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猿犬合戦

昔々、ある所に大層仲の良い猿と犬がおりました。二匹は何をするにも一緒でした。そんなある日、犬がたまたま一人で山の中を散歩していると、猟師かしかけた罠に引っかかってしまいました。犬は痛みと驚きで泣き叫びました、足を動かして罠から逃れようとしていましたが、ワナが足に食い込んで足の痛みが増すだけで、何の意味もありませんでした。とそこに仲良しの猿が通りかかりました。

「どうしたんだい? 」

「 足が、足が」

猿の問に犬は泣きながら、足を見せました。猿は犬の足の罠を見て、自分だけでは外せない事に分かりました。

「 待っていろ、犬。仲間を呼んでくるから、少しだけ待っていてくれ!! 」

猿はそう言うとその場から離れて、どこかへ行ってしまいました。

「 待ってくれ、猿! 置いていかないでくれ! 」

犬の叫びを背後に、猿は仲間を呼ぶために森の中へ走って行きました。

 辺りは段々と暗くなり、夜が近づいて来ました。


猿、なにしてんだよ、早く来てくれ。


犬がそんな風に思っているころ。


 猿は山の中で

「良いか? 最低でも一対一で当たるんだ、けして早まるなよ!! 」

くっそ、こんなときに!!  隣の山から他の群れの猿が攻めて来たのだった。猿はそのせいで身動きが取れなかったのでした。

 辺りはすっかり夜と呼んでも差し支えない暗さになっておりました。犬は泣き叫びました。

 「 猿、お~い猿」

とその時草むらが揺れ始めました。 犬は猿が来てくれたねかと思い、喜びましたが、冷静に考えて猿が来るなら地面を歩いてくるはずが無いことに気づきました。犬は恐る恐る草むらを見ていると、草むら姿を表したのは人間でした。

人間は余りにも山が五月蝿いので、様子を見に来たのだった。 犬は初めて見る人間に警戒心を露にしました。人間はそれに構わず犬に近づくと罠を犬の足から外しました。犬はその行動に驚きながらも、その場から逃げ出そうとしました。しかし、罠のせいで足に怪我を負っておりその場から逃げ出すことが出来なかった。人間はそんな犬を見ると、抱き抱え連れていきました。人間はこの犬を治療するつもりです。犬は一肌の暖かみと、叫んだ疲れから人間の腕の中で寝てしまいました。

 猿が来たのは、明け方。太陽が顔を出した頃でした。猿は戦いが終わると直ぐに、犬の所へ向かいました。比較的軽傷の猿たちを引き連れきた。猿は犬がいないことが目の入ると、取り乱し気を失ってしました。戦いの疲労がピークに達していたのでした。

 一方、犬は人間の家で治療をしてもらい、食事を貰っていた。 うまい、旨いです 犬は今までに食べたことの無い物を食べて喜んでいました。この調子なら1週間で山に戻ることが出来るでしょう。

 丸三日寝ていた猿は、起きると犬を他の猿と一緒に森の中を探し回りました。しかし犬を見つけることは出来ません、それはそうです。犬は人間の家にいるのですから、それから4日間たち、猿は犬が死んだと思っていたら所に犬が帰って来ました。

犬は傷が治ると森の中に戻って来たのだった。犬は自分がいないことに嘆き悲しんでいる猿のもとに駆け寄ると、猿に思いっきり抱き付きました。猿と犬はお互いに再び合えたことを喜びましだ。 しかし、それから数日すると猿は不満に思うことが出てきました。

 犬は、毎度のごとく人間の話をしてくるのでした。猿はその事が不満で仕方がありません。 自分だって戦いの後に疲れた体を引きずって、君の事を探していたんだ。何でそんなに人間の話ばかりするんだよ。しかし、猿はその思いをおしこめて、黙って犬の話を聞いてました。

 そんなある日、犬が時々森から獲物を持って抜けること気づきました。犬はあの人間の所に獲物を渡しに行っていたのだった、犬は命を救ってもらった恩返しに。それを見た猿は嫉妬の炎を燃やしました。 自分だって、犬を助けるために命を掛けたんだぞ。なのになんであの人間ばかりを気にかける?!  猿は腹いせに人間にイタズラをすることにしたのでした。

 猿は他の猿を引き連れて、家にイタズラをしかけた。野菜などの食料を盗んでくる、そんな些細なイタズラだ。 猿たちはイタズラついでに盗んできた野菜が美味しくて、夜な夜なその家に盗みに入るようになったのだ。そんなある日、食料を盗みに入ると罠がしかけてありました。人間も馬鹿ではありません。対策を取っていました。

ガチンッ!!

猿たちはその音に驚いて、その場から罠にかかった猿をおいて逃げ出しました。

そして次の日、猿は見せしめのように死体になって、森の方に向けて晒されていました。これに激怒したのは猿たちでした。確かに俺たちは食べ物を取ったが、命まで取ることはないだろう、と。猿たちは家を襲撃することにしました。

猿はその事を犬に話しました。猿は犬が自分たちと、一緒行動してくれると思ったからです。 しかし、犬はその話をして激怒した。

「君たちは僕の恩人に何て事をしてくれるんだな!! 」 

猿はその言葉を聞いて、ショックを受けました。友達の自分よりも、あの人間を選んだことが信じられないでいたのです。

「君は俺の友達じゃなかったの? 」

「 僕の恩人を襲うような君は、友達じゃない!! 」

猿はそのことばを聞いた途端何が猿の中で燃え上がりました。嫉妬の炎は憎しみの炎へと変わった瞬間です。 犬との仲が壊れたのは、あの人間のせいだ!! 殺す気は無かったけど殺してやる。 こうして猿と犬は仲違いが激しさをました。 そして夜中、山から猿が大漁に人間の所へ降りてくる、そこに立ちはだかるのは犬たちだ。犬の話を聞いて、人間を守るために集まったのだ。 そして猿と犬の戦争が始まった。


 この戦いの名前は猿犬合戦と呼ばれ、のちに犬猿の仲と言う言葉も生まれたほどでした。 猿は山に引きこもり、犬は人間と生活することになった切っ掛けでもありました。



    


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― 新着の感想 ―
[良い点] 犬と猿の二人の関係を人間という媒体を挟んで、物語の中でまとめている完成度の高い作品だと感じました。 犬の視点からは、人間という恩人と猿という友人をしっかり分けて接していた。 しかし猿の弱さ…
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