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四月一日 朝3
貧乏だと言っていたが雷ちゃんの料理の腕前は中々のものだった。俺は親が居なくてもそれなりに自炊ができる程度の技術を持っているが雷ちゃんには劣っている。
ちゃっかり俺と一緒に朝食を食べている雷ちゃんだが自分で作ったご飯を食べて涙を流している。
「まともな食材でまともな料理を作って食べるのは久しぶりです。」
どうやら家が貧乏なのは本当のようだ。というか食べるスピードが尋常じゃない。多めに作ってあると思った朝食は俺よりも雷ちゃんの為に用意されたものだったみたいだ。
〜朝食終了〜
なんでもやってもらってばかりじゃ悪いので皿拭きくらい手伝うと言ったがやんわり断られた。
雷ちゃんが皿洗いをしている間暇なのでテレビを見ることにした。何気無くつけたテレビでは天気予報をしていた。
『今日は全国的に晴れとなるでしょう。太陽の光を浴びながら散歩もいいですね。』
太陽の・・・光を・・・ってことは!
急いで外へ出るがやはり太陽は無い。
「こうなったら雷ちゃんからなんとしてでも情報を聞き出さないとな」
そう決意した俺は台所へ戻ることにした。