表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

オリオンの空の彼方に

作者: 逢乃 雫

凍てつく風の中


吹き抜けていくような


時の移り変わりを


見つめながら



淡く紅く風に舞う


スイートピーの花は


冬の蝶のように



ふと見上げた空の


白い雲の切れ間から


現れる七つの星



それは星空の狩人


オリオン座の煌めき



紺碧の空に


今宵も勇ましく




オリオンの彼方に


星は瞬いて



(あか)きベテルギウスと


蒼きリゲルのその間に



淡く紅く空に舞う


オリオン大星雲の光は


星空に羽ばたく


火の鳥のように



光が生まれ


星が生まれ


そして銀河が生まれて



私たちの惑星(ほし)の光も


遠い宇宙から見れば



きっと微かな


星のさゆらぎ




オリオンの彼方に


星は時を刻んで



光が生まれ


時間が生まれ


そして暦が生まれて



星の光をもとに


時と季節が刻まれて



人は見えない時間を


数えるけれど



見えない想いは


数え切れなくて




オリオンの彼方に


星は生まれて



星が生まれ


星座が生まれ


やがて神話に彩られ



夢や希望や未来


そして愛


それは心を照らす光



もし光を見失いそうになる


その時には


星の光が生まれ来る


トラペジウムを見つめて




星空に羽ばたく


あの火の鳥は


どこへと向かうのだろう



星空に祈るように


紡がれた言の葉は


どこへと向かうのだろう



千三百光年の


彼方で生まれた


光が届くなら



同じ惑星の上で


生まれた想いの光も


きっと


届くと信じて




星に込めた祈りが


今宵も空を舞う



オリオンの彼方から


差し込む光に、


照らされながら













オリオン大星雲は、オリオン座の真ん中より少し下に見える星雲で、写真に撮ると、赤外線が映り紅い鳥が翼を広げたような姿となります。台形のような中心部は「トラペジウム」と呼ばれ、恒星をつくる元となる水素の密度が高く、「星が生まれる場所」と言われます。このことをモチーフに、1月の誕生花で、羽ばたく蝶のようなスイートピーとともに描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] オリオン座大星雲を火の鳥と表現されたのは素敵だと思いました。 そして、羽ばたくと表されたスイートピーの花言葉は「門出」ですよね...たしか 火の鳥のように勇敢に、スイートピーのように羽ばた…
[良い点]  星景写真を撮っていた私には★目に見える星と写真に撮れる星ばかりを頭に描いて夜空を観ていたので、ステラリウムを使っていても遠目に観える星の方ばかりを追い求めて忘れていました…☆  火の鳥と…
[良い点] 美しい冬空に、とても考えさせられる作品でした。 星は、季節・時間、神話を通じて、人の生活と心に密接ですね。 私たちはオリオンからみたら「星のさゆらぎ」かもしれませんが、きっと、希望は届くも…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ