2話 運命の出会い
森に取り残された私は歩いていた
「はぁ……疲れた」
一応、もしもの為にと思って体は鍛えてあったが、ドレスでは歩きにくい
なんでこんな物を来てきたのだろう私は
自問自答してても仕方ない
でも、どれだけ歩いても街らしきものは見えない
私の歩くスピードが遅いのだろうか
既に、太陽は隠れ、月が顔を見せている
夜だ、夜が来た
ここで一番ヤバイのは襲われること
左右は森
魔獣が確定で出てくることは容易に想像できる
想像したくない!怖い!
最悪、ヒール捨てて逃げる
ガサガサ
「はぁ!?」
後ろの方から音がする
葉がこすれる音だ
きっとうさぎかなんかの小動物だろうね
うん、そうに決まってる
きっと
きっと
きっと
きっと
きっと
現れたのは、ウルフでした
茶色の毛並みに鋭い牙、Eランク魔物のウルフだ
冒険者から見れば余裕のウルフだが
可愛い可愛いお嬢様となればそうはいかない
要約すると簡単に死にます
私は、急いでウルフから距離をとる為にクラウチングスタートの準備をする
その間にヒールも脱ぐ
痛いし恥じるがいってもられない
こんなところで死ねるか!
ダッシュ!!
小石が当たる………クッソ痛い
振り向く
案の定追ってきている
追ってくんな!あっち行け!
やはり腐っても魔物着実に距離を縮めている
嫌だ!死にたくない!あのクソ共のせいで死んだら呪いまくる!
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ドサッ
背中に衝撃
体制を崩し倒れる
はぁはぁ
息遣いが聞こえる、背中に重いものが乗っている
悟ってしまった
ウルフは私の背中に乗っていると
「いやぁぁ!こないで食べないでぇ!」
手で払おうとする…
え?敵意なくね?
はぁはぁという息遣いは聞こえるが、攻撃はしてこない
恐る恐るみると
ウルフは私の背中でお座りをしていた
「えっと……どういう状況?」
『わふわふ!ご主人!ご主人!』
「うわ!誰!」
『わふわふ!!目の前の狼だよ!』
………目の前のウルフ?
……もしかして能力、共鳴?
「とりあえず、どいてくれる?」
『うん!』
あ、待って素直に可愛い
『ご主人!ご主人!わふ!』
しっぽふりふりしてる!かわよい!きゃわちい!最高!
「あの……ご主人って?私は君のご主人じゃ……」
『わふ!ご主人はご主人!感じるもん!間違いないわふ!ご主人は間違いなく共鳴神の生まれ変わりわふ!』
あ、情報力多すぎてワケワカンナイ
「ごめん、要約して」
『僕を君たちでいうテイム!して欲しいわふ!』
テイム
魔獣と主従関係を結べる契約
でも、今では魔獣と共に過ごすという価値観が無くなったためにもう昔のモノとして考えられているって本で見た
「私なんかで…いいの?」
『わふ!』
どうやらいいらしい
でもテイムって…まぁノリと勢いで行けばなんなとかなるよねきっと
「テイム」
白い光がウルフを包み込む
これがテイムなのかな?
光が晴れるとそこには
『わふ!』
変わらないウルフが居た
まぁ、可愛いしいいよね
「あ、名前決めないとね」
『わふ!』
「んー、そうだ、君の名前はイドだよ。よろしくね」
『わふ!ご主人!』
癒される