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金静均春
金星の側面にギンモクセイを飾る
音を立てぬよう
静かに
ゆっくりと
微細な動きで飾りつける
この息を呑む瞬間が
とても好きだ
春を待つ獣のようで
春を待つ獣のようで
金星の側面にギンモクセイを飾る
均衡をくずすみたいに
手指に神経を集めて
大胆に
頬が少し紅くなる
息を止めながら
微笑んだ
春を待つ精のように
春を待つ精のように
金星の側面にギンモクセイを飾る
音もなく
香りもなく
金星の輝きと
対比された
漆黒の最果て
「届かない」
という声ですら吸い込まれ
ああ そうか
春はまだ
遠いのか