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今日は何の日? 5月12日は『ザリガニの日』ですよ~(*´▽`*)~

危なかった……投稿するの忘れていたのです(-_-;)


 ごきげんよう、今日5月12日は、『ザリガニの日』ですよ~。



 1927年の今日、ウシガエルと一緒に餌として来日した27匹(20匹説もあり)のアメリカザリガニがその後日本全国へと広がった彼らのご先祖と言われています。


 最初は逃げ出した個体が野生で繁殖し、その後、主に人間の手によって日本全国へ生息域を拡大しました。


 ある調査では、いきものを飼育したことがある人のうち、3割がザリガニだったということもあって、特別身近な生き物の一つではないでしょうか。



 さて、そんな彼らですが、食えます。


 本場アメリカはもちろん、北欧やフランス、中国では夏の食べ物として人気の定番となっています。


 中国にアメリカザリガニを持ちこんだのは日本ですが、なぜか日本では食用として人気がありません。


 おそらく、後ずさりするカニということから転じてザリガニとなった日本の場合、なんとなく音が汚い、ジャリガニを連想、ドクダミ、ゴキブリみたいに濁音混じりはやはりネガティブな印象だからですかね?


 間違っても美味しそうな名前には感じません。


 一方で中国語だと「小竜蝦」小さな竜のエビですからね。はじめから食材としての名前で勝負になりません。


 日本でザリガニ食を普及させるなら、まずは名称変更から始めないと無理かもしれないですね~。



 あ、もし捕まえたザリガニを食べるなら、泥抜きは必須ですよ。


 寄生虫の危険もあるので、しっかり茹でてくださいね。初心者は食用に育てられた養殖物をおすすめするのです。


 ザリガニのお味はですね~、カニよりはエビ寄りで、シャコが一番近いかも。


 気になる方は、お近くのイケアのレストランへGO!! ザリガニフェアが始まっていますよ。



 

 さて、あまり知られていませんが、日本にも固有種のニホンザリガニがいます。そもそもザリガニって日本語ですしね。


 夏になるとあちらこちらでこんな会話が聞こえて来ます。


「この赤いのがアメリカザリガニで、こっちの小さくて色が薄いのが二ホンザリガニだよ」



 うむ、二ホンザリガニを知っているだけで素晴らしいが残念。


 ニホンザリガニが生息するのは「北海道」「青森」「岩手」「秋田」のみ。


 少なくとも関東にいるザリガニは、ほぼアメリカザリガニで間違いないです。


 一応、簡単な見分け方は、ハサミにとげ状の突起があるのがアメリカザリガニ。色はあてになりませんので参考にしてください。


 上記の地域以外で、栃木県の日光でも生息が確認されていますが、こちらは天皇陛下へ献上するための養殖場があったためで、本来の生息域ではありません。


 二ホンザリガニは、綺麗な冷たい水と主食である広葉樹の落ち葉が無いと生きられないので、年々数を減らしていて、絶滅が心配されています。卵もアメリカザリガニの十分の一しか産まないので、繁殖力も低いのです。


 よく言われているアメリカザリガニが二ホンザリガニの住処から追いやったというのは間違いで、生息域が元々違うのでそれは冤罪と言わざるを得ません。彼らが生態系を破壊していることは間違いないですけどね。


 ただし、北海道での二ホンザリガニ大量死事件は、持ち込まれたアメリカザリガニが持っていたザリガニペストが原因とされています。


 結局人間が全部悪い。



 

 ところで、皆さまはザリガニが持っているエリクサーをご存じでしょうか?


 漢方では、「蜊蛄石」と呼ばれ、西洋では「オクリカンキリ」と呼ばれる万能薬。


 日本へ布教しにやってきた宣教師たちも携行していましたし、かの有名なシーボルト医師も好んで服薬し、患者にも用いていたもの。


 実はですね、これはザリガニの胃石なのです。


 しかもこれ、一匹から二粒しか採れない上に、脱皮する前後にしか生成されないという貴重品。


 徳川将軍家もご愛用していましたし、高値で取引されたので、松前藩をはじめ東北諸藩の貴重な収入源だったと言われています。

 

 

 ザリガニがなぜそんなものを生成するかですが、彼らは年に数回脱皮するからです。


 脱皮直後のザリガニは、ぷにぷにで無防備なのです。ちなみにこのときに食べれば、丸ごと美味しく食べられます。


 当然こんな状態では危険ですが、この胃石はあらかじめ殻を素早く作るためにカルシウムをためこんでいたもの。脱皮した直後から全身の血流に溶けてゆき、わずか70時間ほどで使い切ってしまいます。


 なんだ、万能薬とか言って、ただのカルシウムの塊じゃん、なんて思いましたか?


 まあ実際最近まではそう思われていたんですけどね。



 実はこのカルシウム、ACCという非常に珍しい非晶質なんですよ。要はとても不安定な状態で存在しているので、摂取すると素早く骨などに吸収されるわけです。


 不足しがちなカルシウムが効率よく摂取できるわけで、ザリガニパワーさく裂なのです。


 そして、本命はGAPと呼ばれるたんぱく質。


 これが凄まじい可能性を秘めていて、すでに医療用に使われ始めています。


 その効能の範囲はまさに万能薬と呼ばれるにふさわしいもの。


 今のうちにザリガニから胃石を取り出す練習をして、貯めこんでいた方が良いかもしれませんよ。


 食用と胃石でザリガニ健康長者に……なれるかも?



 さあ、もうすぐ彼らのシーズンがやって来ます。


 皆さまもザリガニハントへGOなのですよ~!!

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i566029
(作/秋の桜子さま)
― 新着の感想 ―
[良い点] ザリガニ……、うぬぬ、進んで食べようとは思えないです(^^;; でもザリガニ飼ってみたいな〜。
[良い点] アメリカザリガニがニホンザリガニの生息域を侵食したというのは俗説……ほへぇ、そうだったんですね。 ひだまりのねこ様のエッセイはいつも勉強になります。 脱皮したてのザリガニを丸ごといただく…
[一言] ザリガニ 好きなんです 育ててました ニホンザリガニ 子どもの頃見たのです 歩いてるなーと眺めてました 眺めてから「捕まえたかった……」となりました(笑)
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