一話 不幸すぎる
ラミル・ロイ・ファールシ、お前を国外追放とする」
「はい」
私の家系、ファールシ家は代々心理という能力を受け継いできた。心理は人の心を包み隠さず知ることが出来るという能力だった。
だが、私は違った
能力が共鳴
ただただ動物と共鳴できるという物だった
いわゆる落ちこぼれだ
この世界は、15になると教会に行き、能力を知ることが出来る。
能力は強いものだとあるだけで地位が保証される
今の貴族の大半は能力持ちだ
それは、ファールシ家もだ
落ちこぼれ、無能
そのせいで王子の婚約破棄、国外追放
人生真っ暗闇
いや、まぁ正直いって国外追放されて嬉しいけど
だって婚約者私のタイプじゃないもん
確かにイケメンだけど、イケメンだけじゃダメなんだな
出直してきて欲しいよ全く
私の元婚約者
名前は、ロイズ・ロイエル・シルヴァラント
第1皇太子で、時期国王とも言われているエリートだ
容姿は金髪碧眼の俗に言うイケメンって部類に入る
礼儀作法完璧、成績優秀とかいう恵まれすきだ、天賦の才をもっている
能力は知らない
王家の国家機密らしいからね〜
どーせ、あれでしょ
能力全部使えます的なやつだと思ってるけど
「ついたわよ」
私の思考も使用人(元)の呼びかけで遮断される
「どーしてアンタみたいな無能をわざわざ運ばないといけないのよ。早く行って。私は忙しいの」
うわっ悪役だぁ
小説そっくりじゃん
小説書いた人凄、めっちゃ当てはまってるよ
私は、馬車を降りる
目の前にあるのは……森だった
ん?森?
「あの……街ではないの?」
「は?お金かかるからここで我慢しなさいよ」
そう言い残し私を置いて行く
いや、捨て犬かよ
……え?マジで言ってる?目の前森なんだけど
いやいやいやいやおかしい、一応私は、ファールシ家の長女、こんな待遇許されるわけが…あるか
いや、でもせめてちゃんと最後まで面倒見ろよクソ親父!
一発ぶん殴りたい
「どうしようか」
道はあるけど……絶対夜になるよね
空を見ると、既に太陽が傾いている
夕日、キレイだなー
ダメダメ現実逃避だめ、絶対
そうだ、持ち物
行く前に渡されたんだった
何が入っているのかな?
パカッ
………………そこにあったのは
『無能、落ちこぼれ』
罵倒の言葉が書いてある紙だった
「………よし」
私あの家にいなくて良かった
こんな性格悪い家に居たなんて……
きっと裏では、罵倒されてたに違いない
こんなに、性格悪いんだから
「……どうしよう、本当に」
私の苦難はまだまだ続きそうだ