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幽霊少女 宇宙から
宇宙の匂いを知らない
わたしを構成する物質も知らない
まばたきが透けた先も知らない
不安定な爪先の下に
イカロスの片翼が浮かんでいた
こんなところにあったのね
ビルが立ち並ぶ
ずらりと広がる
お菓子の空き箱みたい
一つをつまんでみた
泣き疲れて眠る子どものような背中
まだ震えているの?
まだ
暮れているの?
あなたの背に手を重ねたい
透けたネイル越しに あなたが見える
変わらない寝息
あの時の
わたしの子守唄だったね
このまま
あなたをすり抜けて
溶けて
混ざりあえたら
いいな