四月一日 昼3
「あ、朝も言ったように知りません。」
「嘘だな。」
「まあ嘘ですが。」
「サラリと白状した!?」
正直者だな雷ちゃん。いや、嘘をついたと正直に言うのは正直者なのか?まあいい。
「じゃあなぜ嘘をついた?」
「エイプリルフールだからですよ。怒らないで下さいね。」
「朝の嘘はいいが今の嘘はダメだ。許さん。」
「なぜでしょう?まだ四月一日ですが。」
「エイプリルフールは正午までだ!」
「っ!?」
「というわけだ。嘘をついても許される時間外に嘘をついたメイドには罰を与えんとな。」
「乱暴するつもりでしょうか?エロ同人のように?エロ同人のように?(棒)」
「その包帯を全部まくるだけさ!」
「きゃー(棒)」
案外ノリいいな雷ちゃん。
あと、姉さんと朝香がジト目でこっちを見てくるからいい加減本題に戻ろう。
「ゴホン。まあ今までのは冗談だが頼むから本当の事を話してくれ。」
頭を下げる俺。
雷ちゃんは急に頭を下げた俺に動揺し、姉さんと朝香は状況が理解出来ずにポカンとしてる。
「分かりました。本当の事を話すので頭を上げて下さい夜介様。」
頭を上げる俺。
「ただし、話すのは夜介様にだけなのでお二人にはお部屋に戻って頂きます。」
すかさず二人の反論。
「えー。夜にーが言ってた太陽の話なら朝香も聞きたいー。」
「私も夜君がなんであんな事を言ったのか気になります。」
こうなった二人を論破するのは難しい。どうやって二人を部屋に戻そうか考えていると、
パァン!
雷ちゃんが急に手を叩いた。すると姉さんと朝香はフラフラと台所から出て行った。階段を上る音がしたので部屋に戻ったのだろう。
「あまり手荒な真似はしたくなかったのですが。」
「姉さんと朝香に何をした?」
「まさかお二人にも太陽の話をしていらしたとは。お二人にはお部屋にお戻り頂くと同時に太陽に関する今日の記憶を消させて頂きました。」
「どうやってそんなことが?」
「企業秘密です♪」
まあ秘密って事は真実を話してはないが嘘でも無いので言及は出来ない。
「今の事で二人に何か悪影響を及ぼしたりしないよな?」
「それは大丈夫です。保証します。まあ悪影響を無理矢理付けることも可能ですが。」
「絶対にするなよ!」
まあ何もないなら良かった。
それよりも太陽の話だ。
「それでは太陽についてお話し致します。」
望むところだ。