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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

インベーダー退治

作者: ムネミツ

■序章:記憶を辿る

森に囲まれた大きな湖の畔で、青のブレザーを着た金髪の少年が釣り糸をたらしている。

・・・・・・その夏、俺達はインベーダーと戦った。

・・・・・・晴れた空を見上げ、少年は呟く。

湖と星空が観光名所な田舎町、それが俺達の住む牛座市・狩狐狭町うしざし・かるこさちょう

張湖(はりこ)って言う、日本で10番目に大きいこの湖は隣町の有出町(あるでちょう)

馬乱山(ばらんさん)と並ぶUFOスポットやUMAスポットとしても有名である。

俺は岸田クリストファーきしだ・くりすとふぁー、この町で暮らすイギリス系日本人の

半吸血鬼(ダンピール)だ。

私立蓮田学園高等部しりつはすたがくえんこうとうぶに通う、高校一年生で15歳の男。

この世には、魔法や心霊現象に妖怪などの存在は実在する。

今は張湖で釣りをしている、だが魚はまだ釣れない。

そんな時、俺は夏の戦いを思い出す。

■第一章:始まり

夏、馬乱山の上空にUFOが出現しニュースとなった。

UFOが山頂に光線を発射して飛び去った、光線が放たれた所には三頭分の牛の骨が散乱していた為

キャトルミューティレーションだと大騒ぎになった。

事実、張湖の近くの荷倉牧場(にぐらぼくじょう)では3日前UFOに攫われたのだ。

破片の中に紛れていた認識票から、荷倉牧場から消えた牛だと裏づけが取れた。

・・・・・・そんな記事が書かれた新聞を、膝の上に敷いた岸田クリストファーは

青空の下学校の屋上で弁当を食いながら読んでいた。

「・・・・・・宇宙人がらみの事件が多いな、この街は。」

半吸血鬼に言われたくはないだろうが、吸血鬼は地球の存在で宇宙人はよそ者である。

ドアが開き、同じく青のブレザーを着て眼鏡をかけた温和そうな美少年が現れる。

荷倉純(にぐら・じゅん)、当の荷倉牧場の次男坊である。

「きっしー♪・・・・・・なんだ、きっしーもその記事読んだのか。」

クリストファーの膝の新聞を見て苦い表情をする純、ちなみに純はクラスメイトでクリストファー

も所属するオカルト部の仲間である種族は人間だ。

「・・・・・・ああ、純の家の牛は宇宙人も評価してるらしいな。」

純の家の牧場は度々、キャトルミューティレーションの被害に遭っている。

純の祖父が、テレビ番組のインタビューに答えているのを初めて見た時は噴飯物だった。

「・・・・・・牛が欲しけりゃ、金払えっ買ってくれてんだよ。」

純のつぶやきは当然である、牛一頭を買うのに100万円なら安い方だと言えば被害の重大さが

わかる。

「・・・・・・宇宙人の野郎、絶対に殺すっ!!」

温和な純が、右の拳を握り震わせ怒る。

「で、どうやって奴らに立ち向かう牧場を見張るか?」

と俺は提案する、俺も友人の為に一肌脱ぐ気になった。

そうすれば謝礼に、肉を食わせてくれるかもしれないと言う下心はあるが。

「え、もしかして手伝ってくれるのか?」

純が驚いた顔で俺を見る。

「ああ、どんな奴らか気になるしな。」

と俺は答える、実際宇宙人という奴らが気になるのも事実だ。

「ありがとう、きっしー♪」

純が笑顔になる、きっしーと言うのは止めて欲しいが慣れた。

こうして俺と順の二人は、宇宙人に挑む事にした。

■第二章:古臭いSF

学校が終わり、その日の夜20時俺は蝙蝠へと化けて純の家の牧場へとやって来た。

牛舎の入り口前に純を見つけると、純の所へ行き俺はスタジャンにジーンズにスニーカーと

言う格好の人間の姿に戻る。

「きっしー、待ってたよ。」

純は俺が蝙蝠になったりしても気にしない、と言うか慣れてくれている。

「おう、今のところ何もなしか?」

と純にたずねる。

純は兄のお下がりである、ライダースーツの上にレースで使うプラスチックのプロテクターにヘルメット

に加え武器として農機具のフォークで武装していた。

そして空を見上げると、古典的な空飛ぶ円盤が西の方角から飛んできた。

円盤が俺たちの10メートル前の地点に光線を放射すると、全身が白い肌巨大な頭部に真っ黒な瞳の

人型の生き物が現れた。

「リトルグレイだ!!殺してやるっ!!」

純は敵の姿を見ると、フォークを左腰溜めに構えて突進していったっ!!

俺もその後を追いかける。

リトルグレイは、俺たちを見て逃げようとしたが俺達が奴にエンゲージしたため奴の円盤内に

俺達も吸い込まれた。

■第三章:決戦

円盤に吸い込まれた俺たち、純はリトルグレイの喉にフォークを突き刺していた。

円盤内は8畳間ほどで、俺たちの回りには刺し殺したグレイの仲間が10体ほど大騒ぎでパニック状態だった。

当然である、仲間が戻ってきたと思ったら宇宙人の二人組みも一緒でおまけに刺殺されているとあれば

俺でもパニックになる。

「死ねぇっ!!」

純が叫び、フォークを抜いてはリトルグレイに刺して攻撃して行く。

俺も怨みはないが、牙をリトルグレイに突き立てる肉が硬いが通らない事はなく試しにリトルグレイの血を吸って見る。

「うべっ、不味いっ!!」

俺は首筋から顔を離し苦い緑色の液体を吐き出すと同時に、リトルグレイを投げ飛ばした。

俺達はとにかく、敵に反撃の隙を与えないように暴れまわった。

奴らが光線銃らしき武器を撃って来たが、俺は我が身を盾にして純を守った。

俺は、その傷を癒す為リトルグレイに噛み付いて血を吸った不味いが贅沢は言ってられなかった。

俺達はこの時、どうやって円盤から逃げるかを考えていなかった。

純は、円盤の中で自分の家の牛の骸を見つけた事でさらに怒りリトルグレイ達を攻撃していった。

リトルグレイ達は、どうやら身体能力は人間の純よりも低かったらしく白兵戦には弱かった。

「・・・・・・純、俺達どうやって帰るんだっ!!」

円盤内を制圧し終えた頃、俺は正気に戻った純に尋ねた。

「・・・・・・ごめん、考えていなかった。」

と言い純が操縦席らしきものを探し出した時

ガクン!!

と言う音と揺れが起こり、円盤は制御を失って高度を落として行った。


■終章:生還

俺達の乗り込んだ円盤は、馬乱山に墜落した。

純はプロテクターなどの重装備の為、俺は吸血鬼の特性の為奇跡的に助かった。

墜落のショックで円盤が壊れ、出口ができておりそこから俺たちは脱出した。

その後は、苦労して下山しそれぞれの親に夜遊びをしたと思われて説教された。

リトルグレイ達の目的はわからなかった、会話もできなかったが牛泥棒の報いは果たせた。

そして今では、平和な暮らしを俺たちは送っている。

・・・・・・だが、いつかまた事件に巻き込まれるかもしれないと俺は胸がざわめいている。 


                                        終










初めまして、ムネミツと申します。

自分の好きなものを詰め込んで、書いてみました。

ネーミングには、クトゥルー神話から拝借したものがございます。

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