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昼休み(無糖)
背の高い棚の上に職場のロゴが入った帽子
いつからあるのか
重ねて、束になった状態で
プラスチックのボックスに詰められている
まだ一度も取り出されていないような
触るとたぶん
絶対、固いと思う
いや
しかし
暇だ
午前中を何とかだましだましで時間を埋めたけど
昼休み、昼食も早々に終えて12時50分頃の今
これは、飽きからくる暇ではない
無からくる暇なんだ
職場の窓から見えるスカイブルーの空が
ただそこに立て掛けているだけ
昼休みにだけかけるラジオも
ただ流れているだけ
目に映るもの
耳に届くものが
意味あるものになってほしい
名も忘れた花の香りを思い出したい
自分の触れるものが
何か大切なものであってほしい
パソコンの向こうで大げさにくしゃみする上司が高速で回転してそのまま消えた瞬間に夢を見せてほしい
そんなことを考えて
昼休みが終わった