15 少しでもあなたが、癒されますように
あれから。
茶斑の猫と白猫の彼女は、白猫の彼女が魔女ではないという保証の他に、姫の病を快癒させた褒美と、姫が魔女ではないという証拠を見つけてきた礼をされて、自分たちの町に帰ってきました。
ふたりはまるで英雄のように歓迎され、しばらくお祭りのように連日、宴が開かれました。
けれども、ふたりの心は晴れませんでした。
梟の、遺体は森に返されました。
彼女は『深淵の玄き森』に住む魔女たちによって、手厚く葬られたそうです。
それでも、ふたりの心は晴れませんでした。
ある日。
ふたりに客人が訪れました。
「よォ」
渡し守のサルでした。
「世話になったなァ。礼を言いに来たんだ」
渡し守のサルは、意外にもすぐに相棒が見つかったと話しました。
「留守を預かるってェ、兵隊が来たんだが、これが面白ェヤツらでよ、すぐに意気投合よ。けど、せっかくだからこの機会に、嫁も探してくらァってんで、旅の最中よ」
ケタケタと笑って、サルは手を叩きました。
ひとしきり笑ってから、サルはぽつりと言いました。
「あの梟、悪い魔女だったんだってなァ。大変だったな」
その顔は、とても真剣な労るような表情でした。
「けど、それにしちゃあ、ずいぶん穏やかな寝顔でさァ」
運ぶときに、魔女の顔を見たのでしょう。
確かに、と、猫たちも思ったようでした。
ポリポリと、サルが頭をかきながら続けます。
「たぶん、心残りはなくなったんだろうよ」
サルが旅立ってから、ふたりはお互いの手をぎゅっと握ると、空を見上げました。
悲しいすれ違いで起きた災いは、『深淵の魔女』自身の命で、それ以上の被害を出しませんでした。
さて、わたくしが、自他共に認める猫好きでありながら、他の動物も嫌いではないという話をしましたでしょうか。
このね、わたくしの肩に乗っているこの子も、お気に入りなんですよ。
生前はとても頭の良い子でね。
けれども、いろんな不幸が重なって、悲しい亡くなり方をしてしまったんです。
わたくし、あまりに勿体なくって。
ついつい、理を曲げて、魂を救い出してしまったのですわ。
ほら、ご覧になって。この美しい白い羽根。瞳はルビーのようでしょう?
同じ梟でも、こんなに美しいのはこの子だけよ。
本当に頭が良いから、いろいろサポートしてくれるの。
本当に。
素敵な相棒よ。
わたくしが、頬を寄せると、梟はばつが悪そうに、ひと声鳴いたのでした。
お読みいただき、ありがとうございました。
わりかし、バッドなエンドになってしまった……oyz
プロット通りなのに、おかしいな?
梟の魔女に、ついつい入れ込んでしまった作者の思い違いであれば、いいのですが。
最後の場面で、少しでも癒されますように。そう思います。
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