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精神科で見た、長期隔離患者の話

作者: 神谷透
掲載日:2026/04/05

初めて隔離室に入ったときのことだった。



二十室ほど並ぶ部屋の中で、


一室だけ、違和感があった。



間取りは同じ。



だが、


中にあるものが違っていた。




生活用品が、置かれていた。




本来、


隔離室には物を置かない。



自傷の危険があるからだ。



許可されたもの以外は、


持ち込めない。




だが、その部屋だけは違った。



生活できるだけのものが、


揃っていた。




理由がわからなかった。




隣にいた看護師に聞いた。




返ってきた言葉は、


短かった。




「昔、やってるから」




それ以上は、


言わなかった。




あとから聞いた。




過去に、


職員を殺したことがあるらしい。




事実かどうかは、


わからない。




だが、


扱いは明らかに違っていた。




入浴は二人対応。



出入り口にも、


必ず人を配置する。




検温や採血も、


一人では行わない。




徹底されていた。




その患者は、


話さなかった。




何も言わない。




ただ、


こちらを見ていた。




ずっと。




目だけが、


動いていた。




舌を出したまま、


表情は変わらない。




異常な行動は、


なかった。




暴れることもない。




ただ、


そこにいる。





それだけなのに、




一番、


近づきたくないと思った


最後まで読んでいただきありがとうございます。


異常は、必ずしも目に見える形で現れるとは限りません。


むしろ、何も起きていないように見えるときほど

強く感じることがあります。


X「こころの余白|無理しない人間関係」で発信しています


https://x.com/yohakumaind/

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