四月一日 朝6
結果から言うと雷ちゃんを見つけたのは朝香だった。場所は俺の部屋。雷ちゃんはベッドメイキングをしていたらついつい寝てしまったらしい。(大丈夫かこのメイド)
突然朝香の悲鳴が聞こえて俺と姉さんが駆けつけた。
「大丈夫か朝香!?」
叫びながらドアを開けた。そこには・・・
・置きっ放しの携帯ゲーム機
・ベッドの方を指差して腰を抜かしてる朝香
・ベッドの上で何か呪詛 (寝言)をぶつぶつ言っている包帯だけを身に付けた女性
・・・そりゃ悲鳴あげるよね。主にメイドのせいで。
「よ、夜にぃこれ誰?ていうか何?」
朝香は怖がると俺の呼び方が夜にぃになる。些細な違いだが俺には分かる。
「信じられないかもしれないがこれがメイドの山吹 雷さんだ。」
「「!?」」
ちなみに俺もまだ信じられない。
顔合わせの為に起こしたいがなんせこんな格好だから体に触るのは抵抗がある。(主に性的な意味で)仕方ないのでおでこにデコピンした。
「痛っ・・・ハッ!二等の宝くじは!?まさか夢!?そんなぁ・・・あっ・・・」
雷ちゃんにはクールなイメージがあったのだが、朝食の件といい、今の光景といい残念なところはあるみたいだ。
「はじめまして真昼様、朝香様。今日からこの家でメイドとして働きます山吹 雷と申します。」
何事も無かったかのように自己紹介する雷ちゃんだがヨダレの跡がある顔で言われてもネタにしか見えねえよ。
「「あの、なんで包た」」
「貧乏だからです。」
「「あ、はい。」」
また先回りした!
「気軽に雷ちゃんとお呼び下さい。」
「「りょ、了解です。」」
完全に会話の主導権を握られてる!
見てられないのでここで話題を変えることにした。
「もうそろそろ昼ごはん作った方がいいんじゃないか?」
「そうですね。かしこまりました。」
本当は太陽のことを聞きたかったがあえて聞かなかった。
というとこで雷ちゃんと姉さんと朝香の顔合わせ(?)は終了したのだった。
ちょっと時間経過はやくね?という疑問があるかもしれませんができれば気にしないでやって下さい。作者が死んでしまいます。