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今日は何の日? ひだまりのねこの気まぐれエッセイ~3月8日は『ミモザの日』ですよ~(*´▽`*)~

 

 ごきげんよう、ひだまりのねこですにゃあ!!


 さて、本日3月8日は『ミモザの日』ですよ~(*´▽`*)


 今日は、国際女性の日ということで、欧米では身近な女性に花を贈る習慣があるのですが、特にイタリアでは、この日にミモザの花を贈ることになっているため、ミモザの日となっています。


 イタリアでは大戦後の1946年に制定され、誰もが気軽に贈れる花として、高価なスミレではなく至る所に生えていてちょうど3月に開花するミモザが選ばれたんだとか。


 

 それにしてもミモザですか……私にとっては、ミモザは母がよく作ってくれたミモザ風ハンバーグなんですよね。


 だから大人になるまで料理の名前だと思っていました。まあ、間違いではないのですが、ここで言うミモザは本物の花の方ですね。いまだにミモザと聞くと美味しそうという連想が働いてしまうのは仕方のないこと。



 欧州では春を告げる花として親しまれる可愛らしい黄色の花『ミモザ』


 やはり春と言えば黄色ですよね~。


 日本でもやはり春は黄色の花が多くて、菜の花やタンポポ、ロウバイ他にもいろいろ。


 実は日本で咲く花で黄色い花は二番目に多い色だったりします。全体の三割くらいだったかな?


 なぜ春に黄色い花が多いかについては諸説あってわかっていないのですが、


 紫外線から花を保護(黄色は紫外線を吸収)するためとか、虫を集めるためとか、いずれにしても生存戦略上の理由があるのだと思われます。



 話が逸れました。さて、本題のミモザなのですが、実はミモザという花は無いということをご存じですか?


 この説明するのめっちゃ面倒くさいんですけど、まずミモザというのは、本来オジギソウなどのマメ科オジギソウ属の総称を表す学名なんです。だから、学名ミモザならばたとえばオジギソウでも正しい。


 でも、ヨーロッパでミモザとして親しまれている黄色い花はオジギソウではありません。


 じゃあ、あれは何か? アカシア(主にフサアカシア)です。


 じゃあ、なんでアカシアがミモザになってんの? という話ですが、そもそもアカシアはヨーロッパではなく、オーストラリア南東部が原産の植物で、英国経由でヨーロッパ諸国に持ち込まれたと言われています。原産地のオーストラリアでは、ワトルと呼ばれていて、ゴールデン・ワトルという種類はオーストラリアの国花にもなっていますよね。


 このミモザと呼ばれているアカシアを見ていただくとわかるのですが、葉がオジギソウによく似ているのですよ。


 それでヨーロッパの人々は、アカシアのことを、オジギソウつまりミモザによく似たアカシアということで、ミモザアカシアという名を付けたのですが、次第に省略されていつの間にかミモザになったということです(わかりやすいようにかなり大雑把に説明しています)


 そしてややこしいことに、そのせいで、ミモザは、マメ科アカシア属の()()にもなっているのです。定着しているのはこちらですが、あくまで俗称なのです。



 ここまで読んで、え……? アカシアって黄色い花じゃないよね? 葉もオジギソウに似ていないし、と疑問に思った方は正しい。


 実は、日本で言うアカシア、ハチミツになったり、様々な歌になっている植物は、アカシアではないのです(もうややこしいの極み)


 あれはハリエンジュ(針槐)でして、まったく別の植物。


 あれがなぜ日本でアカシアと呼ばれるようになったのか? 詳しくは私も知りませんが、明治時代に国内に導入されたとき、特に北海道でアカシアと呼ぶようになって、定着したらしいです。


 想像ですが、ハリエンジュの学名って直訳すると「ニセアカシア」なんですよね。


 ニセは可哀そうだからアカシアとしたのか、それとも単に長いから省略したのかはわかりません。


 その後、本物のアカシアが日本に入ってきたことで混乱が生じるわけですが、名曲になったことや、ハチミツや印象的な花の雨と呼ばれるイメージの美しさによって、日本では偽物が完全にアカシアとして定着してしまったのです。


 

 つまり……まとめるとですね、


 ミモザと呼ばれているモノは、アカシア

 アカシアと呼ばれているモノはハリエンジュ(ニセアカシア)

 オジギソウ(正確にはマメ科オジギソウ属の総称)がミモザ 


 となります。


 今更本当はね……何て言っても意味がないので、知っていてもあまり意味はありません。


 わざわざ3月8日にお花屋さんに行って、


「ミモザをください」


 とオジギソウをオーダーするのは単なる嫌がらせなのでやめましょう。


 書き手の皆さまでしたら、念のため作中では使わない方が賢明です。あえてその名称の混乱をネタにするならともかく、普通に使うには誤解を招きかねないので、少なくとも私は一度も使っていませんね。


 世の中知らない方が幸せという言葉がありますが、そう考えると、こんな知識は知らない方が幸せに暮らせるのかもしれませんね……このエッセイを読んでしまった人は手遅れですが。ふふふ。


 ちなみにお花屋さんで売っているのは、本場のフサアカシアではなく、ほとんどがギンヨウアカシアという種類です。


 可愛い花なので、庭に植えたい人も増えているようですが、成長が早くあっという間に10メートル以上になる上に、風にめっちゃ弱いので台風などで倒れないように剪定などの手間が必須です。


 また、杉やヒノキと違って虫を媒介するため花粉症の原因にはなりにくいとはいえ、オーストラリアやフランスのように多くのミモザが咲く地域ではミモザ花粉症になる人が多いらしいので、ご近所トラブルにもなる可能性もあることは念頭に置いて育ててください。


 国内でも年々存在感が増しているミモザ。


 3月8日がミモザの日として母の日やバレンタインデーのように、ミモザ風ハンバーグやミモザ風サラダを食べる日になったら良いなあ……。

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i566029
(作/秋の桜子さま)
― 新着の感想 ―
[良い点] なるほど…朝の情報番組で始めにキャスターが、 「今日は国際女性デーなので、胸にミモザを付けてます」 と言ってましたが、なかなか複雑ですね。勉強になるなあ。 [一言] あれはドライフラワ…
[一言]  めちゃくちゃいりくんだお話でミモザ、なかなか複雑なお花なのですね。  私はいい勉強になったなあ、と思いましたよ。  難しい説明、ご苦労様でした。  とても面白かったです。(o´▽`o)ノ
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