貴様。いま、なにか思っただろっ……!」

「思っちゃ悪ぃのかよ。思うだけで悪ぃのかよ」


 たじろぐ部下に、ブレアは深くうなずいた。


「めっ」

「…………」


 アルフが不服そうに押し黙っている。


「二人とも、早くこっちへ」


 ロシュの声がして視線を遠くにやると、帰路についたロシュとアレンが、はるか前方でふり返ってきていた。目測で、百メートルほど距離が開いている。


「なんだ、アイツら! もうあんなところまで行ってるぞ! なんであそこに行くまえに呼び止めてくれないんだよ!」

「ロシュ大尉、歩くの速ぇからな」

「アレンも速い」

「まったり行こうぜ。大尉」

「あいつら鋼鉄だからな。しょうがない」


 ぐだぐだ話しながらロシュたちを追うと、さきで待っているアレンが、わずかに身を屈めた。


「とっとと来いっ!」


 瞬間。アレンの腕が、ぱっと(きら)めいた。ブレアとアルフがサイドステップで同時に道を開ける。号砲のようなすさまじい轟音(ごうおん)。閃光が二人の間をすり抜けた直後、背中でくぐもった悲鳴が上がった。

 スネイクが閃光に腹を(えぐ)られ、胃液を吐いて倒れ伏したのだ。

 ブレアとアルフ、アレンが、口端を広げた。


「事故事故♪」


 ブレアが鼻歌混じりにポケットに手を入れて、ロシュたちのもとに向かう。

 傍らのアルフがあきれたように首を振っていた。


「避けろよな、あれくらい」

「……外したか」


 どこか残念そうにアレンがつぶやいたのを、射線軸上に居た二人が無言で見やった。アレンは自分の拳を見下ろして、構えを解くのみで三人の視線は交わらない。


「さ。それくらいにして、行きますよ」


 絶対こいつは当てる気だった、と目で訴えているブレアとアルフを置いて、ロシュは彼らを促した。





「こ、これは!」

「しっかりしてください、中佐! 中佐!」


 近くを通りがかった連邦軍人たちが、中佐の肥満体を揺するも完全に気を失っている。

 傍目にいた軍人たちは、ほうけた顔で百メートル先の特務軍人たちを見やった。


「拳を……?」

「アレン・ガードはあの場から動かなかったぞっ!」

「いま、なにが起こったんだ?」

「見えるわけないだろ、俺たちに!」


 新入隊員たちが狐にでもつままれたように顔を見合わせ、またアレンのほうを見やった。


「特務って」

「すげえ……!」





「少しやりすぎです。ガード少尉」

「以後、注意いたします。ハーネット大尉」

「その言葉、忘れないでください」


 こめかみに手をやるロシュなぞ素知らぬ顔で、アレンがはっきりとうなずいた。

 ブレアとアルフが追いついてきたのは、ちょうどそのときだ。


「結構面白かった」

「あいつのぶっ倒れるときの表情見たか? 俺、ばっちりカメラで押さえたぞ! これが傑作でよ、どうだどうだっ?」


 にこにこ笑顔でブレアが諜報用の小型カメラを取り出してくるや、少尉二人が顔を寄せる。


「どれどれ」

「さすがに器用ですね、ブレア大尉」

「当然だっ」


 男軍人たちが嬉しそうにはしゃぐさまを尻目にロシュはため息を吐き、高く澄んだ青空に向けてつぶやいた。


「いつも通り、ですね」


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