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第十七借 応接室

 俺達は周囲を警戒しながら二人について行き、小声で話した。

「フラン、大丈夫か?」

「ええ、この方向だと目的地は応接室だと思います。ですがあの方々は…」

「さっき、マリィがお父様とお母様って言ってたな」

(マリィと違って会話ができるタイプだといいが)


 しばらく歩くと2人が部屋の前で立ち止まった。

(フランと俺の予想は当たっていたようだ…)

「ご存知かもしれませんが、応接室でお話を…」

 マリィとは違い、とても丁寧な口調と手つきで話が通じそうだと少し安心した。

 かと言って、マリィを躊躇いなく撃った男。警戒心は解けなかった。


「お座りください」

「ありがとうございます」

 俺たちは高級感漂うソファに腰をかけた。

「まず、皆様には謝罪を。私たちの娘が大変な迷惑と損害をおかけした。申し訳ない。」

 2人は頭を下げた

「はい。あの…すみません…お二人は…」

 2人は頭を上げて驚いた顔をした。

「いや、すまない。自己紹介が遅れましたな。私の名前はルイ・クルージス。クルージス家の当主です。」

「私はアンヌ・クルージス。ルイの妻であり、マリィの母親です。」

 2人が言い終わると勢い良く扉が開いた。

「私はハイド。ルイ様の執事でございます。」

「きゃあ!」

 フランは扉の音に驚いて叫んだ。

「驚かせてしまいました。申し訳ございません」

「い…いえ。こちらこそ叫んでしまい…すみません」

 フランは恥ずかしそうに耳を赤くした。


「私の名前はユーリ・オレスティアです。」

「私はフランです。」

「ユーリ殿にフランさん、私達が王都に出ていたとはいえ娘の行為に対し何の対処もできなかった。申し訳ない。謝罪を受け入れてもらえると嬉しい」

 ルイさんは俺の目を見てそう言った。

「王都…ですか?」

 その言葉に反応してしまった。

(もしかしたら、勇者どもと繋がって…)

「ええ、仕事です。地方貴族が王都に召集されるのは確かに珍しいことですがね。ユーリ殿の質問にはできる限り謝罪として答えたいと思っております。」

「仕事というのは?」


 ルイさんは少し口角を上げて俺に質問をした。

「ユーリ殿。ジャック・ザ・リッパーという名に聞き覚えは?」

(グレイ達が話していた、悪徳貴族を殺すことで有名な殺人鬼の名前だ…)

「“悪事を働いた貴族を始末する者”だと聞き及んでいます。」

「よくご存知で!」

((まさか…))

「私達は王家より不正を働く貴族を始末せよと命じられた、世間ではジャック・ザ・リッパーと呼ばれる者です」

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