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07 魔女との出会い

 

  『深淵の玄き森』は、太古からある森のひとつです。

 わたくしの力が強く及ぶ場所のひとつで、魔力に満ち溢れています。


 ふふふ。『魔女』が住むにはぴったりの場所でしょう?



 目的地であるこの場所に、ふたりはたどり着きました。

 森の入り口で、ふたりは辺りを見回します。


「ここが、『深淵の玄き森』だと思うけど、このあとはどうしたらいいんだろう」


「中に入っていいのかしら」


「中には魔女しか入れないんじゃなかったかな?」


「じゃあ、入れないわね」


 ふたりは入り口で、腕を組んで首をひねっています。


 そうしていると、森の奥から羽ばたきの音が聞こえ、やがてふたりの上に止まりました。


「あなたたち、何をしているの?」


 それは、一匹の梟でした。

 梟の羽は白く、その目は悪魔のように赤く光っています。


 ふたりはこれこそが『深淵の魔女』だと思いました。


「僕たちは、『深淵の魔女』に会いに来ました」


 梟は、手近な枝に止まると、ふたりを見て、首をほぼ逆さになるまでひねりました。


「ただの人が、私たちに? いったい何をしようと言うの?」


 ふたりは、顔を見合わせます。

 彼女は、白い体と、赤っぽい瞳を魔女に見せ、言いました。


「あの、私は、畏れ多くもここまで『深淵の魔女』に間違えられ続けてきました。魔女には似ていませんか?」


 問えば、魔女の梟は声をあげて笑いました。


「その赤銅色の瞳の猫が、魔女ですって? 冗談も大概にしなさい。ご覧なさいな、私のこの純白の羽と、赤い宝石のような瞳を! 違うでしょう? 第一、その体毛だって、生まれつきじゃないじゃないの」


 ふたりは、魔女の慧眼に感服しました。


「私たちは、魔女に間違えられる彼女を、魔女ではないと証明するために来ました。力をお貸しください」


 すると、魔女の梟は、反対側に首をひねりました。


「あらあら、常人にはわからないのねぇ。いいでしょう。私がついていって、証言してあげる」



 魔女の赤い瞳を見て、ふたりは固まりました。

 そして、あたふたと焦り出します。


「魔女を外に出す……? そんな、私たちは……」


 魔女の梟は、コロコロと笑ってふたりを見返しました。


「あなたたちの住んでいるところまで、どれぐらいかかるかしら」


 茶斑の猫が、指を数えて答えます。


「ここまで、10日かかりました」


 魔女は鷹揚(おうよう)に頷きます。



「ならば間に合うわ。私は、この森に来て7年になるの。一ヶ月(ひとつき)以内に帰ってくれば、災いは起こらないわよ」



 だから、帰りもきちんと送ってちょうだい。

 魔女のその言葉に、ふたりは顔を見合わせ、やがて決意したように頷き合いました。


「わかりました、『深淵の魔女』。私たちと一緒に来てください」



 魔女は、うっそりと、満足そうに笑いました。



 

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