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旅に行くには準備が大切です

~エースコンバット5~

仲間A「隊長は落ちないさ」

私「あー!ああああああ!」

チュドーン

[>リトライ



人物表

メリーさん

幽霊 話によっては結婚したりしなかったり


(カナエ) (ユメ)

メイドさん 昔のヒロインなのに影が薄い哀しみを背負いました


ルカ

魔法使い 前作の主人公 前は魔法率皆無でお送りしました



「エウナさんエウナさん」

「んー?」


 私が『和菓子百戦の歴史』という意味不明なシリーズの本から顔を上げると、そこには嬉しそうにお札を突きつけている楓の姿があった。お札には『あくりょうたいさん』と下手な字で書いてある。


「・・・何それ」

「魔物退治のお札を作ってみたのです!」

「そう」


 えっへんと無い胸を張っている巫女を見なかったことにすると、また読書を再開する。


「ちゃんと見てくださいよ!」

「五月蝿いわね、何よ」

「こーやって魔力を込めるとですねー」


 楓が呟いた瞬間、バチっと音が鳴りお札は楓の手から離れた。そして地面へと落ちると黒く炭化する。

 その様子を無表情のままで見つめる楓。


「少し、出ますね」

「・・・」


 彼女はそう告げると部屋から出て行った。私はその姿に何も言えずにただ見送るだけ。


「むむ?本体(オリジナル)ったら他人にお茶入れさせて自分は何処かに行っちゃったんですか?」


 聞きなれた声のした方を見ると、メイド服を着た楓が紅茶を入れながらニコニコと笑っている。


『エウナさまは、ユメが絶対に守ってあげますね!』


 誰かの声と共に、ジャリっと鈍い痛みが頭を襲う。


「・・・今まで出来たことが出来なくなるってどういう気持ちなんでしょうね?」


 ポツリこぼれた疑問はその頭痛のせいなのか・・・それとも彼女の姿が楓と瓜二つだからなのか・・・。


「さぁ、ボクには出来ることしか出来ないからわからないですね」

「・・・そう」

「何てったってボクには以前が無いですから!」


 紅茶がこぽこぽと湯気を立てている紅茶を私の前へと差し出しながら、彼女はそう笑った。しかし、彼女は少しだけ表情を曇らせると言葉を続ける。


「ですが・・・エウナさんが悩んでいるなら相談に乗りますよ?」

「・・・それは」

「安心してください、ボクに話したことは本体は知ることが出来ません。生まれた瞬間は共有していても、数秒もすればボク達は共有できない別人なんですから」


 心配そうにして私を覗き込んでくる顔は間違いなく楓なのに、けれども何処か違う。違うことが、わかってしまう。


「怖いのよ」

「怖い・・・ですか?」


 結局、私はまだ暖かい紅茶を見つめながらポツリと呟いてしまう。・・・私は、誰かに話したかったのかしらね?本人ではないとしても、そこに居るのは楓と変わらないのに?


「ねぇ、突然襲ってくる幻聴と頭痛は何?私は何時からあなたと一緒に暮らし始めたの?あなたは・・・何時から人じゃなくなったの?」


 疑問に答えは出ないままも流れ出た言葉は続かれる。その問いに、彼女が答えれるかどうかなんてわからないのに。


「ある時から記憶がぷつりと無くなってる・・・何か、私は何か大切なことを忘れてるような気がして・・・それを思い出すと今の生活が無くなるような気がして・・・」


 彼女は黙って言葉を聞き、そして私の頭を優しく抱きしめた。


「残念ながら、本体の意思がわからない以上、ボクがその問いに答えることは出来ません」


 じっと彼女の体温を感じていると、少し気持ちが和らぐ。


「ですが、失った物は戻らなくとも魔法で封じられている記憶を取り戻す方法はあります」


 彼女は私が落ち着いたのを確認してから離れると、月明かりが差し込んでくる窓を開けると優しく微笑んだ。


「己を知り敵を知れば百戦危うからず、ですよエウナさん」


 それは、私の疑問に対する一つの答え。


「どうして・・・そこまで?」


 あなたはあの子とは違うのに、どうして?


「例え数分前に生まれ、数秒後には消えるとしても・・・」


 私を安心させるためか、彼女は微笑を崩さない。


「ボク達はエウナさんが笑っていられることだけを願ってますし、そのためなら何でもします。・・・だから、そんな辛そうな顔をしないで」


 あなたは、何も悪くないんですから。

 最期の言葉が聞こえたとき、彼女は何処にも居なかった。床に落ちているのは、人の形をして燃え尽きた一枚の紙だけ。・・・どうしてあなたはそう勝手なのよ。


「あれ?楓さんが居たと思ったんですけど、気のせいでしたか?」


 どのくらいその紙を見つめていたのだろうか、ふと後ろからアリスの声がした。どうも紅茶が冷めていることから結構な時間を過ごしたみたいね。


「エウナさん?泣いてるんですか?」

「・・・気のせいよ。それよりアリス、良ければで良いんだけど・・・」

「んー?はい、何ですか?」


 少しだけ彼女の居たほうを見てから、アリスへと向き合う。


「魔法、教えてくれない?」



□ □ □ □



 シトシトと雨が降っている中、山奥にひっそりと建っている屋敷へと数人の人影が入っていく。全員銃を持っており一人は片手に大きなトランクを持っている、黒く素早く、さらに音も無く静かに動く様はまるでゴキ・・・特殊な訓練を積んでいる様に見える。

 ところどころ朽ちて穴の開いている玄関ホールで一人が合図を出すと、ゴキブ・・・彼らは1階と2階で分かれた。ちなみに徒歩であり飛んではいない。

 明らかに屋敷よりも長い2階廊下をカサカサと静かに動く不法侵入者3人。時折立ち止まっては手に持った計器を見ているところから、目的地の場所はわかっている様だ。

 そして、永遠に続くのかと思われた長い廊下もついに終わりを向かえ、彼らは一つの扉の前で立ち止まった。中で物音がしないことを確認すると、廊下に1人を残して中へと入っていく。開けたら閉める常識は今のところ通用されない様子。

 ぼろい他の部屋とは違い、高級そうな調度品がある部屋の中、ベットには一人の女性が横たわっていた。白いドレスに身を包んだ女性は長い金色の髪をベット全体に広げ、静かに目を閉じている姿は人形にも見える。

 その女性を近づいて確認すると、へんた・・・一人の男が手に持っているトランクを開けた。中に入っているのは、ホワイトアッシュの杭とハンマー。

 二人がそれぞれ杭とハンマーを手にした時、突然部屋の扉が閉まり部屋の外から銃声が聞こえてきた。彼らは反射的に近くにあった銃を構えて扉へと向けた。そのまま数十秒、不気味な沈黙が屋敷の中を支配する。しかしお互いに目配せをした瞬間、その沈黙は破られた。

 突如ドアと一緒に何かが吹き飛んできて一人の男を押し倒した。押し倒された男が驚いて、あさっての方向へとトリガーが引かれる中、開きっぱなしとなったドアから小さな少女が飛び出し、まだ立っていた男の首へと手を掛けた。そのまま勢いをつけて首をへし折る。

 頭が変な方向へと曲がった男が倒れる中、少女は未だ仲間の死体の下から抜け出せずにいる男をちらりと見ると、死体ごとその体を踏み潰した。勢いよく出た血飛沫が少女の服に赤い斑点を作った。

 少女は自身が赤く染まるのも気にせず、メイド服から携帯電話を取り出すと何処かへと電話を掛ける。


「メリーさまー?」


 電話を片手に持っているメイド服を着た少女は小さい子供ほどの大きさで、腰まである長い白髪を後ろで纏めている。少女がうんうんと頷くたびに、後ろの髪がさらさらと揺れた。

 やがて、ドアから一人の女性が現れると少女は電話を懐へと閉まい、とてとてと女性の下へと駆け寄った。部屋へと入ってきた女性は銀髪のポニーテールを揺らしながら駆け寄ってきた女性を抱きしめる。


「わお・・・これまた派手にしましたね、ユメさん」

「・・・ダメでしたか?」

「いえいえ!そんなことは無いですよー」


 女性・・・メリーは駆け寄るや否や不安そうに見上げてくるユメを撫でると笑顔で応える。気持ちよさそうに目を細めるユメ。


「とはいえ、ちょっと汚れすぎですよ!」

「ごめんなさい・・・」


 メーと指を出すとユメはしょんぼりと肩を落とした。ちょっとで済むのか・・・ソレは誰にもわからない。


「まぁ、私も準備がありますからその間に着替えてきてくださいな」

「うん!」


 ユメは元気よく返事をすると、とててててーと部屋から出ていった。その後姿を微笑みながら見ていたメリーは、ベットで横たわっている女性へと目を向けると少し表情を暗くした。


「そういえばルカはー?」

「んー・・・電話にも出ないですしどうしてるんでしょうね?」

「そっかー・・・」


 新しいメイド服へと着替えてきたユメが何気なさを装って聞くと、メリーは困ったような顔をして答えた。


「まぁ、あの人なら平気でしょー。ではでは行きましょうか」


 メリーは何処と無くがっかりした様子のユメに苦笑しながら隣の部屋の扉を開くと、どういうわけか食堂が見えた。

 しかし二人とも特に気にした様子は無く、先にメリーが、その後で眠っている女性を抱えたユメが続くようにして入っていく。


「うらぐちー?」

「はい、裏口ー」


 二人がのんびりと食堂から台所へと歩いていると、突然入ってきた扉が開き、数人の兵士が銃を撃ちながら現れた。ところで全員同じ格好なのだが、見分けは付くのだろうか。


「・・・意外と準備万端ですね」

「どうするのです?」

「んー、先に行っててくれますか?」

「大丈夫なのですか?」

「だいじょーぶなのです」


 その間も銃声は絶え間なく続いているのに、その弾は触手の様なもので防がれて彼女達に届くことは無い。

 心配そうに何度も振り返るユメがとことこと台所へと入って扉を閉めると、扉越しに兵士達の悲鳴が聞こえてくる。しかし、数分も経つと悲鳴も聞こえなくなり、メリーが静かに扉を開けて入ってきた。


「お待たせしましたー、ではでは行きましょうか?」

「うん!」


 メリーが勝手口の扉を開けて屋敷の外へと出ると、外は白い霧で数歩先も見えない状況になっていた。

二人はその霧の中をはぐれないように手を繋ぎながら歩いていくと、古ぼけた車庫へとたどり着く。

 メリーは慎重に中の気配を探ると、静かに扉を開けた。車庫の中も霧が広がっていたが、二人が中へと入るとぱちんと指の鳴る音がしてゆっくりと霧が開けていった。

 中には黒いのワゴン車が一台あり、床は水浸しとなっている。


「アレ?意外と早かったじゃない?」

「お待たせしました。もう出れます?」

「それはメリーさんに任せるよ」


 洗浄用のホースから水を出して床を濡らしながら、中に居た赤いコートを着ている少女が笑って言った。



「はいなー、ではでは出来る限り早く出ましょうか・・・あ、そういえば霧はどのくらいまであります?」

「んー・・・街の外辺りまでかな?」

「そうですか・・・」


 メリーは少しだけ表情を暗くしたが、すぐに笑顔になると車庫のシャッターを開ける。


「ルカ!こっち掛けないでよ!」

「わかってるわよ・・・後きちんと『さん』をつけなさいちびっ子、グリグリするぞ」

「やー!」

「よろしい、ならばグリグリだ」


 ルカは逃げようとするユメを捕まえると、頭をグリグリする。


「眠り姫は一番後ろ?」

「そうですね・・・トランクに詰めるのはアレですしそこがいいかとー」

「だ、そうだちびっ子」

「いひゃいひゃい!わかったから離すの!」


 ユメは開放されると、一発蹴りを入れてルカを悶絶させてから眠り姫と呼んだ女性を車に乗せる。その作業の中、車の後部座席からリアカーにいつもは被せられていなかった青いビニールシートが被せられているのが見えた。

 不思議に思って近づくと、何かを積んでいるのかビニールシートが少し膨らんでいる。ユメの中にむくむくと湧き上がる好奇心。

 しかしその好奇心もシートに手を掛けたところで待ったが掛かった。


「よーし、そこまで!そこから先はちびっ子は見ちゃダメ」


 哀れにもユメは後ろから抱きかかえられると車へと連行される。


「子ども扱いしないのー!」

「はいはい、夜寝れなくなるから見ちゃダメよ」

「ルカ臭い!血生臭い!」

「・・・そ、それは聞き捨てなら無いわね」


 ルカはじたばたと暴れるユメと自身を抑えながらも車へと連行する。


「準備は出来ましたかー?」

「こっちは平気ー」

「ぶー・・・」


 運転席に座ってるメリーは膨れてるユメを見て微笑むと車を発進させた。


「ではでは行きましょうか・・・魔法使いを探しに」

ありそうな質問


Q.何この話、別じゃないの?

A.同時進行です


Q.何で作品にするの?馬鹿なの?死ぬの?

A.世界観は微妙に一緒ですので勘弁してください


説明になってない?聞こえんなー


本作品には他作品を読んでるとわかりそうでわからないようなネタがたまに出ます

別に問題は無いと思いますがご了承ください


また本作品には平然と骨が折れたり色々したりします

ご了承ください


甘くない?あらすじ詐欺?バカップルじゃない?ゴメンナサイ

次話は普通のいつものイチャイチャが入ると思います

というより、他の人の読んでると色々自重したほうがいいんじゃない?とか思うんですがどうなんでしょうね?

ひたすらバカップルしてる姿なんて見せられて楽しいものなんでしょうか・・・


ではでは、少しでも楽しんでいただけたら幸いです

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