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第9話 アブソリュート・テリトリー・ヘブン with ピンヒール

 四人でパンデモニウムに乗り込んだルタオたち。早くも魔王と遭遇し、簡単に敗北を喫した。


 レイナが愚痴りだす。

「あんなやつ、どうやって倒すのよ。なにこれ、大罪が5つ?どういう意味?」


「略してシミズ、役を引けると反射シールド解除できるのよね?」


「たぶんな。発動条件がミドルリスクとリアルラック低確率で、かなり条件厳しいけど」


「実際に効くか試せてないのは仕方ねえな。全反射なんて初めて遭遇したわ」



 レイナは気持ちを切り替えて、レトロゲームコーナーを楽しんでいる。


「ローザ、これヤバくない?ジグザグってやつ。膨らむのカワイイんだけど。グッズ売ってるかな?」


「良くできるわね、レイナ。レトロゲーム難しすぎでしょ」


 ルタオは他のゲームを試している。


「これだろ、カラテりょく。お辞儀とかシュールだぜ、おりゃ次ー!……ハァ?柵でやられるとかアリかよ……。止めた、あっちのマサオブラザーズ試してくる」


 その手のゲームには興味がないシミズ。


「君たち、カードゲーム・ゾーンに移動しないか?モンスターや魔法が多くて、パフォーマンスの参考になるし。ほら、見てみろよ、略してレイナ」


 黄色いネズミが描かれたカードを見せられたレイナ。


「マジやば!なにこの黄色いリス!!尻尾しっぽオシャレすぎー。この体験にしよ。グッズ超買うし」



 黄色いネズミの世界の体験コーナーに向かうルタオたち。


『IT'S SHOWTIME!』


 突然バトルに突入した。即座にスタイリングするルタオたち。


「ルタオ流 十二式!鬼神風雷.com!」

『見せてやる!ルタオの拳をぉ!』

 ライトニングサンダー@オガサワラ、略してルタオは格闘家ぽい服装。


「モード・ノートリック・チンゴムスンブ!」

『イカサマなしの真剣勝負を楽しみな。』

 カジノバトラー$シミズはスーツ姿。


「ツアーガイド・第3地区・クエドラ!」

『第3地区の見所をご案内するわ。』

 ローザ、正式名、あなたのガイドさん・ローザ.jpは、バスガイド風になった。


「ディスリスペクト・ヴァイオレンス・クイーン!」

『あたしになじられたいドエムさん募集中ー。ソフトからハードまで選べるわよ』

 レイナ、正式名、ツンハンドレッド・デレゼロ・レイナは、若干ボンテージ寄りのセクシー系になった。スカートは短めで、生足にエナメルレザーのロングブーツ。



 相手はサキュバス。人間の女性につのとコウモリの翼、奇妙な尻尾しっぽがついた感じの人型モンスター。

 顔は美形で、あまり恐ろしげな感じはない。金髪でレオタード、SM女王様ぽい見た目だ。



 ローザは対戦相手を見たとたん、更にスキルを発動した。


「あらら。覚悟してレイナ。取り急ぎ、ガイド・フィールドチェンジ・ゴブリンの森!」


「マジで?黄色いリスとか出てこいし。エロ女王ビッチとかお呼びじゃないんだけどー」


 ローザのスキルによって、フィールドがゴブリンの森に変わった。


 サキュバスが、ルタオとシミズに向かって魔法攻撃を仕掛ける。男性だけに有効な魔法だ。


「うっふん・あっはん・投げキッス」

『あの女たちを倒したら、谷間でモフモフ出来るわよ』


 ルタオとシミズが魅了状態となった。目がハートマークになっているルタオとシミズ。

 彼らはサキュバスの味方についてしまった。


「L・O・V・E!サキュちゃんLOVE!」

「C・U・T・E!サキュちゃんCUTE!」


 壊れぎみのルタオとシミズ。いつの間にかハチマキをつけており、ペンライトを持っていた。

 そして、レイナとローザを睨みつけて、攻撃を仕掛けようとしている。


 ローザが早口でガイドを始めた。

「紅葉に旅心を誘われ、味覚の秋、嗅覚の秋となって参りました。右手をご覧くださいませ」


「ルタオ流 三連爆烈……。右?」

「プレイゲーム・ブラックジャッ……。右?」


 気弾を誰もいない方向に放つルタオ。シミズはカードを引き損ねた。


 ガイドを続けるローザ。

「この時期、ゴブリンは冬を越すために、冬眠の準備に入ります。温泉で身体を癒すゴブリンたち、かわいいですねー……」


 ルタオとシミズは、ガイドを聞いていて攻撃してこない。



 サキュバスを必死にディスるレイナ。

「てか、マジないし。キモいんですけど、その尻尾。恥ずっ!尻尾の先にハートマークとか付けちゃって、オトコ狙いが見え見えだし。今日はつのを猫耳にしよっかなー?とか思ったことあるでしょ。うわ、やば!萌え豚狙いでしか生きていけないのね。かわいそー。ああマジ気の毒ー……」


 サキュバスが「カチーン!」ときて怒りだし、呪文を唱えてレイナに向かって炎を放つ。


「はい、怒った場合の効果は反射でーす。タヒネ!このクソビッチが!」


 サキュバスの放った炎が向きを変えて戻ってくる。自身の炎に焼かれるサキュバス。


「タヒネって、レイナ。すぐに倒したらショーにならないわよ」


「こっちじゃ、エロ系パフォーマンスは禁止だから、マジ、ムカつくんだけど」


「そう言えば、略してタクヤはなんでなの?」


「あいつのは、ほら。フォロワーが望んでやってるから」


 サキュバスが「やっておしまい!」とルタオとシミズをけしかけた。


「レイナ、あの二人をお願い。左手に見えますのは……」


「ちょっ…。シミズはどうでも良いけど、略してルタオのファン怖いんだけど」


 悩んでいるレイナ。

(でも、うちらが補助して略してルタオのフィニッシュが基本のシナリオかー)


 ルタオをディスるレイナ。

「ええーい!おい、そこの身体がデカイだけの筋肉バカ!すぐに殴りかかってんじゃねえよ。あたたたたたたた、いててててててて、とか脳みそミジンコか!葉っぱ食って黙って見てろや、役立たずのゴリラが!」


 ルタオは正気に戻った。

「てめえこのやろ!助かったぜ」


 ルタオが戦線復帰、ローザは、サキュバスの気を剃らして隙を作ろうとしている。



 レイナは、シミズをディスる方法が思い付かなかった。


「こっちのギャンブル狂、良く知らねえし面倒くせー。やっちまうか。プレイ!手錠・足枷・三角木馬!」

『雰囲気だけで少し痛いだけよ。興奮してなさい。』


 三角木馬に拘束されたシミズ。レイナは更にコンボを放つ。


「目隠し忘れたわ。ま、あたしの美脚を楽しみな。アブソリュート・テリトリー・ヘブン with ピンヒール!」

『絶対領域を楽しみながら超興奮してなさい。』


 レイナのブーツのヒールが極端に尖って、シミズの顔に蹴りを入れまくった。


「オラオラオラオラオラオラオラオラー!泣け!叫べ!そしてー、タヒネぇ!!!」


 レイナは、蹴りまくった後、ジャンプしてシミズの背中に乗った。泣け!で踏みつけ、叫べ!で踏みつけ、そしてーでグリグリして、タヒネ!で超踏みつけた。


 口から何か吐いたシミズ。

「げぼぁ!!」


 勝利ポーズを取るレイナ。

「そのまま、タヒネ!」


 シミズはHPがゼロになって、タヒった。

 その後、ローザの補助により、ルタオがフィニッシュを決めた。倒れるサキュバス。



 レイナがローザに愚痴っている。

「ねえ、なんでMVPが略してルタオなわけ。あり得ないんだけどー」


「リアタイで観てるのは、略してルタオのファンばかりでしょ。まだ後から視聴あるし。でも、あそこで紳士服売場はイマイチだったかしら」


 ローザに話しかけるルタオ。

「サキュバスの魅了は、露出度を減らせば封印できんだろ。メイドとか萌え系で良かったんじゃね?」


 シミズは、何かに目覚めてレイナのフォロワーになった。

 なお、レイナの技は、倫理委員会的に、エロや誘惑行為とみなされていない。


 ◇


 中華料理屋にいるヤマダたち。


「なあ、クドウ。回鍋肉にポップコーン入れるといけるぞ。今度やってみ」


「被るの嫌だし、ポテチやってみるよ。追加オーダーお願いします。水餃子スープとポテトチップスのコンソメ味Sサイズで」


【ネタ元】『ポケモン』から「黄色い…」「尻尾」。SNKのゲーム『KOF』から「泣け!叫べ!そしてー」。ゲーム『カラテカ』から「お辞儀」「柵」。昭和のバッタもんゲーム「ジグザグ」「マサオブラザーズ」。『東京卍リベンジャーズ』から「脳みそミジンコ」。『北斗の拳』から「あたた…」。『ジョジョの奇妙な冒険』から「オラオラ…」。

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