オリオンの空の彼方に
凍てつく風の中
吹き抜けていくような
時の移り変わりを
見つめながら
淡く紅く風に舞う
スイートピーの花は
冬の蝶のように
ふと見上げた空の
白い雲の切れ間から
現れる七つの星
それは星空の狩人
オリオン座の煌めき
紺碧の空に
今宵も勇ましく
オリオンの彼方に
星は瞬いて
緋きベテルギウスと
蒼きリゲルのその間に
淡く紅く空に舞う
オリオン大星雲の光は
星空に羽ばたく
火の鳥のように
光が生まれ
星が生まれ
そして銀河が生まれて
私たちの惑星の光も
遠い宇宙から見れば
きっと微かな
星のさゆらぎ
オリオンの彼方に
星は時を刻んで
光が生まれ
時間が生まれ
そして暦が生まれて
星の光をもとに
時と季節が刻まれて
人は見えない時間を
数えるけれど
見えない想いは
数え切れなくて
オリオンの彼方に
星は生まれて
星が生まれ
星座が生まれ
やがて神話に彩られ
夢や希望や未来
そして愛
それは心を照らす光
もし光を見失いそうになる
その時には
星の光が生まれ来る
トラペジウムを見つめて
星空に羽ばたく
あの火の鳥は
どこへと向かうのだろう
星空に祈るように
紡がれた言の葉は
どこへと向かうのだろう
千三百光年の
彼方で生まれた
光が届くなら
同じ惑星の上で
生まれた想いの光も
きっと
届くと信じて
星に込めた祈りが
今宵も空を舞う
オリオンの彼方から
差し込む光に、
照らされながら
オリオン大星雲は、オリオン座の真ん中より少し下に見える星雲で、写真に撮ると、赤外線が映り紅い鳥が翼を広げたような姿となります。台形のような中心部は「トラペジウム」と呼ばれ、恒星をつくる元となる水素の密度が高く、「星が生まれる場所」と言われます。このことをモチーフに、1月の誕生花で、羽ばたく蝶のようなスイートピーとともに描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。