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此花  作者: Ale Kanno
7/8

静寂の香にむせて



 ベランダから見える環状線


 手すりにもたれた私の退屈は


 もう埋まらなくなっちゃったみたいで


 冷えきった手の中にくしゃくしゃな煙草の空き箱


 その証拠の塊が残っている


 いつの間に空にしたのか


 忘れたな


 握り潰して


 足元に捨てて


 素足に当たって


 足の裏がざらざらする気がした



 窓を開けてようやく部屋に戻る


 とおせんぼうするあれこれを足でどかしてから


 私の場所に倒れる


 布団に沈み込む


 手を広げて


 沈む



 天井


 勝手に流れる


 映画みたいに


 あった過去と無くなった現在とあったはずの未来



 天井に


 あなたが映るみたいだから


 私は目を瞑った



 咳が出た




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