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贈り物
踊る乙女に花を贈ろう
どれにしようか
どれが似合うだろうか
どれにときめいてくれるだろうか
一際に可愛らしく
慎ましやかなこの花にしようか
私の枯れた指先が
花の茎を摘まんだとき
久しぶりに指の腹が濡れた気がした
染みる水気がやけに冷たい
だから私は顔を上げた
白みを帯た店中の
鏡に映る
草臥れた私を
赤も白も黄も紫も
色とりどりの花たちが
私を置いて取り囲んでいる
果たしてどちらが「生」なのか
もう濃くもなく
鮮やかでもない
ああ それでも
あの乙女に花を