最初の事件 前編
僕は一瞬にして固まった。まるで接着剤で全身固められたようだった。僕は数秒間頭の中を整理した。その後僕は、メイ先輩に聞いてみた。
「あの~もし合ってたら良いのですけど、もしかして探偵部ってことは何か事件を解決していくって事で良いんですよね?」
「そうそう。良くお分かりで。確かにここは事件を解決していくって所は合っている。ただ、もうひとつあって。それが何でも屋なの」
「そもそも何でも屋とは何でしょうか?」
すると、ファイルを本棚にしまい終わったまい先輩が僕たちの方に向かってきた。
「はいはい。ここからは私が説明するからメイは資料を片付けといて。じゃよろしくね~」
「え~。しょうが無いな。ま、私が資料をだしたからちゃんと片づけないとね。じゃあよろしく~」
そう言ってメイ先輩は机の上の資料を整理し始めた。
「はい。では説明するからね。よく聞いて。まぁここは一つは探偵部、もう一つが何でも屋なの。その何でも屋って言うのが、この学校の事、もしくは学校外の事を解決していくって事。まぁほぼほぼ探偵部って事だね。で、私達はこの学校の校門の近くにあのー何て言うか、鉄製の箱を置いているの。ほら?あのよく家庭にある手紙が来たら入っている箱みたいな?」
「あ~はいはい。ありますよね。手紙が入っている箱。確かに校門のすぐ横に置いてありましたね」
「そうそう。で、その箱に時々だけど手紙が入っているの。その手紙を私達が回収して内容を確認して、解決していくの。資料とかは図書館に行って、情報を手に入れるの。これで分かったかな?」
僕は一気に情報が増えて追いついていない。そもそもなぜこの探偵部が出来たのか?そして目的は何なのかがとても知りたかった。その前に僕は一番の疑問をまい先輩に投げかけた。
「えっと~とりあえず分かりました。そして一つ質問なんですけど、わざわざ箱なんか置かなくても今はネットが凄いんで、ブログなんかを作った方が速くないですか?と、思うんですけど」
すると、まい先輩は僕の目をしっかり見てこう答えた。
「確かに君の言っていることは正しいね。さすが鋭い!だが、そこには問題が一つあってね・・・」
「その~問題とは?」
「私達は機械が苦手でね~。どうしてもブログ作ったりしたり、後はブログの更新?が嫌でね。だから箱なんかを作ったり、図書館に行ったりしているの。まぁ私達も成長しようとは思っているよ?」
そうまい先輩が答えてくれたので、僕は納得した。納得したのか?よく分からない。僕は深く考えて、まい先輩にある提案をした。
「あの、あれでしたら僕がブログを作ったり、更新とかもしたりする担当になりましょうか?ネットで調べたりするのは僕が主にやるのでどうでしょうか?」
「僕は何を言っているのだろう。自分から何かを提案するのはいつぶりだ?思わず僕は目を一瞬つぶってしまった。するとまい先輩ははっとした顔で僕の手をしっかり握ってくれた。ちょっとドキッとした。
「それ、良い提案じゃない!そうしてもらえると私達も助かる~。ね!メイもそう思わない?」
すると、メイ先輩がこっちを向いてくれた。
「確かに。そうすれば箱に来ないような事件も来るかもしれないからね。はじめくん。グッドアイデア!」
僕はなぜか恥ずかしくなった。今までこんなこと無かったのでどうして良いか分からなかった。すると、資料を片付け終わったメイ先輩が、手を一回叩いてこっちに向かってきた。
「はい!では、はじめくんも入ったことですし、色々とはじめくんの事を聞きながら、難事件に終止符をうちましょ。では、まずはカフェに行きましょ」
「そうだね。じゃあはじめくんも一緒に付いてきて」
「あ、はい分かりました」
僕はメイ先輩とまい先輩に付いていった。すると、学校を出て、海沿いの道を歩いていると、まい先輩が話しかけてきてくれた。
「そういえば、はじめくんは知っている?この海の伝説の話。まぁ都市伝説かな」
「なんかこの海であったんですか?」
「実はね、この海には人魚姫がいるって噂なんだ。見つけた人はね、好きな人とうまくいくらしいよ。ま、噂らしいけどね」
「そうなんですね。それは一目みてみたいですね」
「あ~あ。私も今頃人魚姫見れてたら、彼氏が出来てたのかな~。ま、あたしには遠い夢だけどね」
「はぁ、まい先輩ならすぐにでも彼氏の一人や二人ぐらい出来るんじゃないんですか?顔は可愛いんで」
「やだな~はじめくんたらっ。口だけは達者なんだから。だけどそう言ってもらえて嬉しいな。今まで言われたことなかったから、どうして良いか分からないや。けど、確かに今頃出来てたかもね~」
「なんか理由があるんですか?」
すると、メイ先輩が、
「まいはね~昔から幾度も告白されたんだけどね、幾度も断ってきたんだよね~。だから皆からはまるで二次元の様な叶わぬ恋として伝説になっているのよね。全く、いい加減作らないのかね?」
「うるさいな~。私も好きで断っているんじゃないの。ちゃんと好みっていうのがあるんだから。メイこそいい加減作ったりしてみては?」
「んふふ。私はノーコメント」
この二人は何を言っているんだ?お互い彼氏を作れと言い合っている。まぁ僕も人のこと言えないか。僕に関しては小学校四年生辺りに一人出来たが、その子は夏祭りの日に、待ち合わせ場所に向かっていくと、他の男の子と楽しそうに話していた。その時僕は確信した。僕は振られたのだと。僕はその場から待ち合わせ場所の反対方向に歩いて行った。別に悲しかったわけではない。ただ、せめて一言欲しかったし、あれは確実に付き合っている感じだった。その後、同じクラスの友達と一緒に屋台を回っていった。だが、その時の心境は複雑だった。
「ねえねえメイ。カフェに向かうよりはさ、まず最初に事務所向かった方が良くない?今頃なら誰もいなさそうだし」
まい先輩がこう言うと、
「確かにそうだね。事務所を紹介しないと、休みの日に集まれないしね。じゃあ向かおうか」
「あの~事務所ってあるんですか?まだ、高校生ですし、作れないと思うんですけど~」
「まぁまぁ細かいことは置いといて。ほら行くよ!」
そう言って、僕たちは事務所?方面に向かった。聞いた所、事務所は学校からそんな遠くないらしい。僕たちが歩くと、事務所に着いた。
「はい!着いたよ。ここが事務所になりまーす」
「え?事務・・・所?ここが?」
見ると、そこは海関係のお店だった。いわゆる、ダイバーショップ?とも言えるのだろうか。
「じゃあ入ろうか。詳しい話は中で」
お店のドアを開けると、カランコロンとまるで喫茶店の様な音が店内中に鳴り響いた。すると、ちょっと茶髪のショートの女性の定員がこっちを向いた。
「いらっしゃいま・・・また、あなたたち?事件の方は解決したの?いつまでウチを事務所代わりにするわけ?まぁ、仕事の方を手伝ってもらっているから、その分お礼として貸しているけど」
「助かりますよ~姉さん。あ、紹介します。こちら新しく入った椎葉はじめくんです。よろしくです」
「初めまして。椎葉はじめと言います。よろしくお願いします」
「はじめくんね。私は深田志乃と言うわ。志乃でいいわよ。ここはダイバーショップって言うの。まぁ、いわゆる海の生き物の管理をしたりしているの。で、この子たちが事務所扱いしているわけ」
「ちょっと姉さん!言い方が悪いです。好きで事務所にしているわけではないです。ダイバー関係が好きだから、一石二鳥だと思って、事務所代わりにしているのですよ。ねえ、まい。そうだよね?」
「そうですね。しかも志乃姉さんが優しいから私達も居心地が良いと思って事務所にしたのに。そんな言い方するなんて・・・悲しい」
するとまい先輩が目を手で覆い始めた。
「大丈夫ですかまい先輩?ハンカチありますよ」
「いいのよはじめくん。いつもの嘘泣きよ」
すると、まい先輩が手を目から外した。
「バレたか。志乃姉さんにはかないませんね。では、そろそろ座ってもよろしいですか?ずっと立っているのも辛いもので」
「はいはい。では、奥のテーブルを使ってね。飲み物は何が良い?」
「私はミルクティーが良いな。まいとはじめくんは何を飲む?」
「私はオレンジジュースで」
「僕は・・・麦茶で」
「分かったわ。座って待っててね。隆一く~ん?オレンジジュースとミルクティーと麦茶ねー」
「はい。分かったよ」
奥から男の人の声が聞こえる。
「すみません。あの人は?」
「あ!ごめん伝え忘れたわ。あの子は青野隆一くん。このお店の従業員の一人よ。私の後輩ね。ここは全員で四人もいるの。後の二人はまた後で紹介するわ。でも後の二人は女性なのよね。隆一くんが可哀想よね~。だからはじめくんどんどん話してあげてね」
「分かりました。頑張ってみます」
すると、志乃さんはさっきまで、ダイバースーツの汚れ取りをしていたので、その続きに行った。数秒後にメイ先輩が口を開いた。
「では、話し合いましょうね。はじめくんにはこの事件をまず手伝って欲しいの。この手紙を読んで」
そう言って、メイ先輩は淡いピンク色の手紙を僕に手渡した。僕は手紙を手で開いて確認した。
これは、ある夜の日のことでした。海沿いの道を歩いていると、海の家の近くで、人の声が聞こえました。その声は子供達だったようで、とても小さい声で話し合っていました。僕はその子たちに、何しているの?と聞きました。するとその子たちは、慌てるのだと思ったら、水鉄砲でインクらしきものを撃ってきました。ある子はインク入りの水風船を僕にぶつけてきました。僕は人目算にその場から逃げるとその子たちはその場から離れず、僕が離れるのを確認していました。何をしているのかを知りたいし、目的も知りたいです。どうか調べてください。お願いします。
「成る程。子供達ですか。でも、これは調べないといけませんね。後~、これはネットで調べても無理だと思います」
「そう?なんでだと思う?」
「例えば、大きな会社を調べる場合はホームページにアクセスしたり、ブログを確認したりと、幅広く調べられますけど、今回は海の家だけという情報だけで、海の家の事件とは言えませんし、場所としてですからね。これは難しいですね」
「すると、メイ先輩がため息を一回ついた。
「やっぱりそう思う?そうだよね。さっき部室で私達が資料片付けてたでしょ?あれは全部この事件関係の資料なの。けどどれもだ~め。確実な情報が無いんだもん。まいだって調べても無かったでしよ?」
「無かったね。だから、この期間中に解決したいと思っているの。他にも事件があるし。だから、はじめくんにも全力で手伝ってもらうからね」
「はい。では、まず海辺の近くに住んでいる人に聞き込みをしに行きましょうか。この時間でしたら人もいるかもしれないですし」
僕がそう言って立ち上がるとまい先輩とメイ先輩も一緒に立ち上がって店を出た。海辺の方に向かうと、ある人が海の家の近くで何か作業をしていた。
「あの人何しているのかな?ちょっと聞いてみようよ。はい。はじめくんお願い」
「え?皆で行きましょうよ。一人だと心細いですし。あと正直寂しいです」
「え~どうしよっかな~?まいはどうする?私はあんまり動きたくないからここで待っているけど~」
「じゃあ私も待ってようかな。はじめくんも社会経験だと思って行ってきてね」
「まい先輩までも?は~分かりました。僕が一人で行ってきます。そのかわりちゃんと待っててくださいね。先に戻ってたら怒りますよ」
「は~い。ちゃんと待ってまーす」
メイ先輩の返事を聞いた僕は海の家の方に歩いて行った。砂浜は夏なので温かくて、靴の上からでも熱さが伝わってきた。海の家に着くと、上は白のタンクトップにしたはデニムの肌は焼けている男性が何やら設計図を書いていた。
「あの~ちょっとお話を聞きたいんですけど」
すると、作業を進めていた男性がこっちを振り向いてくれた。
「お!どうしたんだ?なんか捜し物か?」
「実は最近この海の家の近くで深夜に子供達が集まって何かしているらしいんですけど、何か知らないですか?何でも良いんですけど」
すると、男性は考えた様な感じで答えた。
「あ~最近なんか近所で話題になってますよね。でも、あんまりよく知らなくて。でも一つだけ聞いた話があって」
「何でしょうか?」
「実は、その事件が起きてから、この町の名物であるホタルイカの姿があまり見えなくなって。この町では
ホタルイカの繁殖が速いからそこまで減ってないけど、ここ数日あまり見てなくて。むしろおかしな事が起きているんだ」
「なんかあったんですか?」
すると、その男性は近くにあったかごを持ってきた。のぞいてみるとその中にはホタルイカが何匹か泳いでいた。
「びっくりしただろ?ここ最近、朝ここに来ると、かごの中にホタルイカが一匹づつ増えているんだよ。最初はあまり気にしなかったけど、これが何回も続くってなるとおかしくないか?でも原因が分からなくて。奥さんにも息子にも聞くけどいまいち分からないんだよね。速く解決しないかな~」
僕は大事な所をメモした。僕は二人の所に戻ろうとした。
「ありがとうございます。貴重な情報になりました。あ、最後に一つ良いですか?息子さんがいるって言ってましたが、ちなみに何歳ですか?」
「あ~はいはい。息子は今年で7歳になるんだよ。ちょうど小学二年生ぐらいかな?」
「ありがとうございます。お仕事頑張って下さい」
「は~い。そちらも頑張って解決してね~」
そう言って僕は二人の所に戻った。すると、二人は浮かない顔を浮かべていた。
「聞いてきました・・・。どうしました?二人とも浮かない顔をして。なんかあったんですか?」
すると、まい先輩が答えてくれた。
「実はねはじめくん。今回この事件ははじめくん一人でお願いしたいの。さすがに新入部員である君にお願いするのはいけないと思っている。先輩として。だけどごめんね。一人で・・・お願い」
僕は急すぎて目線が合わせられなかった。一人?いきなり入部したと思ったら難題が飛びかかってきた。今まで苦手な英語や数学の授業の難問がいくつかあるが、どれもしっかりと勉強したら何とか解けてはいた。だが、今回は勉強するどころの事では無い。
「え?どうしたんですか?急用ですか?二人ともで何かありました?」
「いや、ちょっと言い方が悪かったね。今回の事件はちょっと手伝えなくて。色々と事情があるから、本当にごめんね。次は手伝ってあげるから。ね、メイ?」
「うん、そうだね。私も今回はパスさせてもらうね。けど、はじめくんなら大丈夫だよ!ぜひ解決したら報告してね。お祝いしてあげるからね」
「成る程。分かりました。今回は一人で頑張ります。あ、ちなみに事務・・所?は使って大丈夫ですよね?それだけが心配なのですけど?」
「あ~それなら大丈夫!私達の方から言っておくから心配しないで。じゃあお願いね!」
そう言ってまい先輩とメイ先輩が歩いて行った。さて、これからどうしようか。多分だけど二人はこの後事務所の方に行って事情を伝えに行ってくれたと思うから、下手に行かない方が良いと思うな。だと、するともう少し聞き込みでもしようかな。そう思い、歩き出したその時に、後ろから女性の声が聞こえた。
「あれ?はじめくんじゃん?どうしたの?」
後ろを振り返ると、金髪気味のポニーテールの同じ学年の女子がこっちに手を振って向かってきた。よく見ると同じクラスの人だった。
「あの~変なことを聞くのですが、どちら様でしょうか?同じクラスなのは分かりますが・・・」
そう聞くと、その女子はぽかーんとしていた。
「あれ?自己紹介あったよね?まぁ無理もないかな。一回あいさつしただけだと覚えられないよね。じゃあもう一回するね。私は神楽ちづるって言うの。神楽かちづるでいいよ。君は確か・・椎葉はじめくん?だったよね。宜しくね」
「宜しくお願いします。ちづるさん。で、どうしたのでしょうか?」
「いや~実はね、私部活に入ってなくて。先生に速く見つけろって言われたのね。けど~私運動神経は良いけど、運動部に入りたくないし、ましてや文化部もどうかなって思うの。ねぇはじめくん、何が良いと思う?はじめくんなら分かるでしょ?」
僕はそう言われ、考えざるをえられなかった。僕は必死に考えた。けど難しくね?全く知らない、または初対面に近い人の部活を考える?難問すぎるだろ。
「う~ん運動部が嫌だったら、文化部じゃないですかね?意外と多かったですし」
「やっぱりそう思う?そうか~。・・・そういえばはじめくんはどこに入っているの?」
「え?僕は探偵部兼何でも屋ですけど・・・」
「え!?何それ?おもしろそうじゃん。どういう感じなの?教えて!」
僕はちづるさんに一から十まですべて教えた。教え終わると、ちづるさんの顔には笑顔が浮かんでいる。
「へぇ~凄いな。よし決めた!私そこに入るよ。なんか面白そうだし。部長さんはどこにいるの?確か入部届けを出さないといけないし」
「あ。それなら僕から出しておきますよ。明日学校に来たときに僕に渡してくれれば出しておきますね」
「え!ほんと?ありがとう。じゃあこれで私も部活動出来るね。で、今はじめくんは何しているの?」
僕は事件の手紙と、今までの工程を話した。
「成る程ね。あの海の家で事件か。しかも子供でしょ?厄介だね。これは長くなりそうじゃない?」
「そうですか?ちづるさんにはどう思います?」
「う~んまずはその子供たちがどこの小学校かが分からないといけなくない?第一この街では小学校が三つもあるから探すのたいへんだよね。だからといって、夜に待ち伏せしてもその子たちは私服でしょ?まさに難事件だね~」
「そうですね。まぁ今日はこれぐらいにしますね。もう夕方ですし、ちづるさんには悪いですがこれで解散しますか。明日また頑張りましょう」
「そうだね。じゃあまた明日ね~」
「では、また~」
お互い手を振ってちづるさんが振り返って帰っていくところを見て、僕も振り返って帰って行った。家までの道中は特に寄り道をするところは無い。なのでまっすぐ帰る。家について、僕はドアを開けた。
「ただいま~」
すると、母親の声が聞こえた。
「お帰り~。お風呂に先に入って。あの娘ったらあんたが入った後に入るって言っているから」
「あそうなの。じゃあ先に入るわ」
僕には中学二年生の妹がいる。顔はそこそこ可愛く小学校、中学校でもそれなりにモテてはいた。まぁ兄としてはどう見ていいのか分からないが。僕は服を脱いでお風呂に入った。妹はなぜかシャンプーとコンディショナーは一緒に使っている。なぜか僕の使っているやつが良いと言っている。変なとことがあるなと思う。あいつには思春期がないのか?そう思いつつも僕は髪と体を洗い終わった。湯船に浸かりたいとこだが、あいにく忙しいので今日はパスだな。僕はお風呂から出て、体を拭き始めた。服を着て、二階の自分の部屋に向かった。向かう途中の階段で妹が上から下ってきた。
「あれ?帰ってきてたんだ?お風呂先に入った?」
「入ったよ。速く入ってきたら?」
「マジ?お風呂~お風呂~」
そう歌いながら妹はお風呂の方に向かった。僕は単純だな~と思って、自分の部屋に向かった。僕の部屋にはパソコンを置いている。時々調べものがあるときは妹が勝手に入って使っている。時々入ると居るのでびっくりする。今日は特に大丈夫そうだ。僕は椅子について、パソコンを起動させた。起動させたら検索アプリを開いた。真っ先に僕はある疑問を調べた。それはあの海の家の事だ。聞いた話によれば子供達は海の家で活動していると言っていた。だとすれば今回の事件は海の家関連の事件性が高い。まずは海の家の事を調べる。海の家と調べると、食べログが真っ先に出てきた。見るとそこまで悪くない。ただ、コメント欄には愚痴らしきものが多い。
あそこは悪くないけど、メニューが飽きた。もっと違う料理を出せば人が多くなると思う。とか、料理は美味しいけど、オシャレな感じがしない。外装と内装をもっとかえてほしい。などと書いてある。だからか。あの店主らしき人は何やら設計図を書いていた。しっかりとお客様の声を聞いているのだな。凄い人だな。
けど、特に有益な情報は無いかな。・・・ん?待てよ。この最初のコメントのメニューの事は何か引っかかるな。まず第一にこの建物のコメントは先月の下旬にきている。そしてこのコメントは今月の初めにきている。そして最近起きたホタルイカの減少はいつ起きたんだ?調べてみると、今月の初め辺りに起きている。これは関連があるな。しかもあの店主は小学二年生ぐらいの子供がいると言っていた。もしかしたらその子供が主犯で動いているのか?だとしたら目的はあの海の家のため?かもしれないな。とにかく、明日ちづるさんに報告しよう。とりあえず今日はこれでやめよう。
だが、僕は甘かった。この事件にはまだ僕も知らない闇があったことに・・・