表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編集

運命のふたり~夏の月に見守られて~

作者: 夢月みつき

「運命のふたり~月に見守られて~」登場人物紹介


1.花ねこちゃん

猫妖精族の女の子。

花と空豆と四季ねこくんが好き。


2.四季ねこくん

猫妖精族の男の子。

物書きをしている。書くことと読むこと。

そして、花ねこちゃんが好き。

おれが遠い星となっても、また、来世できみと出逢いたい。

ええ、きっと、きっとよ。私も必ず、生まれ変わって貴方と……。




こちらは、猫の妖精達が住む村。人の世界ではない、別の世界に存在している。

この村には、花ねこと四季ねこと言う仲良しの二匹の猫妖精がいた。


夏の季節、夜に花ねこは、涼むために散歩をしながら、青い多年草の花畑に花を摘みに来た。

桃色の毛の色、青い瞳。短い可愛いしっぽ。頭には、桜草の花が付いていて夜風に揺れている。


「ふう、このくらいでいいかにゃ?もう少し、涼んでから帰ろっと!」

花ねこは、バスケットに花を入れて草の上に腰を下ろした。

すると、その時。後ろの方で草を踏む音が聴こえた。


「花ねこちゃん?」



☆★☆


花ねこが、その声に反応して後ろを振り向くと、ヒマワリ色の毛色に緑色の瞳。長いしっぽ、頭にひまわりの花が付いた猫妖精が立っていた。


「あっ、四季ねこくん!四季ねこくんも、涼みに来たのかにゃん?」

花ねこがにこりと微笑んで聞くと、四季ねこも、微笑んで花ねこの隣に腰かけた。


「今日も暑かったにゃ。四季ねこくんは、今日は何してたの?」

「ぼくは、暑いから部屋でずっと、書き物をしてたにゃ。花ねこちゃんは?」

「あたしは、プールから帰って来てお昼寝してから、そら豆の下準備してたにゃん。」


花ねこは、冷蔵庫にそら豆の塩ゆでが入っていると、話した。

「そら豆、おいしそうだにゃ。ちょっとちょうだい!」と

四季ねこが目を輝かせて、言うと。彼女は、両手を口に添えてふふっと笑う。

「いいにゃんよ~。たくさん、ゆでたから。明日、お家に持ってくにゃ」


雲の間から、満月が顔を出し、花畑とふたりを照らした。

ふたりは、思わず、夜空の月を見る。


しばらく、月を無言で見つめるふたり。

その時、花ねこがおもむろに口を開いた。

「ねえ、四季ねこくん……。あたし、思い出しちゃったんだけど」


四季ねこは、花ねこを見つめてつぶやく。

「ぼくも、思い出したよ。」


ふたりは、驚いて顔を見合した。

「「四季ねこくんも(花ねこちゃんも)」」

ふたりの声がはもる。


その瞬間、花ねこは人間の女性の姿に。四季ねこは、男性の姿に変わっていた。


「――久しぶりだね。美絵(みえ)。」

(みつる)さんっ!」


なぜ、人の姿に変わったかは、分からなかったが。

ふたりは、恋人同士だった頃の記憶を取り戻し、抱きしめ合った。

月の光の中で、ふたりの唇が重なる。光は、柔らかな笑みを浮かべると美絵の頭を撫で、感激して、気もちが(たかぶ)ったふたりはそのまま、優しく愛撫(あいぶ)し合った。



それから、ふたりは満月の夜にだけ。人の姿に戻ることが、出来るようになったと言う。

運命のふたり。今世(こんせい)でも、来世(らいせ)でもずっと、ずっと。



――美絵。生まれ変わっても何度でも、きみを愛そう――




-了-

最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ