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静寂の香にむせて
ベランダから見える環状線
手すりにもたれた私の退屈は
もう埋まらなくなっちゃったみたいで
冷えきった手の中にくしゃくしゃな煙草の空き箱
その証拠の塊が残っている
いつの間に空にしたのか
忘れたな
握り潰して
足元に捨てて
素足に当たって
足の裏がざらざらする気がした
窓を開けてようやく部屋に戻る
とおせんぼうするあれこれを足でどかしてから
私の場所に倒れる
布団に沈み込む
手を広げて
沈む
天井
勝手に流れる
映画みたいに
あった過去と無くなった現在とあったはずの未来
天井に
あなたが映るみたいだから
私は目を瞑った
咳が出た